ネモフィラは澄み切ったブルーが特徴の可愛らしい一年草の植物です。青いカーペットのように一面に群生することから、グランドカバーや寄せ植えの材料として多く使われています。
ネモフィラと言えば茨城県の「国営ひたち海浜公園」が有名です。他にも東京都立川市の「国営昭和記念公園」、静岡県浜松市の「浜名湖ガーデンパーク」、福岡県福岡市の「海の中道海浜公園」などで一面に咲き誇るネモフィラを楽しむことができますよ。
今回は、ネモフィラの育て方についてご紹介します。
Contents
ネモフィラの栽培時期と育成条件
- 日当たり:日なた
- 生育適温:5~20℃
- 土壌酸度:中性(6.0~8.0pH)
- 用途:地植え・鉢植え
- 耐寒性:強い
- 耐暑性:弱い
- 花色:青・複色
- 株間:15~20cm
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ネモフィラの栽培環境
ネモフィラは涼しい環境と日当たりの良い場所を好む植物です。
北アメリカが原産地であることから、寒さに強い特徴があります。
その半面暑さには弱いのですが、春に花を咲かせる一年草なので、夏の暑さを心配する必要はありません。鉢植えにする場合も、室内でなく屋外で育てるようにしましょう。
ネモフィラの種類
現在、ハゼリソウ科ネモフィラ属には18種類が存在しています。日本には1914年に輸入されてきました。
ネモフィラは、メイジェシー種(青い花)、マクラータ種(花弁に班点)、メイジェシー種の変種の3つに分かれます。
草丈は大きくても約20cm。横に伸びる習性があるので、少量でもボリューム感を出すことが可能な植物です。茎と葉にある柔毛、深い切れ込みのある葉の形が特徴です。
インシグニスブルー
ネモフィラの中でも、一番多く栽培されている代表的な品種が、花弁の中央が白い「インシグニスブルー」です。
ペニーブラック
黒紫を基本とし花弁の先が白い「ペニーブラック」。
シックな色合いが特徴です。メイジェシー(インシグニス)の変種(ディスコイダリス種)です。
マキュラータ
白を基調とした花弁の先が紫色をした「マキュラータ」は、カリフォルニア州の森林や草原に自生している品種です。
英名は「ファイブスポット」。花房の班点が均等に入った姿から名付けられました。
ネモフィラの用土
ネモフィラは水はけの良い土であれば、それほど質にこだわることはありません。肥料の少ない乾燥気味の土づくりを心がけましょう。
鉢植えの場合は、市販されている草花用培養土を利用すると便利です。
自分で土を作るなら、腐葉土と小粒赤玉土を4:6で配合します。
地植えの場合は土を良く耕し、培養土、バーミキュライトを入れてください。
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ネモフィラの種まき
ネモフィラの種まきは秋まきが一般的です。適期は9月下旬~10月下旬で発芽適温は20℃前後です。
ただし、雪が降るような寒い地域ではネモフィラが越冬できないので春に種を撒きましょう。
春まきの適期は次の通りです。
- 年平均気温が9℃以下の寒地は、4月中旬~5月中旬(7~8月に開花)
- 年平均気温が9~12℃の寒冷地は3月中旬~4月下旬(6月中旬~7月に開花)
種はホームセンターなどで市販されているものを利用するか、前年度に採種したものを使っても構いません。
土の用意ができたら、直接種を10cm間隔で植えていきましょう。
軽く土を被せたら、発芽までは乾燥させないように水やりをします。発芽するまでの日数は約1週間から10日です。
ネモフィラの植えつけ
市場に出回っている苗を購入した時は、植えつけが必要です。適期は10月頃。
ネモフィラは葉や茎が弱いことや、移植による環境の変化に弱い特徴がありますので、植えつけの際はダメージを与えないようにすることがポイントです。
プランターに移す時は、3号鉢に3株が目安です。
