カロチンやビタミンCなどが豊富に含まれているパプリカ。店頭では外国産のパプリカが多く流通しているので、ガーデニングでは栽培できないものだと思い込んでいませんか?
パプリカ栽培は難易度も低く、地植えはもちろん小さなプランターでも栽培することが可能ですよ。
今回は、パプリカの栽培方法についてお話したいと思います。
Contents
パプリカの栽培時期と育成条件
- 日当たり:日なた
- 生育適温:22~30℃
- 土壌酸度:pH6.0~6.5
- 耐寒性:弱
- 耐暑性:強
パプリカが好む栽培環境
日当たりと風通しの良い場所を好みます。
パプリカは、生育適温22~30℃の暑さに強い特徴を持つ高温野菜です。
その反面、低温に弱いので気候によっては植えつける時期に注意が必要です。
パプリカの種まき
種蒔きは2月下旬から4月下旬が適しています。
ただ、この時期はまだ場所によっては寒いところが多く、パプリカが耐寒性にも弱いことからハウスなどを利用して育てるのがよいでしょう。
種蒔きの方法は以下の通りです。
- セルトレイまたはポット、種蒔き用の土を用意する
- セルトレイには1~3粒、ポットには3粒ずつ種を入れ、土は被せない
- 種が流れてしまわないように水やり(霧吹きなどを使用)をする
- 水やりはパプリカが徒長しないように、朝に行う
- セルトレイやポットをハウスに入れ、換気と保温に注意しながら管理
- 本葉が2~4枚出てきたら、元気なものを選び育苗ポットに1つずつ移動する
種蒔きから植えつけまでには70~80日の時間が必要です。
育苗に慣れていないガーデニング初心者でしたら、市販されている苗の購入をおすすめします。
良い苗の条件は以下の通りです。
- 茎が太く全体に勢いがある
- 一番花が既に咲いているまたは咲く直前
- 本葉(10枚くらい)と子葉がきちんとついている
パプリカの土作り
パプリカは連作障害をおこします。植える場所を選ぶ時は、ナス科の植物を4~5年植えていない場所を選びましょう。
土壌酸度はpH6.0~6.5が適しています。乾燥や加湿に弱い性質を持つので、水はけの良い環境を作るため地植えの場合は高畝を作りましょう。
プランター栽培の土作り
用意する土は、市販されている野菜用の培養土を使用しましょう。土を自作する時は、小粒の赤玉土:腐葉土:バーミキュライトを6:3:1で配合します。さらに苦土石灰、化学肥料を適量混ぜましょう。
パプリカは根を浅く張るのが特徴ですが、ジメジメした環境を防ぐために深型のプランターを用意すること、プランターの底には鉢底石を敷くのがポイントです。
地植えの土作り
植えつけの2週間前までに酸度調整のための苦土石灰を施します。
1週間前には、元肥(化成肥料・油かす・堆肥など)を施しておきましょう。畝は幅60㎝、高さは20~30㎝、株間は50㎝です。
加湿状態を避けるため深く土をよく耕し、畝をきちんと作ることが良い土作りにつながります。
パプリカの植えつけ
育苗ポットで育てているパプリカの本葉が8~10枚くらい出て一番花が咲き始めたころ、植えつけをしましょう。5月上旬から6月上旬が植えつけの適期です。
活着を促すために、天気の良い午前中に行うのがベストです。
プランターの場合
プランターに鉢底石、用意した土を3㎝ほど入れ、育苗ポットから苗を取り出しましょう。
土を崩さないように慎重に扱ってください。浅く植えつけをした後に充分な水やりを行います。転倒防止のための支柱も立てて株を支えましょう。
地植えの場合
プランターでの植えつけと同様に、根に付いた土が崩れないように慎重にポットから取り出し、株間50㎝間隔で浅く植えつけを行い、仮支柱を立てて株を支えます。定植後は充分な水やりを行いましょう。
