ドウダンツツジは、ツツジという名前がついていますが、よくみかけるつつじとは違い、春に見かけるスズランのような下向きに咲く、白いベル型の花です。見た目がとても可愛らしく、生け花や切り花の花材としてもとても人気の高い花です。
春には、可愛らしい花を咲かせ、秋には葉が美しく紅葉するため、季節によって違った美しさを楽しむことができます。その季節によって表情を変えるところからもお庭でドウダンツツジを楽しんでみてはいかがでしょうか。
Contents
ドウダンツツジの植え方、栽培時期
ドウダンツツジの苗の植え付けの時期
春・・・2月下旬から4月
秋・・・10月から1月上旬
ドウダンツツジは根が浅く広く張りやすいのが特徴であることから、植え付けの際には、深くならないように注意する必要があります。
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植え付けのポイント
- 浅く植える
- 倒れないように支柱で支える
- 株同士の間隔は50cm空ける
手順
草の根についた土は1/3を落とし、苗よりも一回り大きな鉢に植えます。水をたっぷりとあたえることが大切です。
ドウダンツツジが好む土壌
植えるときに覚えておきたいのは、ドウダンツツジに適した土壌にしておくことです。有機質の多い酸性の土壌を好むため、そのような土壌を作ります。
「鉢植えの場合」
赤玉土(小粒)もしくは鹿沼土(小粒)6:腐葉土4の割合で混ぜた土、または、赤玉土(小粒)5:酸度未調整ピートモス3:腐葉土2の割合で混ぜた土
配合が面倒な場合は、市販の花木用培養土で大丈夫です。
「地植え」
あらかじめ植え穴を掘り、その土に堆肥や腐葉土を2~3割混ぜておくようにするとよいでしょう。
もちろん、地植えの場合も面倒な場合は、市販の花木用培養土で大丈夫です。
栽培環境
ドウダンツツジは、日本原産であることから、比較的育てやすい庭木で、初心者にもピッタリです。鉢植えの場合も庭植えの場合も日当たりの良い場所に植えるようにしましょう。
日陰に植えてしまうと花つきが悪くなるのもちろん、紅葉も美しくありません。鉢植えの場合は、夏の間だけ日陰に避難させてあげると、土が乾燥しすぎるのを防ぐことができます。
ドウダンツツジの水やり・肥料
水やり
「鉢植え」
乾燥しすぎることがないように土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりをするようにしましょう。
冬などの落葉期には、ドウダンツツジも休眠するため水やりを控えめにする必要があります。
「地植え」
特に水やりの必要はないが、乾燥に弱いことを考慮し、あまり雨が降らない日が続いた場合は、水やりを行うか、パークチップや藁を株元に敷くことで、乾燥を防ぐようにするのもよいでしょう。
肥料
花が咲き終わった5~6月と、花が咲く前の2~3月に肥料を与えます。ゆっくりと効くタイプの緩効性化成肥料あるいは、固形の油かすなどの有機質肥料がおすすめです。くれぐれも間違って、窒素分が多い肥料を与えないようにしましょう。
窒素分が多くなってしまうと、葉ばかりが茂ってしまい、花つきが悪くなってしまう恐れがあります。
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ドウダンツツジの剪定の時期
毎年美しい花を咲かせるために欠かせないのが剪定です。間違った時期に間違った剪定をしてしまうと、思うように花を付けてくれなくなってしまいます。
おすすめの剪定時期は、花が終わった5~6月ごろです。ドウダンツツジは夏の間に、翌年の花芽を付けるのが特徴です。花が咲き終わり、新しい花芽を付けるまでの間に剪定を行うことがとても大切です。
基本的に刃、伸びすぎた枝や枯れてしまった枝、重なり合っていて日が当たらない枝を中心として付け根から切り落とすようにするのがポイントです。もちろん、庭木として生垣のように形を作って刈りこむのもよいでしょう。
ただし、形ばかりにとらわれて、時期関係なく剪定を行うと、花が咲かなくなってしまうので気を付けるようにしましょう。紅葉だけを楽しみたい場合は、どのタイミングで剪定を行っても問題はありません。
ドウダンツツジの植え替え時期
より大きな樹木にするためには、鉢植えの場合は、植え替えの必要があります。2~3年に1回のタイミングで1回り大きなサイズの鉢に植え替えるようにしましょう。
植え替えの時期は、新芽の伸びはじめる3~4月、落葉期の10~1月初旬、に行うようにします。
植え替えの手順は植え付けと同じですが、植え替え後はしっかりと根付かせることが大切です。2~3月の休眠している間に肥料を与えないように注意しましょう。
ドウダンツツジの増やし方
ドウダンツツジを増やす方法は、挿し木です。
2~3月あるいは、6~8月に行うようにしましょう。ポイントは、
2~3月の場合・・・前年に伸びた枝を使う
6~8月の場合・・・春以降に伸びで固くなった枝を使う
挿し木のやり方
枝を10~15cmの長さに切り取り、先端の葉を1~2枚だけ残します。切り口を斜めにカットに水揚げを行います。赤玉土(中粒)か、鹿沼土(中粒)を育苗ポットに入れ、1~2時間ほど水揚げを行った枝を挿します。
たっぷりと水やりをし、土が乾かないように気を付けながら水やりを行い、半日陰で育てます。
1か月ほどすると根が生えてくるので、十分に根が生えたことを確認できたら、植木鉢や地面に植え替えます。
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ドウダンツツジの病気や害虫
ドウダンツツジを栽培しているときに気を付けておきたいびょうきや害虫があります。
気を付けたい病気
葉に錆のような褐色の粉がついてしまうサビ病という病気があります。
この病気にかかってしまった葉は、残念ながら回復することはありません。即座に切り落とし、殺菌剤を散布することで他の葉に被害が出ないように対策を行います。
気を付けたい害虫
気を付ける必要のある害虫は、カミキリムシとカイガラムシです。
カミキリムシは、幼虫によって被害をもたらされるのですが、幹に穴をあけで内部を食い荒らしてしまうため、そのままにしておくと、株が枯れてしまいます。株もとにおがくずのような木くずがあったら、カミキリムシによる被害のサインなので、幹の穴へ殺虫剤をかけて駆除するようにしましょう。
カイガラムシは、新芽や葉に帰省し、栄養を吸い取って株を弱らせてしまいます。成虫になってしまうと薬剤が効きにくくなるため、幼虫のうちに薬剤を散布して駆除することが大切です。成虫を見つけた場合は、ブラシやピンセットで株から引き離すようにしましょう。
ドウダンツツジの種類
可愛らしいベルの形をしたドウダンツツジにはどのような種類があるのでしょか。
サラサドウダンツツジ
淡いピンク色の花を咲かせるのが特徴です。
花にピンク色の筋があり、先端は紅色に縁どられており、更紗染の模様に似ていることから、その名がついたと言われています。
ベビサラサドウダンツツジ
サラサドウダンツツジの変種で、サラサドウダンツツジよりも、花自体が小さく、赤みの強いピンク色の花を咲かせます。
標高の高い場所に生えていることが多く、湿気がある場所を好む傾向にあります。
アブラツツジ
緑白色をした5mmほどの花を数個咲かせるのが特徴です。日当たりの良い山岳地帯に自生しています。
葉の裏側に、油を塗ったかのようなツヤがあることからこの名前が付いたと言われています。
おわりに
ドウダンツツジは、初心者でも育てやすい庭木で、ベル型の可愛らしい花をつけます。
春には花を、秋には紅葉を楽しめることもあり、生垣としてもとても人気があります。ドウダンツツジの自宅での栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか。