切り花として花屋さんで見かけることの多いスイートピーは、80年代アイドル歌手の流行歌に謳われた影響からかも春の花のイメージですね。しかし、品種によっては夏咲き・冬咲きのスイートピーもあります。
花の特徴は豆の花に似ていて、ひらひらとした3㎝程の花が細い茎にいくつも咲きます。花の色が豊富なのも魅力的で、赤やピンク、青や黄色の花が咲きます。全体的に淡い色が多く優しい雰囲気です。
甘い香りのするマメ科のスイートピーの原産地はイタリアのシチリア島です。
イタリア料理の演出にも効果があり、優しい雰囲気作りに貢献してくれるスイートピー。
それでは、春になると多くの花を咲かせるスイートピーの育て方をご紹介します。
Contents
スイートピーの育成条件と栽培期間
- 日当たり:日なた
- 土壌酸度:中性(酸性の土壌を嫌います)
- 株 間 :20~25㎝
- 栽培期間
- 種まき :10月
- 植え付け:11月~12月
- 開花期 :5月~6月
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スイートピー栽培の土作り
日当たりが良く、風通し、水はけの良い場所を好みます。酸性土を嫌うので、種まきや苗の定植前の2週間前までに、苦土石灰を施して酸性度を矯正しておきましょう。
スイートピーは根が深く伸びる植物です。40㎝位まで深く耕しておきましょう。
マメ科の植物は窒素過多を嫌います。元肥に配合肥料を使用するならリン酸・カリ分の多い肥料を使用します。
種まき・苗の管理
種をまくタイミングですが、発芽温度が15℃なので10月(秋)になって涼しくなってからまきましょう。
種の皮が厚いので、発芽率を上げるためにも一晩水に浸しておきましょう。吸水することで種が膨らみます。吸水時間は半日~1日必要です。
種に傷をつけて開花しやすくする方法もあります。しかし、水につけておく方が簡単なのでこちらの方がおすすめです。
直まきの場合は、20~25㎝間隔で3粒まきます。ポットで発芽させるなら、6㎝ポットに2~3粒まいて1㎝程覆土します。穴は棒の先端で作ると簡単です。
乾燥には注意して、日当たりの良い場所で発芽させます。
発芽したら育成の状態から判断して、ポットに元気な苗1本にして育てていきます。間引きは引き抜くのではなく、地際からハサミで切り採ってしまいます。
根が深いので間引きで抜いてしまうと、使いたい苗もダメージを受けることがあります。
ポットで育てる場合、1本まで間引きしたら植え替えのタイミングを見守りましょう。本葉が3枚くらいまで育ち、ポットに根がまわってきたら植え付けになります。
スイートピーの苗を購入する
種からの育苗ではなく、苗を購入して定植するのもよいですね。
11月位になると苗の販売が始まります。ホームセンターなどで販売されます。
この季節は、野菜の苗の販売が少なくなる時期で、スイートピーなどの花の苗の販売が目立ち解りやすいですね。
苗選びは、葉の色が濃くて生き生きとしている緑色を選びましょう。つるも伸びすぎていない適度なものがよいでしょう。つるが絡まっている苗は遠慮したいです。
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スイートピーの定植適期
いよいよ苗の定植です。11月頃から苗の販売が始まりますので土壌づくりも前もって始めておきましょう。土作りの目安は2週間前までです。
株間は20~25㎝は空けましょう。根が深く(約40㎝)伸びる植物なので深く耕しておきます。スイートピーは直根性の植物なので、定植時に根を傷めないように気を付けてください。ただし、深植えにならないよう配慮も必要です。
ポットから苗を抜き取り、根に触らずそのまま植えつけるようにすると根を傷つけないで定植できます。
マメ科のスイートピーは連作障害を起こしやすい植物です。そこで、連続して同じ場所でスイートピーやマメ科の植物の育成はやめましょう。
直根性の植物とは?
地中で根が枝分かれせずにまっすぐ伸びる性質の植物のこと。地中で根が枝分かれすることもあるのですが、基本的に真っ直ぐ太い根が伸びます。
この太い根を少しでも痛めてしまうと植物全体へのダメージとなり、その後の成長が悪く根付かなくなります。直根性はマメ科の植物に多く見られる特徴です。
購入してきた苗は、土を崩さずにそのまま定植するようにしましょう。
苗が若いうちに定植することも大切です。その後の成長が影響されます。
支柱・仕立てについて
つる性の植物であるスイートピーは支柱を立てましょう。つるの誘引も行いながら多くの花が咲くように仕立てていきます。ネットに誘引するのも花を美しく引き立てる効果があります。
発芽後に茎が7~8節伸びたら摘芯(てきしん・つるカット)をしましょう。元気なつるを切ってしまうなんてもったいないように思いますが、この作業が重要です。
摘芯すると、脇芽が伸びてきて結果的に多くの花を楽しめます。
ただし、つるがあまり伸びない矮性種の場合は摘芯の必要はありません。
スイートピーの水やりについて
「基本的には乾燥気味に育てる」このスタンスで育成していきます。地植えの場合は乾燥しない限り(他の植物も育っている)なら水やりは必要ありません。
鉢植えのスイートピーは水やりの管理が必要になります。土が乾きだしたら水やりを行いましょう。
特に春先は開花を迎える季節です。より多くの水が必要となるので乾燥も進みます。たっぷりと水やりをしましょう。
肥料の与え方
地植えのスイートピーは追肥の必要はありません。鉢植えの場合は開花中に行いましょう。液肥を週1回で全部で2~3回与えましょう。少なく与えて成長を観ながら足していくイメージです。
マメ科の植物は低肥料で充分育つので、手間が省けて助かりますね。
開花の時期とお手入れ
春先のスイートピーは5~6月になると開花時期を迎えます。カラフルな花が次々と咲いていきます。摘芯でつるを増やして、誘引して花を美しく見せましょう。
咲き終わった花は放置せずに摘み取ってしまいます。そのまま残しておくと豆(サヤ)ができて養分を取られてしまいます。種を作る方に養分を取られてしまいます。
植物は子孫を残す方に力(養分)を入れる特徴があります。豆(サヤ)ができるとそちらに集中して、花が咲かなくなってきます。そこで、咲き終わった花はこまめに摘み取ってしまいます
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種の収穫について
翌年の種を収穫する場合は、花全体が咲き終わる6~7月の花がらをそのまま放置しておくと種になります。
サヤが茶色くなってきたら収穫して乾燥させます。中の種を取り出して涼しいところに保管しましょう。
病害虫について
アブラムシが付きやすい植物です。発生初期や忌避剤をまいておくとよいでしょう。春以降はハモグリバエがつくことがあります。殺虫剤を株もとに散布しましょう。光る物を嫌うアブラムシ対策に、透明ポリマルチも効果があります。
うどんこ病は気温上昇と共に発生が増加して、長雨の後が要注意です。殺虫剤をかけて駆除してしまいます。
マメ科の植物は連作障害が発生しやすい植物です。一度育てた畑では、2~3年はマメ科の植物の育成は止めましょう。
おわりに
スイートピーの育て方について説明してきましたがいかがでしたか?
春になると淡い色の花々が咲くので季節感を実感し易い花ですね。
空きスペースに植えておくと、次々に開花していきます。誘引や咲き終わった花の処分等手もかかりますが楽しみでもあります。
品種改良が進んだ花であり、冒頭に紹介した「赤いスイートピー」も後年に誕生して流通量が増えたとのこと。
「春告げ花」とも呼ばれるスイートピーを育ててみましょう!地植えでも鉢植えやプランター栽培でも気軽に開始できる植物です。一度試してみませんか?