ハーブティの材料としてお馴染みのレモングラス。
レモングラスは、アジア料理やエスニック料理の風味付けで使われる以外にも、香水や虫よけなどでも使われているハーブです。その名の通りレモンのような香りを放ち、「レモンガヤ」、「レモンソウ」、「オイルグラス」などの別名を持ちます。
今回はレモングラスの育て方をご紹介します。
Contents
レモングラスの育成条件と栽培時期
- 日当たり:日なた
- 生育適温:20~30℃
- 用途:地植え・プランター
- 土壌酸度:pH 6.0~7.0
- 耐寒性:弱い
- 耐暑性:強い
- 草丈:約100㎝
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レモングラスに適した栽培環境
レモングラスは日当たりを好む植物です。草木が密集しているところに植えると蒸れてしまうので、ある程度のスペースと風通しのよい場所に植えましょう。
耐暑性に優れ、夏の暑さに耐えることもできますが、強い直射日光が当たる場所はなるべく避けるようにしましょう。また、寒さには弱いことから寒冷地などで育てる場合は、室内に取り込めるようにプランターでの栽培をおすすめします。
レモングラスの品種と種
レモングラスの種類は数十種類あると言われています。原産地はスリランカ、南インド、東南アジアなどの暑い地域で、西インド種と東インド種の2つに大きく分けられます。
日本国内で栽培されているもののほとんどは西インド種。東インド種は西インド種より香りが強い、精油量が多い、寒さに弱いことが特徴です。
レモングラスは苗から育てることが一般的ですが、種も販売されています。ホームセンターやネットで手軽に購入が可能です。
レモングラスの種まき
発芽適温は20~25℃ですので、お住まいの地域の気候にあわせて4~6月の間に種をまきましょう。まずはポットと種まき用土を用意します。
- ポットに種まき用土を入れ、土を湿らせる
- 一か所(深さ1㎝)につき2~3粒の種を入れる
- 土をかけて水やりをする
- 日陰に置き、乾燥させないように注意しながら管理
- 芽が出てきたら(5~6㎝)、勢いのあるものを1本だけ残す
レモングラスの土作り
レモングラスは排水性に優れた土を好み酸性土壌が苦手な植物ですが、基本的には土を選びませんので、それほど神経質にならなくてもよいでしょう。プランター栽培の場合は、市販のハーブ用の土を利用しましょう。
地植えの場合は、植え付けをする1~2週間前に苦土石灰を施し、酸度調整(pH6.0~7.0程度)をしておくことが重要です。堆肥を施し、さらに窒素やリンなどのバランスの取れた元肥も施しましょう。
他のハーブ類が元気に育っている場所の近くに植えるなら、酸度はそれほど気にしなくても大丈夫です。
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レモングラスの植えつけ
ポリポットに植えた種が成長し、草丈が約10㎝になったら植えつけを行いましょう。また、市販されている苗を購入した時も植え替えが必要です。
種まきをした時期にもよりますが、植え替えは最低でも霜が降りる心配のない5月以降におこないましょう。
プランターでも地植えでも、根付くまでは乾燥したら水をしっかり与えることがポイントです。
プランター栽培の場合
植える数にもよりますが、プランターでレモングラスを育てる場合は株間約30㎝、深さ約25㎝を必要とします。レモングラスは成長すると、草丈が最大約1.5mにもなりますので、ある程度の大きさのあるプランターを用意してほうがよいでしょう。
鉢を使うときは、7~10号の深さのあるものを使用します。根土を崩さないように移動させ、日光のよく当たる場所に置いてあげましょう。
地植え栽培の場合
レモングラスは成長するにつれて、根を横に伸ばしていく習性があります。地植えで植える場合の株間は60㎝を確保してあげると、のびのびと育ちます。
プランター栽培と同様に適期は5月以降。ポットから根土を崩さないようにレモングラスを取り出し、用意した穴に植え付けます。
レモングラスの水やり
レモングラスはきちんと根付くまで乾燥させないように水やりをすることが基本です。
根付きが終了したら、地植えの場合は降雨のみで育てることができます。ただし、日照りなどが続いた場合は水を与えてください。
