冬に植える花

バラの育て方!栽培時期と苗選び・花が咲いた後の手入れまでをご紹介

バラの育て方!栽培時期と苗選び・花が咲いた後の手入れまでをご紹介

バラの栽培を始めるとなると、もの凄く敷居が高そうだけれども、実は意外と簡単なんです。

ベランダや空きスペースで気軽に出来る、プランターや鉢を使った栽培方法をまとめてみました。




バラの栽培時期と育成条件

春:基本的に春の4〜6月にかけて、様々な種類のバラが咲きます。

夏:品種や地域により、返り咲きするバラは咲き続けています。

秋:10〜11月末頃まで四季咲き性のバラが楽しめます。

冬:バラは休眠に入ります。花は咲かない時期です。

バラの育成条件

日当たり:日なた
土壌酸度:弱酸性



バラの品種の選び方

バラの品種の選び方

ミニバラも可憐で悪くはないけれど、株が小さい分水切れにシビアで意外と難しいです。安く売られている事も多く簡単な様に錯覚しがちですが、全くの初心者には向かないかなと思います。

どうせ育てるならば、本格的な「四季咲大輪系(HT)」にチャレンジしてみましょう「HT」とはハイブリッドティの事で、ハイブリッドパーペチュアルとティーローズの交雑によって生じた系統で、1867年に発表されたラ・フランスから始まりました。(※「四季咲大輪系」の選び方は、記事の後半でご紹介します。)

花色、花形、香りはさまざまで大輪で見応えがあり(品種によっては花径が15_を超えます)、四季咲きなので長期間楽しめます。また、花だけでなく、葉や幹もそれなり大きさなので、じっくりと観察して剪定のスキルを向上させる事もできます。

大輪なので切り花として一輪挿しでも映えますし、特に芳香の強い品種を選べば、飾った部屋中がバラの香り…なんて楽しみ方もできますよ。

鉢・プランターの選び方と置き場所

鉢・プランターの選び方と置き場所

夏場に地中が高温にならない事と、日差しを好む事の両立となるので、とにかく大きくて深めのプランターや鉢を用意します。鉢ならば7~8号程度を目安とすれば良いでしょう。

更に環境によっては、夏場は二重鉢にするなどの鉢への直射日光を避ける工夫をしましょう。

ちなみに我が家ではマンションのベランダで栽培しているため、夏場は照り返しも激しい過酷な環境なのですが、大和プラスチック株式会社が出している「底面灌水ラクアインナーセット310型」が効果を発揮しています。

二重鉢構造になっているため、地中の温度の上昇も抑えられ、そして何よりのメリットは、外泊などの場合、数日間なら水をやらなくても全く問題がない点です。

置き場所は、直接雨が当たるベランダのフェンス際を避け窓際に寄せて、鉢に出来るだけ直射日光が当たらない様に設置しています。

土の選び方と植えつけ

土の選び方と植えつけ

面倒臭い事は考えずにバラ専用培養土の一択です。鉢底には、軽石やパーライトの大粒で根腐れをしないように排水層をつくる事だけは忘れずに。

市販されているバラ専用培養土の場合、あらかじめ元肥が配合されている物がほとんどなので、植えつけの際の施肥で悩む必要はありません。

植え付け時期と苗の種類

植えつけの時期ですが、苗には「新苗」「大苗」「鉢苗」の3種類があり、それぞれに流通の時期、植えつけの時期が異なります。

  • 新苗:流通の前年の秋に作られたばかりの接ぎ木して間もない苗木で、4~6月頃が植えつけ時期となります。一番安価ですが、管理などの面が難しいので初心者にはおすすめしません。
  • 大苗:新苗を地植えで育てて秋に掘りあげたもので、9月~12月頃から出回ります。見た目は茎だけの丸坊主の状態です。最も寒さの厳しい時期や、まだ暖かい初秋、春遅くなってからの植えつけは避けた方が安全です。翌春に開花します。
  • 鉢苗:こちらも大苗と栽培期間は一緒ですが、簡易な鉢に植わった状態で販売されているので、そのままの状態で花が楽しめると言うメリットがあり、年間を通じて流通している事が多いです。

