洋食の彩りに欠かせないのが、パセリ。パセリの栄養価はとても高く、つけあわせ意外でも活用したい野菜です。
パセリの栽培は苗からならば比較的やさしく、収穫期間も長め。プランターでも十分な収穫が見込めますので、気軽に挑戦してみてはいかがでしょうか。
Contents
パセリの育成条件と栽培時期
種まき | 植え付け | 収穫 | |
全地域共通 | 4月上旬~10月下旬 | 4月上旬~10月下旬 | 6月下旬~翌4月上旬 |
※冷涼な気候のほうが栽培には適していますが、暑さ寒さに強いため特別な対処をしなくとも夏越え、冬越えします。盛夏には、若干成長が衰えます。
- 日当り:半日陰
- 土壌酸度:中性~弱酸性
- 株間:20~30cm
パセリの種まき・苗の管理
パセリをタネから育てる場合、苗になるまでは70日がめやすとなります。
育苗は水やりなど管理の手間がかかるため、ポット苗を買い求めるのも良い方法です。
- 3号サイズの育苗ポットに培養土をいれ、20粒ほどあまり密集しないようにばらまき、上からごく薄く土をかけます。
- 用土が乾かないように水やりします。その際タネが流れないよう、ジョウロのハス口は上に向けてやさしく水をかけるようにします。
- 10日前後で発芽します。その後本葉が1~2枚になったら、密生している部分や育ちが悪いものを間引いて5~6本残します。
- 本葉が3~4枚になったら、根元から双葉までの茎が長すぎるもの、色が薄かったり育ちが遅いものをさらに間引いて3本残します。
- 本葉が5~6枚になったら、葉の縮み具合をみて1本だけ残します。
※タネが固いので発芽率を高めるため、まく前に一昼夜水につけておくとよいでしょう。
パセリの定植適期
パセリは一本の太い根が下にまっすぐ伸びるタイプ(直根性)の植物です。この根がどこか切れてしまうとパセリはたちまち弱ってしまい、育てるのが難しくなります。
なので地植えで育てる場合は、あまり根が深く成長していないうちに定植する必要があります。間引きがすんで一本苗になったらすぐ定植するくらいでいいでしょう。
プランターで育てる場合は間引きで株間を空けたら、あとは植え替える必要はないのでその点は気が楽だとも言えます。
パセリの土作り
プランターで育てる場合は野菜用の培養土を使いましょう。地植えの場合はまず土壌を中性にするため、植え付けの2週間前には石灰を混ぜ込んでなじませておきます。
そして植え付けの1週間前には元肥として1㎡あたりに堆肥を2㎏、化成肥料を200gほど混ぜ込んでおけば土作りはOKです。化成肥料は一般的な野菜用の配合でかまいません。
またパセリは過度な湿気を嫌いますので、栽培には水はけの良い土が理想的です。自分でブレンドする場合は赤玉土7:腐葉土3の割合が良いでしょう。
パセリの栽培環境
地植えの場合、高さ10cm、幅40cmの畝を立ててその中央に植えつけます。プランターの場合、根がまっすぐ伸びるので深さのあるものがいいでしょう。
問題は植える場所の日当りです。というのも、パセリは日光のあて具合により育ち方が変わってくるからです。日光によく当てると葉の緑色は濃くなりますが食感が固くなります。あまり日光に当てずに育てると濃い緑にはならず、軟らかな葉に育ちます。なので好みと畑の兼ね合いで植える場所を決めるということになるでしょう。
また、パセリは暑さ寒さに強い植物ではありますが真夏の直射日光にさらされると乾燥で弱ってしまいますので、プランターであれば日陰に移動したり、畑に日よけをつけたりしたほうがベターです。
あともうひとつ、パセリを育てるには風通しのよさも必要です。パセリは葉がモコモコしているのであまり葉を茂らせたまま放置していると蒸れてしまい外側から黄色くなって枯れてきます。間引きを怠ったり、株間を寄せすぎると蒸れがちなので気をつけましょう。
定植のポイント
基本的にパセリは移植を嫌うと言うことを覚えておきましょう。定植時のポイントとしては1にも2にも根鉢を崩さないことです。
