ハーブの育て方

茉莉花(マツリカ)の育て方!植え替えや剪定方法・増やし方などについて

茉莉花(マツリカ)の育て方!植え替えや剪定方法・増やし方などについて

茉莉花(マツリカ)は、「アラビアジャスミン」の別名でも流通しているモクセイ科ソケイ属の常緑半蔓性灌木で、学名のJasminumが示す通りジャスミンの本家本元はこちらになります。

ジャスミン茶や沖縄のさんぴん茶の着香に用いられたり、ハワイではピカケと呼ばれ、女性に捧げられるフラワーレイ=ピカケレイなどでお馴染みの植物です。フィリピンではサンパギータ、インドネシアではメラティと呼ばれ国花となっています。

今回は、そんな茉莉花の育て方について、詳しくご紹介していきたいと思います。

茉莉花の栽培時期と育成条件

茉莉花の栽培時期と育成条件
茉莉花の育成条件
  • 日当たり:半日陰〜日なた
  • 土壌酸度:中性〜弱酸性
  • 開花時期:6月〜9月頃

茉莉花の流通形態


【一重咲き ピカケ苗【ジャスミン・マツリカ】】

3号程度のポット苗か、そのまま育てられる4〜5号程度のプラ鉢植えで販売されている事が多いです。

価格は鉢植えが2〜3割高い程度なので、全くの栽培初心者の場合、鉢植えを購入しておいて、最初の1年間の日常の管理を通して知識を蓄えていくのも良い方法かも知れません。

茉莉花の植えつけ場所の準備

茉莉花の植えつけ場所の準備

茉莉花の耐えられる最低気温は5℃程度までと言われていますので、沖縄などを除いては地植えにしない方が無難です。

東京あたりの気候では、鉢植えにして冬期の夜間などは室内に入れる程度の対策で容易に越冬が可能です。従って、あまり大きな鉢にせず、気軽に移動できる5〜6号程度の鉢で栽培すると良いでしょう。

もっとも、都区部マンションの中層階住まいのわが家の場合、南向きのベランダの窓際に通年放置の鉢植えで10年程になりますが平気で越冬していますから、環境に関してものすごく神経質になる必要もなさそうです。
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茉莉花の植えつけ

茉莉花の植えつけ

茉莉花は根へのダメージを嫌うので、ポット苗で購入した場合や鉢植えを植え替える際には、根土を崩さないように注意する事が必要です。5〜6号程度の鉢に底石を入れ、その上に園芸用培養土を少し入れて苗を置き、苗の周囲に園芸用培養土を入れる感じで植えつけます。

植えつけ後は、保水などのためにバークチップでマルチングを行った方が良いので、そこら辺を考慮してウォータースペースが確保できるバランスを考えましょう。邪道なのかも知れませんが、わが家の場合、手元に余っていたバラ用の培養土を用いたところ、非常に良好に育っています。

基本的に、根さえ傷めなければ、特にエキセントリックな環境を要求する植物では無いので、肥料が入った市販の培養土などを利用してお手軽に済ませてしまいましょう。なお、基本的に水を良く吸う植物なので、夏場の鉢内の温度上昇を考慮して、二重鉢型の底面給水鉢を利用するのも選択肢のひとつかと思われます。

植えつけが済んだら、一度これでもかと言う位にまんべんなく潅水し、用土の抜けが無いのを確認してからマルチングを行って終了です。

茉莉花の水やり

寒い時期を除いて潅水は鉢底から流れ出るまでしっかりと毎日行います。特に鉢植えですし、開花している時期は高温期でもありますので、朝晩潅水を習慣にすると良いでしょう。

逆に成長の止まる冬場などは、鉢の状況にもよりますが1日おき程度になっても構いません。

茉莉花の肥料


【ペンタガーデン 花・野菜の液体肥料 450ml】

ハーブ用や花用の固形肥料などを規定の分量通り与えておけば問題はありません。

また、わが家の場合、耐寒性アップなどを目的として液肥である「ペンタガーデンPRO」を、通年で1〜2週間おき程度に施肥しています。宣伝するつもりもありませんが、それなりに効果を発揮しているようです。

どの植物の場合もそうですが、鉢植えに液肥を用いる場合には、規定量の1.5〜2倍程度の薄めに希釈したものを、普段水やりする感覚で鉢底から流れ出すまでしっかりとやるのが良いでしょう。

茉莉花の誘引と剪定

茉莉花の誘引と剪定

茉莉花は半蔓性と言う事なのですが、自ら積極的に絡みついて行く性質のものではありません。ヒョロヒョロとした柔らかい枝を四方八方に伸ばして、とにかく収まりが悪いので適宜誘引します。