プランターや鉢で育てる場合は、土が乾燥したら、十分に水やりをおこないましょう。
レモングラスの栽培管理
追肥
レモングラスの成長が盛んになる時期は、4~10月。
植え付けが終了したら液体肥料を与えます。頻度は月に1回。
葉が細かったり、黄色くなったりして元気がないようであれば、追肥の回数を増やして様子を見てください。
植え替え
地植えの場合は、植え替えは必要ありません。ただし、冬越しさせたい場合は寒くなる前に鉢に植え替えて、室内に取り込むことをおすすめします。
鉢やプランター栽培の場合は、株が窮屈そうになったら植え替えをおこないましょう。植えつけの時と同様に、根にダメージを与えないように優しく扱いながら、引き上げて移動させましょう。
レモングラスの花
レモングラスの開花時期は7月頃。黄色っぽい白色の小さな花を咲かせます。とは言っても、日本で花を咲かせるのは珍しいので、実際目にする機会は少ないでしょう。
花言葉は、「さわやかな性格」、「爽快」、「凛々しさ」です。
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レモングラスの収穫
レモングラスの収穫は、1株から約15枚の葉が出ている頃が適期です。一度に全て刈り取らず、使う分だけ収穫することが基本です。
収穫時期は6~10月。手でちぎって収穫することもできますが、葉の両端が鋭いため、ハサミを使用したほうが安全です。
7~8月の夏場は、レモングラスの成長速度が早いので、約10~15㎝残して収穫しましょう。すぐに使わない場合は、冷蔵庫で保管することができますが早めに使用してください。
冷凍庫保存する場合の賞味期限は約1年間です。また、ポプリなどにする場合は水気をよくふき取り、逆さに吊るして部屋の中で乾燥させましょう。
レモングラスに発生しやすい病害虫
レモングラスの栽培において、病害虫の心配はほとんど必要ないでしょう。「シトラール」という虫が嫌う香りを放つことから、虫の被害にあうことは滅多にありません。
あえて言うなら、アワノメイガ、チャコウラナメクジ、ハダニには注意しましょう。蒸れを防ぐために、適切な株間の確保と風通しの良い環境が重要です。
レモングラスの冬越し
レモングラスは寒さに弱く5℃以上の気温がないと越冬するのは難しいと言われています。記述の通り地植えで育てている場合は、冬前に鉢やプランターに植え替えをして、部屋の中で越冬させるとよいでしょう。
部屋で管理する時は、日光の当たる場所に置き、可能な限り室内温度は10℃以上を保ちましょう。また、室内管理では水やりが必要ですので、土が乾燥しているようであれば、水を充分に与えてください。
関東地方より西の地域、なおかつ地植えで育てている場合は、茎を根元からカットし、マルチや藁、腐葉土を株元に敷いてレモングラスを寒さから守りましょう。関東地方より北の寒い地域では、寒さで枯れてしまいます。
本来レモングラスは多年草の植物ですが、鉢への植え替えをしない場合は、毎年一年草として苗から育ててもよいかもしれません。
レモングラスは水栽培も可能な植物です。室内へ移動させるのが難しい時は、葉を根元から折り、水にさしておきましょう。しばらくすると根が生えてくるので、時期が来たら再び土へ戻してあげるのも一つの方法です。
レモングラスの増やし方
レモングラスを増やすなら株分けが一般的です。春の植え付け時、冬が来る前に土から引き出す時を利用すると、効率よく株分けをすることができます。
根元を傷つけないように優しく土から取り出し、1本ずつになるように刃物で切り、再び土に植え付けします。
完全に根付くまでは、乾燥しないように水やりが必要です。株が大きくなるにつれて土の中が蒸れ、生長に影響を及ぼす場合がありますので、株が大きくなったら定期的に株分けをするとよいでしょう。
おわりに
病害虫の心配が少ないレモングラスはガーデニング初心者にとって育てやすいハーブです。
育てる際のポイントは以下の通りです。
- 株間をきちんと確保すること
- 越冬させる時は、防寒対策をしっかり施すこと(室内移動の方が安全)
市場では種よりも苗の方が多く流通しています。春先になったら店頭で販売されているレモングラスの苗を探してみてくださいね。