植え付けにはあまり天候を選ぶ必要はありませんが、真夏の日光が強い時期は避けてください。地植えする場合はあらかじめ立てておいた畝の中央に3~40cmほどの深さで根鉢が収まるくらいの穴を掘っておきましょう。
植え付け穴に水をまいて湿らせたら、ポットを逆さにして苗を根鉢ごとそーっと取り出し、やさしく置くようにして植え付けます。植え付け後は株元が隠れない程度に土を寄せてやり、ジョウロでたっぷりと水やりをしたら完了です。
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パセリの栽培管理
水やり
春~秋の間は土の表面が乾きかけたら多めに水を与えるようにしましょう。
適度に湿っている状態が保てれば理想的ですが、やはり夏は乾燥しがちです。日差しを遮る手段も用意しておいたほうがいいでしょう。
冬の間は成長を止めますので水やりの必要はありません。
肥料
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次々と新しく葉が出てきますので、生育期間中は地植えでもプランター栽培でも追肥をしたほうがいいでしょう。なお、水と同様に冬に追肥は不要です。
目やすとしては2~3週間に一度くらいのペースで液肥を与えてあげるといいでしょう。株の勢いが強いようであればもう少し間隔をあけても大丈夫です。
花芽かき
初夏になると花芽が伸びてきて、これをそのままにしておくと花を咲かせてしまいます。
花が咲くのはタネを作る準備で、タネつくりには養分が使われてしまうので花芽は見つけたらすぐに摘み取ってしまいましょう。そのときに枯れたり黄色く変色した葉があった場合はそれも摘み取っておきます。
また、パセリは基本的に二年草で年をまたいで収穫はできるのですが、花芽を摘んでいてもタネをまいてから一年ほどで枯れてしまう場合もあります。これは寿命と考えてよいそうです。
パセリの収穫時期と収穫方法
葉が12~15枚くらいまで増えたら、使う分だけを茎から外側からかきとっていきます。このとき、あまりたくさん取りすぎてしまうと株が弱ってしまうので気をつけてください。
目やすとしては8~10枚ほどの葉を残しておくといいでしょう。そうするとどんどん次の葉も育ってきて、長期間収穫することができます。
パセリがかかりやすい病気
パセリの栽培で、気をつけておきたいのが「軟腐病」です。葉が黄色く変色下かと思うと茎が黒ずんだ緑色に変色し腐敗してしまう病気で、カビ菌が原因です。
一度発症すると畑全体に拡大する可能性があるため、発生した株は抜き取って畑の外で処分しましょう。高温多湿の状態が長く続くと発生しやすいので予防には畑の水はけを改善しましょう。
発症してしまった場合でも生育を試みるならば、「コサイド3000」が軟腐病に対して効果のある数少ない薬剤となります。
パセリの害虫対策
家庭菜園の代表的な害虫と言ってもいいアブラムシ。もちろんパセリにも発生し、茎から汁を吸って株を弱らせます。パセリの場合は茎を傷めずに捕殺するのも一苦労ですから、野菜OKの殺虫剤で対処したほうがいいでしょう。現在は手軽に仕えるスプレータイプの殺虫剤も多く出回っています。
夜間に地表へ出てきて茎を食害する小さなイモムシ。根元1cmあたりでパセリがポッキリと折れていたら、まずネキリムシのしわざです。昼間は土の中に潜伏していますが株まわりの土を1cmほど軽く掘り返すと出てきますので、つまんで駆除します。
おわりに
ご覧いただいたとおり、家庭向けハーブの中でも丈夫さと収穫期間の長さはひときわ優秀。しかも最初にお伝えしたとおり栄養価も抜群です。
それに、パセリはつけあわせがメインと思われがちですがおひたしや炒め物にしてもおいしいんです。さらに冷凍すると簡単にパラパラにでき、洋食にあわせてパセリライス!なんてことも簡単。
色々な使い道があって便利なパセリ。ご家庭に一株だけでもあれば活躍間違いナシですよ。