お手軽に安くあげるなら、100円ショップなどで売られている朝顔用の支柱でも結構ですし、見た目重視で本格的にやりたいのであればオベリスク型の支柱を利用し、麻縄などを使って巻きつけるように誘引します。株の中心部の通気が改善される事により、ハダニなどの発生が抑制されます。

また、茉莉花は新しい枝の先端に花を咲かせるのですが、それは脇枝でも同様なので、支柱に巻きつける形にすると盛夏期には見栄えの良い位置に花が咲き続ける感じになります。

日常の剪定は、花が咲き終わったら、その枝先を剪定し分枝を促進させる事で、シーズン2〜3度目の開花を楽しめます。茉莉花は基本的に種子からは増やしませんし、八重咲き系などでは結実もしませんので、花ガラは即座に除去しましょう。

花の季節が終わって、10〜11月頃になったら大胆に剪定します。根元から5〜6節残して切り戻し、今後の分枝に期待です。茉莉花は、かなり強めに剪定しても大丈夫なので、大胆にバッサリと行きましょう。
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茉莉花の植え替えと増やし方

剪定は大胆にバッサリですが、植えつけの項でお話した通りに根は非常にデリケートです。
植え替えるにしても、他の植物のように、古い土を落として根を掃除して…なんて行為は枯死につながるので避けましょう。

可能なのは鉢を一回り大きくする程度の事だけになります。根が混み合えば花つきも悪くなるし、かと言って、鉢を大きくするにも限界がありますし…

でも、ご安心下さい。茉莉花の挿し木は非常に簡単なので、そこは考えを切り替えて、挿し木で新しい苗を作ってしまいましょう。前記した剪定のついでに挿し木を考慮する事にします。どうせ捨てちゃう部分ですし、まぁ、気楽なものです。

茉莉花の枝は若い内は淡い緑色でフニャフニャと柔軟で、古くなると木質化して硬くなりますが、使うのは濃い緑色でやや硬くなった部分です。枝の先端から3〜5節辺りで切り落とし、葉は3〜4枚程度残します。切り口を斜め切りにして、一晩、水に挿しておきます。

翌日、可能ならば、「オキシベロン」や「ルートン」などの発根促進剤を使用してから、市販の「挿し木用土」か小粒の「赤玉土」に挿します。乾かないように管理して、数週間経っても枯死していなければ発根は成功しています。後は、通常の植えつけの際と同様に作業して完了です。

茉莉花の病害虫

ハダニ

病害虫による被害は少ない植物です。病気の心配はほぼありません。

害虫に関しては、風通しが悪いとハダニが発生する事がありますが、初期段階ならば葉裏へ霧吹きやシャワーなどを使って水で洗い流してしまえば解決です。発生の初期段階で対処するように心掛けます。

かなり酷い状況の場合、薬剤を使用する事になりますが、併せて枝葉が込み入り過ぎていないかを確認して下さい。また、稀にアブラムシやカイガラムシが発生する事がありますが、こちらも初期段階での薬剤散布などで対処します。

茉莉花をジャスミン茶を浮かべるときの注意点!

茉莉花をジャスミン茶を浮かべるときの注意点!

中国の福建省福州市がジャスミン茶の生産の本場で、「茉莉花茶」または「香片茶(台湾などではこちらの方が多いかも)」と表記されています。沖縄のさんぴん茶は製法が若干異なりますが、語源は「香片茶(シャンピェンチャー)」が転訛したものです。

市販のジャスミン茶に茉莉花を浮かべるとちょっとお洒落ですし、お手軽スタイルで花をカップに入れて熱い紅茶や烏龍茶を注ぐと言うのもありです。

ただし、そう言った目的で購入・栽培するにあたって特に注意しなければならないのは、ガガイモ科シタキソウ属の「マダガスカルジャスミン」やマチン科ゲルセミウム属の「カロライナジャスミン」の存在です。

国内でジャスミン茶を作ったりする事はほぼ無いため、単なる芳香のある植物扱いで流通し、園芸店などでは「ジャスミン」と一括りにして売られていたりしますが、「マダガスカルジャスミン」や「カロライナジャスミン」はどちらも『有毒なので、絶対に間違っちゃダメですよ!

なお、市場に出回る茉莉花には、八重咲き、半八重咲き、一重咲きがありますが、どの咲き方だから栽培の難易度が異なると言う事は特にありません。

おわりに

今回は、茉莉花の育て方をまとめてみましたが、いかがでしたか?

植えつけ時に根を炒める事と越冬だけを多少注意すれば良いだけの強い植物なので、超初心者にも育てやすいかと思います。

試行錯誤しながら色々と楽しんで下さいね。



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