マリーゴールドは黄色やオレンジなどのビタミンカラーを中心とした花色で、元気で華やかな雰囲気を持つことから大変人気があります。
暑さや寒さに強く丈夫なので、初心者でも楽しく育てることができますよ。小さな鉢や大きな花壇で、丸々としたボリュームのあるマリーゴールドを育ててみたいと思いませんか?
今回は、マリーゴールドの育て方についてご紹介したいと思います。
Contents
マリーゴールドの栽培時期と育成条件
- 日当たり:日なた
- 土壌酸度:中性に近い弱酸性(6.0~7.0pH)
- 育成適温:10~25℃
- 発芽適温:20~25℃
- 用途:地植え・鉢植え
- 耐寒性: 弱い(一部の品種は半耐寒性)
- 耐暑性: 強い(フレンチよりアフリカンの方が強い)
- 花色: 赤・白・黄・オレンジ・複色など
- 草丈:15㎝~30㎝
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マリーゴールドに適した栽培環境
マリーゴールドはキク科に属する一年草の植物です。
水はけのよい場所と日当たりを好み、花壇やハンギングバスケットなどで庭に彩りをそえる、丸くて可愛らしいお花です。
寒さや暑さに比較的強く、土質をあまり選ばないことから初心者でも育てやすい植物です。
マリーゴールドの種類
マリーゴールドは、フレンチ種とアフリカン種に大きく分類されます。
基本的な育て方は変わりませんが、花の特徴に違いがありますので見ていきましょう。
フレンチ種
フレンチ種は名前の通り、マリーゴールドがヨーロッパに導入された時にフランスから広がったことが名前の由来とされています。アフリカン種に比べてあまり大きくならないのが特徴で、草丈は約30㎝。
花の形は一重咲きと八重咲きがあり、猛暑には少し弱い面を持っています。分岐して小さな花を沢山咲かせるので、栽培するときは花壇や鉢植えで楽しみましょう。
アフリカン種
フレンチ種と最も違うのはその大きさ。近年では小さく育つ品種も改良されていますが、大きいもので1m位の高さになるものも存在します。
真っ直ぐ上に向かって伸びる太い茎、約10㎝の花頭、暑さに強いことから開花時期が長く楽しめるなどの特徴があります。
基本的には鉢上にはむきませんのでなるべく地植えで育てましょう。鉢で育てる場合は、支柱をそえてあげましょう。
マリーゴールドの用土
マリーゴールドは基本的にあまり土を選びませんが、水はけが良く、有機質を沢山含んだ土を好みます。
地植えの場合は、1~2週間前から腐葉土と堆肥、元肥を施し、土を良く耕して準備しておきましょう。
プランターや鉢で育てる場合は、市販されている草花用培養土を使用すると便利です。
マリーゴールドの種まき
【マリーゴールドの種(MIX)】
種は市販されているものを購入しましょう。既にマリーゴールドを前年度に育てている場合は、花の中にある種を取り出して使っても構いません。
種まきの適期は3~5月。20~25℃が発芽適温です。種をまく前に発芽しやすくなるように一晩水につけておきましょう。
- セルトレーまたは育苗ポットなどに赤玉土とピートモスを6:4で配合した土、または市販の種まき用の土を用意
- 蒔き方は「筋まき」か「ばらまき」
- 被土は約5㎜
種をまきが終わったら、日光のあたらない涼しい場所に移動させて発芽するまで乾燥させないように水を与えましょう。
約1週間で芽が出てきますので、芽が出た後は土が乾燥するのを確認してから水やりを行ってください。
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マリーゴールドの定植
発芽してから本葉が2~4枚でた頃が定植の適期です。
庭や鉢などにマリーゴールドを移動させましょう。店頭で苗を購入した場合も、以下の手順で定植を行います。
鉢植えの場合
苗より一回り大きな鉢、鉢底石を用意し、鉢の中に8割ほど土を入れます。苗を取り出して、根を3分の1ほどほぐしましょう。
鉢の中央にマリーゴールドを植えて土をかぶせれば完了。最後にしっかり水やりをします。
地植えの場合
定植前に用意した土を周辺よりも高く(約10㎝)作っておくと、水はけがよくなります。
注意点は品種による株間の違いです。フレンチ種を植える時は20~25㎝、大きく育つアフリカン種を植える時は30~35㎝の株間を確保するようにしましょう。
