ローズマリーと聞くと何を想像しますか。ローズマリーは、魚料理や肉料理の臭みとりや香りづけなどでも使われることが多く、ハーブの中でも親しみがあるのではないでしょうか。
ラベンダーを思わせる青くて小さな美しい花を咲かせ、見る人を楽しませてくれるだけでなく、料理にも使えるローズマリーは、一見育てるのが難しいように思われる人もいるかもしれませんが、初心者でも簡単に栽培できるハーブとして今とても人気があります。
様々な楽しみ方をできるローズマリーを自分の手で育ててみませんか。
Contents
ローズマリーの栽培時期と育成条件
栽培環境:日当たりが良いところ
土壌条件:水はけのよい土壌、アルカリ性~弱酸性土壌
栽培適温:どんな温度帯でも育ちやすい。強い霜に当たらないようにする。あまりマイナス気温が続く地域では鉢植えにして、冬場は室内へ避難させる。
栽培時期:春または秋
栽培難易度:初心者でも育てやすい
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ローズマリーの定植適期
植え付け
ポット苗などを植え付けするには、真夏や真冬と言った生育環境的に難しい季節には行いません。春や秋といったローズマリーにとって適温と言われる時期に行うようにします。
水はけが良くなるように腐葉土を混ぜ、根が張りやすい環境を整えるようにします。日当たりのより場所に植えるようにすると花つきもよくなります。
植え替え
ローズマリーは生育がとてもよいため、鉢植えの場合は、一年ごとに一回り大きな鉢への植え替えをするようにしましょう。
植え替えを行うのも春か秋に行うのがベストです。数年たったローズマリーは、根の本数が少なくなっていることが多いので、根を切らないように注意も必要です。
【ローズマリー 鉢植え】
ローズマリーの水やり
ローズマリーを栽培するうえで最も気を付けたいのが水やりです。水の表面が乾いてから2~3日後に水をたっぷりとあたえるようにします。水をあげすぎると根腐れを起こしてしまうこともあるため、注意が必要です。
露地植えの場合は、深く根を張っていれば、水やりは必要ないとさえ言われています。逆に鉢植えの場合は、水のあげすぎや乾燥しすぎないように注意することが大切です。雨が長く続くような梅雨の時期などは、軒下などに移動させて長雨に濡れないようにすることも必要です。
ローズマリーの栽培管理
ローズマリーの剪定
基本的には、春から秋にかけて、収穫を兼ねた剪定を行えば問題ありません。風通しがいいほうが生育環境は良くなりますので、収穫するときには、高さが整うように見ながら剪定を行うようにします。
また伸びすぎた枝や枯れかけているもの、下向きのものや細くて弱そうなものを選んで収穫するとよいでしょう。冬の間は、料理の香りづけに使う程度の少量であれは剪定しても問題ありません。
肥料
ローズマリーを育てていると、肥料をあげなくていいのかなと気になることがあると思いますが、肥料は必要ありません。最初にハーブ用の土を準備すればOKです。肥料を与えすぎるとかえって元気がなくなってしまいます。
もしも元気がないように見えるのであれば、風通しを良くするための剪定を行ったり、土の乾燥具合を見て、水やりの頻度を見直すことのほうが大切です。
病気・害虫
ローズマリーは香草であることから、あまり虫はつきにくいのですが、新芽にはうどんこ病が発生する恐れがあります。またアブラムシやカイガラムシはつくこともありますが、大きな病気やかなり困るような害虫の被害を受けることは少ないです。
育てるうえで注意しておきたいのは、根腐れです。鉢植えで根が詰まりすぎると葉が黄色くなってしまうというように弱ってしまうことがあります。
増やし方
ローズマリーを増やすには2つの方法があります。
種から育てる
種まきは、春か秋に行うようにします。種から育てると発芽には15~20日ほどかかります。一斉に発芽するわけではないだけでなく、生育にも時間がかかるために10日ごとに薄い液肥を与えるようにするのが望ましいです。
芽が出てからの生育適温は15~20℃なので3月や10月ごろが一番育てやすいと考えられます。また気を付けておきたいのは、発芽するまでは土が乾かないようにキチンと水やりを行うことが大切です。
種から育てると生育にばらつきが出るだけでなく、枝ぶりなども親株と同じものになるとは限りません。特に初心者が育てる場合は、ローズマリーを種から育てることはあまりおすすめしません。
挿し木で育てる
春や秋に健康な枝を10~15cmほどカットして、下のほうの葉を取り除き水揚げを行ってから、種まき用土に植えて固定すると、1か月ほどで根つきを始めます。他の樹木などでもよく行われている方法です。
他の樹木などで挿し木によって増やした経験がある方にはおすすめの方法です。根づいたら、少しずつ日に当てて慣らすようにします。
とり木で育てる
初心者に最もおすすめの方法がこの「とり木」です。「伏木法」とも呼ばれる方法で、若く曲げやすい枝をU字に曲げた針金などで地面に固定することで、枝を地中に埋める方法です。
この方法では、切り離せるほどまでに根付くのには2~3か月ほどかかりますが、失敗が少ないので初心者にも挑戦しやすい方法です。
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ローズマリーの種類
ローズマリーは大きく分けると3つの品種に分けられます。
立性
ローズマリーの中でも代表的なタイプで、ローズマリーと聞いてイメージするのはこのタイプではないでしょうか。
上に向かって伸びて、少し横に広がったような株に育つのが特徴です。
代表的な品種:トスカナブルー・マリンブルー・マジョリカピンク・クリスマスツリー
ほふく性
ほふく性は、ほふく前進を思い浮かべるとわかるように、地面を這うように伸びていくタイプのものを指します。上にはほとんど伸びずに地面に伸びていくのが特徴なので、植える場所をしっかりと考える必要があります。
ハンキングバスケットで、垂れるような植物を探している人や壁を植物で覆いたいという人にはぴったりです。
代表的な品種:プロストラータス
半ほふく性
半ほふく性は、立性とほふく性の両方の性質を持っているものです。つまり地面を這い、上にも伸びるタイプです。
場所は選ぶものの、見た目のボリュームが欲しいという人にはぴったりではないでしょうか。
代表的な品種:モーツアルト
収穫したローズマリーの楽しみ方
収穫したローズマリーは様々な方法で楽しむことができます。
自分のライフスタイルに合わせて、ローズマリーを楽しんでくださいね。
料理の香りづけに
香りが特徴で、香草の一種としても知られてるのがローズマリーです。
肉料理や魚料理の臭みとりや香りづけとして使われるのはもちろん、ハーブティーとしても親しまれています。ローズマリーをオイル漬けにしておくのもおすすめです。
生活の香りづけ
ローズマリーは普段の生活の中で乾燥させてポプリとして使われることもあります。
入浴剤代わりに、ローズマリーを湯船に浮かべるのもおすすめです。スワッグにして、玄関やトイレなどに飾るのもとても素敵ですよ。
花として楽しむ
花をつけているときに花束にして楽しむのも素敵ですし、そのままドライフラワーにして楽しむと香りとその花の美しさを長く楽しむことができます。
フラワーリースにするのもとてもおしゃれな楽しみ方です。
ローズマリーのある生活を楽しもう
初心者にも栽培できるローズマリーは、見て楽しむだけでなく、料理に使ったり、香りを楽しむことができるとても素敵な植物です。苗から育てると簡単に育てることができますよ。
水やりを忘れてしまうずぼらさんにもピッタリのローズマリー。さっそく今日から育ててみませんか?