また、地植えにする場合は10~20cm間隔で植えつけます。
苗をポットなどから取り出したら、根鉢はくずさず、深く掘っておいた穴にそっと優しく入れましょう。
ネモフィラの水やり
ネモフィラは乾燥気味に育てることが基本です。
鉢やプランターの場合は、土の表面が白く乾燥したのを確認してからたっぷりと水を与えましょう。水はけを良くすることが大事ですので、受け皿に貯まった水は必ず捨てるようにしてください。
地植えの場合は、降雨だけで充分ですので特に水やりの必要はありません。
ネモフィラの追肥
ネモフィラは基本的に肥料を必要としない植物です。
肥料が多すぎると徒長して弱くなったり、きれいな草姿が見られなくなったりします。
プランターや鉢の栽培では、生長の具合が芳しくないときだけ、液体肥料や緩効性化成肥料を置き肥として施す程度にしておきましょう。
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ネモフィラの間引き
ネモフィラは風通しの良い環境を好みます。
株が密集して多湿状態になると病気の原因になることもあるので、必要な時だけ間引きを行ってください。
また、花が咲き始めたら枯れた葉や除草を2週間に1回程度行いましょう。
ネモフィラの冬越し
秋まきが基本のネモフィラですが、最低気温が-3℃間くらいの気候であれば冬を越すことが可能です。
ただし、霜柱などが発生すると苗が浮き上がることがあるので、マルチングや霜よけなどの防寒対策はしっかり行いましょう。
ネモフィラがなりやすい病害虫
ネモフィラは基本的に病害虫に強い植物です。
被害に遭いやすい病害虫は以下の通りです。
うどんこ病
カビが原因となる病気で、葉や茎が白い粉を掛けられたような状態になります。
発見したらすぐに殺菌剤を使用して周りへの感染を防ぎましょう。
灰色カビ病
土中の湿度が高くなることで発症するカビが原因の病気です。茎や葉が徐々に腐っていく特徴があります。
病気にかかった茎や葉は取り除き、ネモフィラが密集していれば間引きを行いましょう。
風通しの良い環境を作り、水の与えすぎなどに注意してください。
アブラムシ
春になると茎や葉に出てくる害虫です。
見つけたらすぐに殺虫剤で対処します。
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ネモフィラの増やし方
ネモフィラの採種
ネモフィラは一年草の植物なので、種で増やしていきましょう。
花が咲き終わったら茶色の子房の中に種ができます。花後にネモフィラをそのまま放置し、完全に枯れたら株を抜き取って新聞紙などに置いて乾燥させましょう。
枯れた株が乾燥しきってから採種するのが一番取り出しやすい方法です。
ネモフィラのこぼれ種
ネモフィラはこぼれ種でも増える植物です。
発芽したらそのまま育てることもできますが、移植する場合は既述の通りネモフィラを傷つけないように、細心の注意をはらって他の場所に植えつけましょう。
ネモフィラの花言葉
ネモフィラには、「あなたを許す」、「可憐」、「どこでも成功」、「清々しい心」、「初恋」などの花言葉があります。
これらの花言葉は、ネモフィラの品種や色によって分けられているものではありません。
ネモフィラの風水
ネモフィラの澄んだブルーは、イライラを抑えて精神を安定させる効果があると言われています。
また、気分をリフレッシュしたい時にも最適の色です。
ネモフィラを沢山咲かせるのなら、方角的に一番相性の良い東側の庭に植えましょう。
おわりに
ネモフィラはきちんと根付けさえすれば、簡単に育てることができる植物です。
代表的なブルーの花色も魅力的ですが、シックな色合いや復色の品種などお庭の雰囲気に合わせて色々な品種を試してみるのも楽しいのではないでしょうか。
草丈が伸びてきたネモフィラは、切り花として室内に飾ることもできます。
地植えで絨毯のようなネモフィラを作ったり、ハンギングバスケットなどで飾ったりと、色々な方法でネモフィラを楽しんでくださいね。