春の訪れを告げるクロッカスの花は、早いものだと2月頃から花を咲かせます。原産地は地中海沿岸、その種類は80以上もあるといわれています。
クロッカスの特徴は、種ではなく球根から育てること。初心者から中級者むけの花とされていますが、育て方のポイントを守れば難しいことはありません。
Contents
クロッカスの栽培時期と育成条件
- 日当たり:日なた
- 生育適温:-15~15℃
- 用途:地植え・鉢植え・水栽培
- 耐寒性:強い
- 耐暑性:弱い
- 花色:黄・紫・白・復色など
- 草丈:10~20㎝
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クロッカスの栽培環境
クロッカスは日当たりの良い場所、水はけの良い土を好みます。日光がきちんと当たらない場所での栽培は、花つきが悪くなる原因となるので、なるべく避けるようにしましょう。
クロッカスは、花を咲かせる植物の中でも、低温に耐えうる強い耐寒性を持ち合わせていることが特徴です。一方、夏の暑さと多湿には弱い面があり、その時期は休眠期にあたるにもかかわらず、適切な処置を行う必要があります。
一般的な植物と同様に、地植えや鉢植えでの育成が可能ですが、水耕栽培でも立派に育ちます。
クロッカスの球根の購入
クロッカスは種ではなく球根を植えつけて育てる植物です。種類によって春咲き、秋咲きの2種類が存在します。
球根はホームセンターやネット、園芸店などで植えつけの時期がくると販売が始まります。春咲きのクロッカスの球根は秋から冬、秋咲きのクロッカスの球根は夏の時期に購入することが可能です。
クロッカスの用土
鉢植えの場合
市販されている土を利用するなら、「野菜用培養土」、または「球根専用用土」と使用すると失敗はないでしょう。
クロッカスの球根は多湿状態になると腐ることがあります。水はけを良くするために、鉢やプランターに入れる鉢底石などは通常よりも大きめのものを使用してください。
土を自作するときは、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜましょう。
地植えの場合
クロッカスはあまり土を選びませんが、水はけの良い場所を選ぶことが一番重要です。
植え付けの場所が決まったら、苦土石灰を施して土を耕しておきましょう。また、緩効性肥料と腐葉土もすき込んでおきましょう。
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クロッカスの植えつけ
クロッカスの植えつけをする時は、浅く植えないようにすることがポイントです。深く植える理由は球根のでき方にあります。クロッカスの新しい球根は古い球根の上に出てきます。そのため、浅く植えると新しい球根が土の上に顔を出してしまします。
球根は土の中にいてこそ、元気に育つもの。また、寒い時期にできた霜柱が球根を持ち上げる場合もあります。よって、植える時は「深植え」が基本ということをおぼえておきましょう。
地植えの場合、深さの目安は10㎝。植える際の間隔は、球根2~3個分を確保するとよいでしょう。
プランターや鉢植えにする場合は、なるべく深さのあるものを使用しましょう。そうでない場合は、球根の植える深さを1㎝以上確保し、球根同士の間隔は1個分のスペースを取るようにしてください。
クロッカスの水やり
地植えのクロッカスの水やりは、降雨のみで充分ですので特に必要はありません。どの植物栽培にも言えることですが、地植えよりも鉢やプランターでの栽培の方が、土が乾燥しやすい傾向にあります。
プランターや鉢を使用したときの水やりの方法は、以下の通りです。
植えつけから開花時期まで
クロッカスにとって生長期にあたるこの時期には、充分な水やりをすることが大切です。ただし、多湿による球根の腐敗を避けるため、土が乾燥しているのを確認してから水を与えるようにしてください。
開花時期
開花時期の水やりも、土が乾燥してから行うことが基本です。ただし、水が花びらに当たると傷んでしまうので、水やりをする時は必ず根元に水を注ぐようにしましょう。
休眠期
クロッカスは葉や花が枯れたら休眠期に入ります。この時期は水を与える必要はありません。
クロッカスの追肥
クロッカスは花が枯れてしばらくしてから葉が枯れます。追肥のタイミングは花が枯れた後です。
植えつけの際の土をつくる時に、緩効性肥料などの元肥を入れているので、花が咲くまでの間に追肥の必要はありません。逆に肥料が多くなると、クロッカスが弱り病気にかかる可能性がでてきます。
追肥には液体肥料を使い、回数は1~2回に留めておきましょう。
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クロッカスの栽培管理
花がら摘み
クロッカスの花が咲き終わったら、必ず花がらは摘み取るようにしましょう。花がらをそのままにしておいては、球根へ行くはずの栄養分が少なくなってしまいます。球根を立派に育てるためにも、この作業は必ずおこなうようにしましょう。
なお、葉は光合成をするために必要なので、枯れるまではそのままにしておきましょう。
球根の掘り上げ
植えつけをしてから約3年間は、球根はそのままにしておいても大丈夫です。
球根を掘り上げるなら、そのタイミングは葉が枯れた後です。掘り上げた球根は土などの汚れをよく取り除き、陰干しをして乾燥させましょう。その後、通気性の良いネットなどに入れて、日光の当たらない涼しい場所で管理してください。
冬越し
クロッカスは耐寒性の強い植物ですので、特に冬越し対策を行う必要はありません。
夏越し
クロッカスは夏の暑さに弱い特徴があります。春咲きの場合は、夏が花や葉が枯れた休眠期にあたりますが、できれば掘り起こして日光の当たらない、涼しい場所に移動させましょう。
プランターや鉢植えの場合も同様に、球根を土に眠らせておく時は、雨の当たらない涼しい場所に移動させてください。
植え替え
植えつけをしてから数年間はそのままでも構いません。株が密集してきたと感じたら、植え替えを行いましょう。植え替えの適期は、葉が枯れた後です。
クロッカスがなりやすい病害虫
クロッカスがなりやすい病気には、モザイク病・ウイルス病・青カビ病・軟腐病などがあげられます。
ただし、基本的に病害虫に強い植物なので、それほど心配する必要はないでしょう。
土の湿度が高くなったり、風通しの悪い場所で育てたりした場合は、これらの病気にかかる可能性もでてきます。クロッカスに適した栽培環境を用意することで、病気の予防対策をおこないましょう。
クロッカスの増やし方
クロッカスは自然分球で増える植物です。既述の通り4年目以降は球根を掘り上げてバラしていきましょう。
あまり小さな球根は除いて、大きくてしっかりしたものだけを使いましょう。
クロッカスの水耕栽培
室内でクロッカスの栽培を楽しみたいときは、水耕栽培がおすすめです。
クロッカスの球根を2ヶ月ほど紙袋にいれて、冷蔵庫で保管しておきましょう。冷蔵庫に入れる理由は、温度の低い環境を経験させて花芽を出させるためです。
およそ2ヶ月が経過したら、容器に水を入れて球根をセットします。この時のポイントは球根に水が触れないようにすること。土での栽培と同様に、球根が多湿状態にあると腐ってしまいます。根だけが水の中にある状態にしてください。
セットが終了し根がある程度伸びるまで(約1ヶ月間)は日陰で管理します。また、根が伸びてからは日の当たる場所へ移動させましょう。
水をこまめに取り替えて清潔な環境を保つことで、次第に花を咲かせるようになります。なお、水耕栽培で使用した球根は、1回しか使用することはできません。
おわりに
クロッカスを植えて翌年も元気な花を咲かせたい場合は、花後の栽培管理が重要です。栄養の行き渡った元気な球根を育てるためにも、必ず枯れた花は摘み取りましょう。
また、植える時は深植えにすること、球根を腐らせないための水やりのポイントもおさえながら上手く育ててくださいね。