植えつけが終わったら、病気の感染や土の跳ね返り、乾燥を避けるため、敷き藁やマルチ、新聞紙を敷きましょう。
根が定着するまでは、毎日充分な水やりを行ってください。
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パプリカの水やりについて
パプリカは乾燥に弱いので、水やりは重要なポイントです。土の表面が乾燥したら、充分な量の水を与えましょう。
プランターの場合も同様に、鉢底から水があふれ出すくらいの水量が必要です。受け皿にたまった水は必ず捨てるようにしましょう。
乾燥しやすい夏場は、土の様子をよく観察しながら必要であれば朝と夕方の2回水やりを行います。
パプリカの肥料
定植後1ヶ月を過ぎたら。2週間に1回の割合で緩効性化成肥料などを追肥しましょう。
液体肥料を使用する場合は、1週間に1回のペースにします。
パプリカに発生しやすい害虫と害虫病
尻腐れ病
土のカルシウム不足が原因でなる病気です。ピーマンのお尻の部分が黒く変化し、最終的には株全体が腐る病気です。
土の乾燥、窒素肥料のやりすぎがカルシウム不足をおこします。
症状が出てしまったら、回復の見込みはありませんので摘み取って処分しましょう。土作りと窒素肥料の量に気をつけることが予防につながります。
タバコガ
タバコガはパプリカの内部に入り、食害をします。トマトやキャベツ、ナスやトウモロコシなどにも発生しやすい薄いオレンジ色や緑色のイモムシ類の害虫です。パプリカの内部に入ってしまった場合はすぐに駆除しましょう。
防虫ネットを利用して、葉や茎の先に卵を産ませないようにしましょう。また、肥料の与えすぎはタバコガが増える要因になるので注意しましょう。
パプリカがかかりやすい病気にはこの他にも、青枯病、萎凋病、黄化えそ病、疫病などがあります。また、害虫ではモモアカアブラムシ、ミナミキイロアザミウマ、ホオズキカメムシなどがいます。
パプリカの栽培管理
摘心・整枝
パプリカは主茎と側枝の3本仕立てが基本です。一番花の下には、2本に分かれる側枝が出てきます。側枝の下のわき芽は害虫の発生を予防するために、全て取り除きましょう。
生育状態が良く葉が混み合ってきた場合は、枝の間引きが必要です。枝を減らすことによって、風通しが良くなり病害虫の予防につながります。
苗が幼い状態で付いた実は取り除きましょう。実を取ることで、栄養が充分に行き渡り生長を促すことができます。
支柱
パプリカは台風などの風によって倒れやすい野菜です。
植えつけの時に仮支柱を行いますが、植え付けから2週間経過したら本支柱を立てて、2本の側枝を結びつけましょう。
結び目は支柱側にすること、きつく縛らないことがポイントです。
パプリカの収穫時期と収穫方法
花が開花してから2週間くらいすると収穫時期が到来します。植えつけを行ってから2ヶ月が目安です。
大きさは6~7㎝くらいが丁度良いでしょう。ハサミを用意してヘタの部分を切り取りましょう。場所によっては秋(11月)まで収穫が可能です。
株が弱ってきたと感じたら、少し小さなうちにパプリカを収穫すると株に元気が戻ります。
負担をかけないように株の様子をよく観察することで、長期間の収穫を楽しむことができます。
おわりに
パプリカはガーデニング経験の少ない方にも育てやすい野菜です。
育てる上で気を付けるポイントは下記の通りです。
- 水はけと通気性の良い土作りをし、連作障害を考慮して場所を選ぶ
- 多湿と乾燥に気を配り、風通しの良い環境と水やりに気を配る
- 整枝・摘心を欠かさない
株が丈夫に育てば1株から獲れるパプリカは50個にもなります。
長期間収穫を楽しむことができますので、パプリカを育てて食卓を華やかにしてみませんか?