カンナは中南米を原産とし、主にフランスで品種改良をされて世界中に広まった植物です。
花色は原色を基本し、花や葉が大きく草丈も高いので、数を植えなくても大きな存在感を放ちます。
また、品種によっては葉に色がついた品種もあるので、カラーリーフとしても楽しむことができる植物です。
Contents
カンナの栽培時期と育成条件
- 日当たり: 日なた
- 土壌酸度:弱酸性~中性
- 用途:地植え・鉢植え
- 耐寒性:やや弱い
- 耐暑性:強い
- 花色:赤・白・ピンク・黄・オレンジ・複色
- 草丈:40~160㎝
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カンナに適した栽培環境
カンナは中南米を原産とする多年草植物。夏の暑さはもちろん、直射日光を浴びても弱ることはありません。
耐暑性に優れている半面、少々寒さに弱いのが特徴です。日光・水・排水性に優れた肥沃な土壌を好みます。
カンナの植え付け
カンナの植え付けは「種または球根」の2種類があります。どちらの場合も霜が降りる心配がなくなってからにしましょう。
適期の目安は関東地方で4月ですが、5月のゴールデンウィーク以降にした方が安心でしょう。カンナは日光をとても好む植物なので、地植えにする時は日当たりの良い場所を選んでください。
また、生長するに従って球根が南の方向へ伸びる習性があるので、植え付け場所の南側にスペースを確保しておきましょう。
種を植えるとき
カンナの種の殻はとてもかたく、そのまま植えるだけでは上手に発芽しません。種を植える前日には、一晩水浸しておきましょう。
また、種は前もってヤスリなどで擦っておくと、水分が浸透しやすくなります。種はポットに2~3粒が適量です。約5㎜土を被せて水やりをしましょう。発芽後は元気な苗だけを残し、本葉が2~3枚出てきたら定植してください。
地植えでカンナを育てる時はどの品種を選択しても構いませんが、鉢植えにする時は注意が必要です。カンナは大きい品種だと草丈が人間の背丈程になることもあります。鉢植えにするなら、コンパクトに育つ品種(わい性種)を選びましょう。
「トロピカル」:草丈が40㎝ほどで種から育てる人気品種です。レッド・ローズ・イエロー・ホワイトなど多くの花色があります。
球根を植えるとき
地植えで育てる時は、球根同士の幅は60~100㎝と大きめに確保してください。
株を繁らせるために、1ヶ所につき2~3つの球根を植えましょう。カンナは「深植え」を好まないので、地表から5~6㎝の深さに球根を埋めましょう。
鉢植えにする場合は、小さく育つ品種を選んでください。鉢の大きさは1つの球根に対し、8~10号のものを選択しましょう。鉢植えの場合も地植えと同様に、球根が地中で南に向かって生長するので、鉢の中央でなく端に寄せて植え付けをしてください。
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カンナの用土
カンナの栽培では、それほど土質にこだわる必要はありません。
ただし、肥沃な土壌を好むので地植えの時は腐葉土を十分に混ぜておいてください。
鉢植えでは「草花用培養土」を使用するか、赤玉土・腐葉土・牛または馬ふん堆肥を5:4:1の割合で作ったものを利用するとよいでしょう。
カンナの水やり
地植え
季節を問わず、降雨が少なく土が乾燥してヒビが入っているような状況以外は、水を与える必要はありません。
鉢植え
どの植物にも共通しますが、地植えよりも鉢で育てる場合は土が乾燥しやすくなります。特にカンナの場合は水を好み、開花時期が長期にわたるので水やりはとても大切な作業です。
種から育てたカンナの場合は、バケツなどの水をはったものに鉢ごと浸す「腰水(こしみず)」を夏に行うと、その後の管理が楽になるでしょう。
また、球根から育てた場合も水分が重要なポイントとなりますが、量が多すぎると球根が腐敗するので、様子を見ながら与えるようにしてください。種・球根どちらの場合も冬場は土の表面が乾燥したら、水を与えましょう。
カンナの追肥
開花期間の長いカンナは、追肥をすることで鮮やかな花を咲かせることができます。
即効性のある肥料よりは、肥料切れを防ぐために長い効き目のある「緩効性化成肥料」を7月上旬に株元に置いてください。
またそれとは別に、発芽後は月に2回、液体肥料を水やりと同時に与えるようにしましょう。9月頃になったら追肥はストップさせても構いませんが、その後も花を楽しみたいのなら、適度に肥料を与えてください。
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カンナの栽培管理
花がら摘み
花が枯れた後に種ができますが、そのまま放置しておくと種に栄養がまわり、他の花の生長に影響を及ぼします。
花後は景観を保つためにも、定期的に花がらを処分しましょう。また、カンナの生長期には、弱った株や黄色に変色した株が出てきます。
それらの株は全て処分し、元気な株の生長を促すために日当たりと風通しの良い環境をつくってあげましょう。
支柱
高さのある品種を選んだ時は、茎の様子をよく観察しておきましょう。
倒れそうになっている茎には、早めに支柱を添えておきましょう。
冬の管理
秋から冬にかけて気温が低下してくると、地上部は全て枯れてしまいます。
枯れた茎や葉は病原菌などの越冬を防ぐために、すべて刈り取り処分してください。
地植え
最近販売されているカンナの中には耐寒性の高いものもありますが、基本的には霜が降りる前に球根を掘り出して、5℃以上ある環境で発泡スチロールに入れて越冬させます。
そのまま入れておくと球根が乾燥して枯れてしまうので、発泡スチロールには湿らせたおがくずなどを入れて埋めておきましょう。
日本国内の暖かい場所では球根を凍らせないために、球根が埋まっている上に藁・腐葉土(10㎝以上盛る)などを被せておくと、そのままの状態で越冬させることが可能です。
鉢植え
鉢で育てた場合、凍らない場所や5℃以下にならない室内に移動させるとよいでしょう。
鉢を土の中に埋めて越冬させる方法もあります。
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カンナがなりやすい病害虫
カンナは頑健な植物なので、病害虫の心配はほとんどしなくてもよいでしょう。時折暑い時期になると、蛾の幼虫が花や葉を食害することがあります。
見つけ次第、殺虫剤を使用して駆除しましょう。
カンナの増やし方
種
種は花が枯れた後の「花の付け根部分」できます。
市販されている種には植える時に水を含ませる必要のないものもありますが、自己採取した種の場合は、殻が固いのが通常です。
また、品種によっては種ができにくいものもあります。採種したら使うまでの間、涼しい場所で袋などに入れて保管してください。
分球
分球は根が分割しやすくなる4~5月にかけて行うのが適しています。
球根を掘り上げて、芽が2~3個とれるように、くびれの部分を切断して使いましょう。
さいごに
カンナは強い植物なので、細かいことを気にせずに楽に育てることができます。
育てるときのポイントは以下の通りです。
- 日光がよく当たる場所に植える
- 乾燥に弱い 特に鉢植えの場合は水を切らさない
- 生長期には肥料を定期的に与える
- 寒さに弱いので、冬場地中にある球根は気候に合わせた管理をする
カンナはインパクトのある花姿が特徴なので、お庭のアクセントとして植えると周りの植物とのバランスが良くなりますよ。株間を取らないで何個も植えると、少し暑苦しい雰囲気になるのでスペースに余裕を持たせて育てていきましょう。
また、ちょっと難しいですが寄せ植えでもポイントとして使える植物です。真夏にも鮮明な色を放つ元気なカンナを是非育ててみましょう!