教科書的にはダメですが、「初心者向き」の強健な品種の場合、日頃の管理が適切ならば、購入後1年程度は植え替えなくてもなんとかなります。

価格的には、「新苗」が千円の品種ならば、「大苗」は二千円、「鉢苗」は三千円と言った感じになります。

「新苗」以外の苗の植えつけや植え替えは、前述の通り、それなりに寒い時期が最適なのですが、早い時期に「大苗」が手に入ってしまった場合には、そんな事も言っていられないので、すぐに植えつけます。


バラの植え付け方法

植えつけの深さですが、「接ぎ木」部分を培養土の上に露出させる事と水やり時のウォータースペースを確保する事が必要なので、根を広げた状態で鉢の縁から1/5辺りに「接ぎ木」部分が来る様に加減して培養土を入れていきます。なお、その際「接ぎ木」部分にテープが巻かれている場合は取り除いてください。

植えつけ完了後の水やりですが、根の間に培養土を流し込む事を意識して水をやり、隙間に土を入れる様にします。とにかく水はたっぷりと、下穴から水が流れ出すまで充分に。これを2~3回繰り返して行うと良いでしょう。

完了後、バークチップなどでしっかりマルチングします。

バラの水やりについて

バラの水やりについて

鉢やプランター植えの場合、とにかく、水切れに注意しましょう。

乾いたら…などと書かれている事も多いですが、それは根腐れを心配しての事ですので、バラ用の培養土とパーライトの底石で充分な通気性が確保されている鉢では、水やりしても大丈夫です。

ベランダなどの風通しの良いところに置かれた鉢は特に乾燥しやすいので、休眠期間である厳冬の時期を除いて、毎朝、下穴から水が流れ出すまで充分にやりましょう。

バラの肥料

地植えの場合には、寒肥として牛ふんなどを入れますが、鉢で専用培養土を使用する場合には不要です。バラ用の顆粒状肥料やタブレット型肥料と液肥の併用します。

顆粒状肥料やタブレット型肥料は、開花に備える3月と、開花して消耗した株の回復と2番花・3番花用の6月、秋の開花に備える9月と言う感じで、鉢の縁に置き肥するだけです。

また、月に数回程度、状況に応じて液肥を与えます。液肥は規定の倍率よりもかなり薄めに希釈して、養分のある水で水やりをする感覚で与えると良いでしょう。

バラの病気と害虫

基本的に、病気を予防・治療する殺菌剤」、害虫を退治する殺虫剤」の2種類を用意します。

ただし、鉢を置く場所や環境を考慮する事で、病気の発生を予防する事は可能です。特にバラの場合に問題となる病気は「黒星病」と「うどんこ病」です。

黒星病について

「黒星病」は、葉へ必要以上に雨水がかかる事で葉の皮膜が失われ、そこから菌が進入して発症するので、出来る限り雨水のかからない位置に鉢を置く事で対処します。

梅雨や秋の長雨の時期には、慈雨がとんだ厄介者になってしまうわけです。

うどんこ病

「うどんこ病」の発症は、とにかく風通しを良く保つ事だけで予防できます。

「初心者向き」の強健な品種の場合、極端に悪い環境に置いたり、弱らせたりしなければ、あまり神経質になる必要も無いでしょう。

バラの害虫

バラの特に厄介な害虫は、「ハダニ」と「アブラムシ」で、「ハダニ」は、梅雨明け頃から秋まで発生。雨の少ない高温期に大発生しやすく、 「アブラムシ」は、春と晩秋に発生し、夏は他の植物に移動するためバラには発生しないと言う特性を持っています。両者とも薬剤散布で対処します。

住友化学園芸が発売している「ベニカマイルドスプレー」は、「ハダニ」と「アブラムシ」ともに有効で、更に「うどんこ病」に対する殺菌効果もあります。

有機JAS規格(オーガニック栽培)で使用可能な食品成分から生まれた殺虫殺菌剤なので、近くにハーブのプランターが置いてあるのだけど…なんて場合にも使い易いかと思います。

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花が咲いた後の手入れ

四季咲き性のハイブリッド・ティー系統のは、良い2番花、3番花を咲かせるための「花がら切り」が特に大切です。

  1. 1番花を切る位置は、一番大きいしっかりとした「5枚葉」の上です。そこから花芽が伸び2番花、3番花が咲いてくれるわけです。
  2. 2番花、3番花の「花がら切り」の際は、徒長している事が多いので、伸びた分を半分に切り詰める感じでバッサリ切ります。

