ジャスミンは、暖かい地方が原産の植物で、その種類は200~300もあると言われています。モクセイ科のソケイ属の総称をジャスミンと呼び、樹高や花の開花時期、加工の用途などは品種によって異なります。
かわいらしい花と強い香りが特徴のジャスミンは、アロマやジャスミンティーなど人を癒やす効果もあることで知られています。
今回は、ジャスミンの一般的な栽培方法についてご紹介したいと思います。
Contents
ジャスミンの栽培時期と育成条件
日当たり:日なた
育成適温:15~25℃
用途:地植え・鉢植え
土壌酸度:中性~弱アルカリ性
耐寒性:弱 耐暑性:強
草丈:1.5~3m
ジャスミンの主な種類
アラビアンジャスミン(マツリカ)
【■新鮮花壇苗■ジャスミン ホワイトプリンセス9cmポット苗】
常緑低木で原産がインドや東南アジアであるため、寒さに弱いことが特徴で、10℃以上の気温が必要になります。
ジャスミンティーの原料として多く使用されています。
ハゴロモジャスミン
アラビアンジャスミンより寒さに強いことが特徴で、暖かい地域であれば屋外で越冬させることが可能です。
そのため、釣り鉢で栽培したり、フェンスにツルを巻き付けて栽培したりすることができます。
1つのツルに対して30~40の白やピンクの小さな花を咲かせます。
コモンジャスミン
半つる性であるため、何かに絡ませながら育つこと、5弁の花びらをつけることが特徴です。
香料に使用されています。
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ジャスミンの栽培適地
ジャスミンは品種によって、その耐寒性が異なります。日光を好むので、日当たりの良い場所に植えることが基本です。
ただし、寒さに弱い品種(マツリカやホワイトプリンセス)の場合は屋外で越冬できないものもあるので、霜や雪が降るような地域で栽培する場合は鉢植えが適しています。
また、夏の直射日光にあたると葉焼けを起こすことがあるので、夏は鉢を半日陰に移動させましょう。また地植えの場合も、苗の植え付けの時に半日陰になるような場所を選ぶとよいでしょう。
ジャスミンの土作り
ジャスミンの土は、水はけが良いことが一番重要です。
ただ、神経質にこだわる必要はなく、培養土やハーブ専用の土で充分です。
自分で作る時は、赤玉土と腐葉土を6:4位で配合します。
ジャスミンの植え付け
ジャスミンの植え付けに適しているのは、冬の寒さが去った3~4月、暑い夏が去った9月下旬~10月下旬ころの2回です。
ジャスミンの種も販売されていますが、挿し木で増やしたり、苗木を植えたりするのが一般的です。
苗木はホームセンターなどで販売されていますが、流通している数が少ないとされていますので、購入が難しい時はネットの苗木を確認してみましょう。
地植えの場合
栽培適地でも説明しましたが、夏場の葉焼けを避けるために、少し日陰ができるような場所に植えてあげましょう。
また、根腐れを避けるために水はけを良くすることも重要なので、傾斜のついている場所や溝を作って水分がたまらないような環境を整えることが大切です。
根鉢の倍の大きさの穴を地面に掘って植え付けを行ってください。
鉢植えの場合
鉢を用意したら、鉢底ネット、軽石や小石を敷いて土を7~8割くらい入れます。植え穴を掘り、ジャスミンを入れ残りの土をかぶせます。
この時、ジャスミンの根に付いている土はそのままにして鉢に入れましょう。
土をつけたままにしておくことで、根に傷が付くのを避けることができます。傷がつくと成長が遅れたり、枯れたりすることがあります。
種から植えたい時は
苗木でなく種を撒く場合は、苗木の植える時期は基本的に同じです。(春と秋の年2回)
品種によって時期が異なることもあるので、確認しましょう。
ジャスミンの水やり
地植えの場合
水やりは基本的に必要ではありません。
夏場、乾燥が続くようであれば、朝または夕方に水やりを行いましょう。
鉢植えの場合