株間をきちんと取らないとマリーゴールドが密集するので、病害虫が発生する原因になりますので注意してください。
マリーゴールドの水やり
マリーゴールドは乾燥気味に育てることが基本です。特に地植えの場合は降雨のみで花を咲かせますので水やりの必要はありません。ただし、長期間雨が降らないなどで乾燥状態が続いた時は、朝または夕方の涼しい時間帯に水をたっぷり与えましょう。
鉢植えの場合は、土の表面が乾燥しているのを確認してから水を充分に与えます。鉢の底から水が出るくらいの量が目安ですが、受け皿に貯まった水は必ず捨てるようにしてください。
日常の水やりとは別に、葉水といって茎や葉に霧吹きなどを使って水をかけることで病害虫の予防ができます。花に水がかからないように注意しましょう。
マリーゴールドの追肥
地植えの場合は、よほどやせた土地でない限り、土作りをきちんとしていれば肥料を与える必要はありません。
鉢植えの場合は、4~10月に月に2~3回液体肥料を水に薄めて与えましょう。
マリーゴールドの栽培管理
マリーゴールドを上手に育てるためには管理が大切です。
ここではそのポイントをご紹介いたします。
花がら摘み
枯れた花はなるべくこまめに摘み取りましょう。
花がらを処分することで見た目が綺麗になる以外にも、病害虫を予防することができます。
切り戻し
夏場の高温で花が咲かなくなったものは半分くらいに刈り込んでおきましょう。
また、突出して伸びすぎてしまったものも同様です。切り戻しをすることで、秋から再び綺麗な花を咲かせるようになります。
支柱立て
アフリカン種の中でも特に草丈が高くなるものは、転倒防止のために支柱を立てておきましょう。
また同時に土寄せをすると効果的です。
植え替え
マリーゴールドは品種によって多年草のものもありますが、基本的には一年草なので植え替えの必要はありません。
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マリーゴールドがなりやすい病害虫
マリーゴールドが病害虫にかかる確率は他の植物より少ないとされていますが、気を付けるべき病害虫は次の通りです。
立枯病
加湿や風通しの悪さが原因となる病気で、清潔な土と正しい株間の確保が大切です。
立枯病が発生したら、病気にかかっているマリーゴールドはすぐ取り除き、病原菌が土の中にいるので同じ土を再利用しないようにしてください。
立枯病には殺菌剤の使用が効果的です。
ハダニ
夏場の高温と乾燥で発生しやすい害虫で、定期的に葉水を与えることで予防できます。
葉水をする時は、葉の裏にも水を吹きかけましょう。発生したら殺虫剤を利用してくださいね。
マリーゴールドの増やし方
マリーゴールドは「種まき」と「挿し木」の2通りです。種は開花後の花から採取するだけなので、ここでは挿し木で増やす方法について詳しく解説します。
マリーゴールドの挿し木は比較的容易です。
- 花が付いていない茎を約7㎝刈り、下部の半分は排除
- 2~3時間切り口を水につけておく
- 育苗ポットに湿らせた土を用意し、2㎝ほどの深さに茎をさす
根が生えてくるまでは乾燥させないように水やりを行い、日陰で管理しましょう。
根が生えてきたら少しずつ日なたへ移動させて、本葉が2~4枚出てくるまで育ててから定植を行います。
コンパニオンプランツとして優秀なマリーゴールド
コンパニオンプランツとは、近くに植えることで他の植物に良い影響を与える植物のこと。マリーゴールドはコンパニオンプランツの中でも、「植物のお医者さん」と言われるほど優秀な働きをします。
主な働きとして、葉から出る匂いで虫を遠ざけたり、根から出す分泌液で土の中にいるセンチュウを遠ざけたりします。
マリーゴールドは相性の良い野菜が多いので、家庭菜園をする場合は一緒にマリーゴールドを植えると効果的です。キュウリ、トマト、レタス、ニンジンなどそれぞれに異なる効果を発揮しますので活用してみましょう。
おわりに
今回ご紹介したマリーゴールドの種類以外にも、フレンチとアフリカンの混合種(アフロ・フレンチ種)、ミントマリーゴールドやレモンマリーゴールドなどの多年草、メキシコを原産とする「メキシカン・マリーゴールド」など、多種に渡って品種が存在します。
マリーゴールドは比較的容易に育てることができるので、色々な品種にチャレンジしてお気に入りを見つけてみましょう。