ここで、咲いた後の手入れで「花がら」として切るのではなく、最初の方で述べた様に「切り花」として楽しむという方法を選択しても良いでしょう。

要は、株の消耗を抑えるために切るわけですから、咲き始めに切っちゃっても構わないわけです。

バラの夏剪定と整枝

バラの夏剪定と整枝

9月になったら「夏剪定」を行います。全体の高さを2/3程度までカットするとともに、細かい枝、枯れ枝などを切り落とし、枝が密集して日当たり、風通しが悪い場所に残った枝を、つけ根から切って間引きます。樹形が出来るだけ扇型になる様に心がけて整えます。

ただし、ひと枝に対して最低限3~4葉の葉を残す方が優先なので、厳密に1/3分を切り落とさなくても構いませんし、キレイな扇型にならなくても平気です。

特にハイブリッド・ティーは、「夏剪定」を的確に行なうと、10月頃からの秋の開花期の花数が増える上、大きな花が咲きます。また、風通しが良くなり病害虫の発生の予防にも繋がります。

バラの冬剪定と整枝

バラの冬剪定と整枝

12月下旬になったら葉落としを行います。枝を軽くしごく感じで残っている葉を全て取り去ります。DIY店などで400~500円程度で売られている「革軍手」を買ってくると良いでしょう。

この作業は、後に行う冬剪定の際に新芽の位置を確認し易くするために行うもので、残っている葉が少ない場合は省いても構いません。

1~2月になると、いよいよ冬剪定です。冬剪定の目的は、樹形を整えるため、そして株を若返らせるために行ないます。寒い時期に屋外で作業するのは辛いのですが、バラの生育が停滞する冬にしか出来ない作業なので我慢して下さい。

基本的に、樹高が1/3~1/2になる程度を目安に、「こんなに切っちゃって大丈夫?」と思うくらいに大胆にカットします。その際、株の外向きに出た芽(外芽)の発育を促す事が目的なので、外芽の上5ミリ位の位置でカットします。

枯れた枝、鉛筆よりも細い枝、成長すると交差しそうな枝、株の内向きに出た芽(内芽)などは、全てカットしてしまいます。太い枝の切り口には、念のため、トップジンMペーストを塗っておくと良いでしょう。

植え替え・土の入れ替え

冬剪定と併せて、根詰まり気味の場合は、植え替えや土の入れ替えを行います。

株元をつかんで鉢から引き抜き古い土を落とし、手でブチブチとちぎれる細い根は土ごとむしり取ります。大雑把で構いません。ただし、根を乾かさない様にだけは注意して下さい。

後の手順は、前述した植えつけと同様になりますので参照して下さい。


「四季咲大輪系(HT) 」の中から、どんな品種を選べば良いのか?

「四季咲大輪系(HT) 」の中から、どんな品種を選べば良いのか?

これも簡単です。業界最大手の「京成バラ園芸」の検索機能が優れているので、それを例にお話を進めましょう。

ネット通販ページから「もっと詳しく検索」に進むと、「四季咲大輪系(HT) 」などの系統や花色、芳香の強さなどの選択肢と並んで、用途の「鉢、プランター」「初心者向き」という項目があるのでチェックを入れて検索するだけです。

「初心者向き」マークが付いている品種は、強健種とされる品種が多く、また、「病害虫耐性」「耐寒性」などが特に優れた品種もあります。他社でも同様に「初心者向き」「初心者におすすめ」「育てやすい」などと記されている品種が強健な品種です。

なお、「初心者向き」と聞くと、工業製品などではスペック的にやや劣る機能限定版であったりする事が多くネガティブな印象を抱きがちですが、バラに関して言うならば、それは全くの杞憂です。その証拠に「初心者向き」のバラの多くには、各種の国際的なコンクールの受賞歴があったりするわけです。

百点満点とは行かない環境で、それほど高度な栽培技術を持っていない人が世話をして、ちょっとしたミスをしたとしても簡単には枯れずに、優れた花を咲かせる品種の作成と言うのが、ローズナーセリーにとってのひとつの目標でもありますから。

おわりに

こうして、まとめとして文字になってしまうと面倒臭そうに感じるかもしれませんが、実際は環境に馴染んだら、夏と冬の剪定以外は放ったらかしで大丈夫です。

水やりついでに病害虫のチェックをすれば良いんだし、花がら切りも、切り花用途にしてしまえばお楽しみになりますもんね。