土の表面が乾いたら水やりを行いましょう。乾燥を嫌うので、特に夏場は毎日水を与えるようにしてください。
鉢の受け皿に水がたまったら捨てるようにします。冬の間も根が生きているので、適度な水やりが必要です。
ジャスミンの肥料
ジャスミンに肥料を与える頻度は次の通りです。
- 月に1回緩効性肥料
- 週に1~2回液体肥料
肥料は6月から9月頃の開花している時期に与えるようにしましょう。
肥料を与えることにより、花が元気に沢山咲くようになります。
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ジャスミンに発生しやすい害虫:ハダニ
ジャスミンが弱っているとき、乾燥している時に発生しやすくなります。葉の裏に寄生し食害をし、最悪の場合はジャスミンが枯れてしまいます。
ジャスミンには赤いハダニがつきますが、小さいので肉眼で見ることが少し難しいかもしれません。
葉の表面の緑色が抜けて、白い斑点が現れたらハダニだと疑いましょう。事前に薬剤を施すことで予防が可能です。
ジャスミンの栽培管理
植え替え
植え付けの時と同様に、根に傷が付くことを避けるため、根に付いた土は落とさずに植え替えを行います。
鉢に対してジャスミンの背が高いと感じたら、一回り大きな鉢を用意して移動させて土を足すようにしてあげましょう。
支柱を使っている場合は、背にあった支柱を新しく用意してツルを再び巻いてあげることも忘れずに。2年に1回くらいが一般的です。
剪定
ジャスミンの剪定のポイントは大胆にばっさり切ること。とは言っても、闇雲に切れば良いという訳ではありません。
脇から出ているツルの半分、またはそれ以上を切り落とします。ただし、主要となるツルは切断しないようにだけ注意してください。これだけ切っても、ジャスミンは強い植物なので翌年にはまた元通り成長を続けますので、毎年の剪定が必要となります。
時期は、花が咲き終わってからすぐに行うようにしましょう。
ジャスミンの増やし方
挿し木が一般的です。5~8月の暖かい時期に行うと成功率が高くなります。
元気に成長した枝の先の3~5節を切り落とし、水または土に挿しておくと発根します。
日光が適度に当たる日陰で、乾燥に気をつけて管理しましょう。
ジャスミンの楽しみ方
ジャスミンティー
マツリカなどの品種であれば、ジャスミンティーを作ることができます。
花と葉を切り落として汚れを落とし、普段使用している緑茶の茶葉に足してお茶を入れるとジャスミンティーができ上がります。
また、花の咲いていない時期でも葉だけを摘み取って作ることもできます。爽やかですっきりした味わいが特徴です。
香りを堪能する
香りの強いジャスミンは、花一輪だけでもその香りを楽しむことができます。
あまり多くの花を狭い場所に置いておくと、香りが充満してしまいますので少量で楽しむようにした方が良さそうです。
ドライフラワーにする
ジャスミンはドライフラワーに向いている植物です。花が一番綺麗に咲いている状態の時に、必要なだけ茎から切り落とし、逆さまにして1~2週間つるしておきましょう。1本でも、束にしても素敵なドライフラワーができ上がります。
また、花瓶にさしたまま枯らせて作る方法もあります。ドライフラワーができ上がったら、そのまま楽しむもよいのですが、ポプリにも活用することができます。
おわりに
ジャスミンの育て方をご紹介しました。
栽培するにあたって気をつけることは以下の通りです。
- 栽培する土地の気候にあった場所を選ぶ(屋外・室内)
- 鉢植えでは乾燥させないように水やりの頻度に注意する
- 花を沢山咲かせるために、生育時期に肥料を与える
ジャスミンはその品種によって様々な特徴がありますが、今回ご紹介した内容はあくまでも網羅的なものになります。
難易度は若干中級者向けではありますが、とても強い植物なのでそうそう簡単には枯れません。失敗を恐れずにジャスミン栽培に挑戦して、自家製のジャスミンティーを作ってみませんか?