茹で加減をして、コリコリとした食感を楽しみたいカリフラワーはビタミンの豊富な野菜です。特に豊富なのはビタミンCです。100g当たりでは1日の必要摂取量の50㎎を超える含有量です。
ブロッコリーと良く似たカリフラワーですが、品種改良によって生まれました。両者とも栽培方法が非常によく似ています。地中海沿岸が原産地ですが、比較的寒さにも強い植物です。乾燥にも強い植物で、初めて育てるのなら夏まきの秋・冬採りがよいでしょう。
食べる部分は「花蕾」と呼び、花の蕾がドーム状に密集して成長します。それでは、カリフラワーの育て方の説明を始めます!
Contents
カリフラワーの栽培時期と育成条件
- 日当たり:日なた
- 土壌酸度:中性
- 植えつけ:株間40㎝前後
- 春まき(2月) 収穫(5~6月)
- 夏まき(7~8月)収穫(11~12月)
種まき・苗の管理
種からの育成はポットで発芽させます。直径3㎝ほどの穴に、種を3~4粒まきます。種は離してまきましょう。後ほど間引きする際に、根が絡まなくてやり易いです。
箱まきで発芽させることもよいでしょう。深さ1㎝程のすじまきにします。こちらも覆土は5㎜ほどにします。
夏まきの場合は日光が強すぎるので、寒冷紗などで覆うとよいでしょう。他の季節(冬・春・秋)まきは保温する必要があります。
カリフラワーは苗での販売もされています。初めての場合は苗からの育成がやりやすいでしょう。
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カリフラワーの定植適期
- ポットまきの場合は本葉が出始めたら2本までに間引きます。本葉が2枚に成ったら1本立ちに絞ります。本葉が5~6枚に成ったら定植です。
- 箱まきの場合は、本葉が出始めたら2㎝間隔に間引きます。本葉が2枚になったらポットに植え替えます。あとは本葉5~6枚になったら定植です。
育苗の際は、水やりは朝に行います。夜間に水分が多いと徒長の原因となります。
カリフラワー栽培の土作り
土壌が酸性だと「根こぶ病」の原因ともなります。苦土石灰を施して調整します。目安としては1㎡あたり100gの苦土石灰です。2週間前までに深く耕しておきましょう。phの目安は6.0~6.5です。
1週間前には堆肥を入れます1㎡あたり2㎏が目安です。化成肥料を150g入れましょう。リン酸の不足や窒素が多いと葉茎が生い茂って、花蕾ができにくくなります。
次に畝づくりを行いましょう。1列植えなら40㎝程度の畝幅で作ります。株間も40㎝なので覚えやすいです。
定植のポイント
ポット苗が本葉5~6枚になったら定植します。株間40㎝と比較的広く取ります。カリフラワーは株間を広く取って外葉をのびのび育てます。株を大きく育てるのがポイントとなります。
株元が少し高くなるくらいに植えつけます。倒伏しやすい株なので、土寄せをしっかり行っていきます。
定植前にポットは水を張ったバケツなどに浸けて、水分をポット全体に行き届かせます。
カリフラワーの水やりについて
充分な水分を必要としますが加湿には弱い野菜です。また、乾燥にはある程度強い野菜です。そこで、水やりは朝~午前中に行います。
夕方には、表土が軽く乾いているように水やりを調整しましょう。午前中の水やりで、天気によって水分量を調整します。
カリフラワーの栽培管理
カリフラワーは連作障害を起こしやすい野菜です。同じ畑でのカリフラワーの栽培は2~3年控えましょう。
土寄せを行い、倒伏を防ぎます。夜間の水分を調整して徒長を防止しましょう。やたらと背丈が伸びるカリフラワーは花蕾が大きく育ちません。
防虫が必要な野菜になるので「防虫ネット」「寒冷紗ネット」を使いましょう。ポット苗から育てる際に、寒冷紗ネットの中で育てると効果的です。
苗を購入してきても、始めの段階で害虫が付着していては予防もできません。虫が付着していないか、見た目でもよく選んでください。
育ててみると気が付くのですが、秋まきカリフラワーは病害虫の予防が思ったより楽です。外葉が順調に育てば病害虫の心配がありません。寒冷紗ネットの効果は絶大です。
ネットは土との隙間ができないように注意が必要です。外葉を大きく育てるカリフラワーです。外葉が防虫ネットの外に出ていては役に立ちません。
花蕾が鶏卵ほどの大きさに成ったら花蕾を包むように外葉を束ねて紐で結びます。これは、花蕾の着色や寒害から守るためです。外葉を切り取って、花蕾の上に置く(覆う)方法もあります。
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病害虫について
軟腐病
葉物野菜全般に見られ珍しくありません。根・茎・葉に侵入して、腐らせる病気です。スーパ―などの店頭に並んだ商品にも一部見られることがあります。腐敗が進むと悪臭がするので気が付きやすい病気です。
軟腐病は高温の多湿状態で発生することが多い病気です。長雨が続く季節は注意が必要です。株間を適度に確保することで予防できます。
高温多湿はいろんな病気が発生します。春~秋は病害虫が少ない野菜の栽培が良いと思います。限られた畑の面積での育成に工夫が必要です。
春~夏にしか育てられない、または適している野菜の「トウモロコシ」「じゃがいも」「枝豆」などを育てて、夏以降に「カリフラワー」や「白菜」を栽培するのはいかがでしょうか?
モンシロチョウ・コナガの幼虫
アブラナ科のカリフラワーには、イモ虫系の害虫に狙われてしまいます。しかし、成虫のモンシロチョウは防ぎやすい害虫なので対策はあります。
定植と同時に寒冷紗ネットをかけてしまえば防げます。これで、イモムシやコナガの害虫はおおよそ防げます。定植と同時に寒冷紗ネットを行ってしまえば、寒さ対策にもなります。
問題なのは株を購入した際に、既に虫が付いている場合があるのでよく見て買うしかありせん。
追肥の手順
苗の植え付け後2週間後に株間に追肥を行います。そして、次の2週間後に2回目の追肥を行います。
株を充分に育てるためにも追肥をしっかり行って、外葉を大きく育てましょう。
カリフラワーの収穫時期
数々の病害虫を防いで「花蕾(つぼみ)」の直径が15~20㎝になったら、いよいよ収穫のタイミングです。
カリフラワーは少々早めの収穫がよいでしょう。収穫が遅れると花蕾の表面がざらついて隙間もできてしまいます。採り遅れには注意しましょう。
カリフラワーとブロッコリーの違い
形状の似ている二つの野菜ですが、店頭の販売価格はカリフラワーの方が少々高めの設定です。しかし、株の販売価格は同額なので、育てるとお得なのはカリフラワーなのでしょうか?
ブロッコリーの面白い所は、花蕾を収穫した後も脇芽が伸びてきて収穫できる少々変わった野菜です。しかし、カリフラワーは花蕾を収穫してしまうと、脇芽の収穫は無いので株ごと処分が必要です。
おわりに
カリフラワーの育て方について、苗の選び方から収穫までご説明しましたがいかがでしたか?
カリフラワーは外葉を大きく成長させる野菜なので、栽培面積の占有が大きい野菜です。限られた家庭菜園では、それほど多く栽培できないのが難点です。
一方で、寒冷紗ネットの下で上手に成長させると、農薬も使用しないで育てられるので安心安全なカリフラワーを育成できます。
収穫後は、温野菜としての添え物としても使いやすく、油との相性が良いので中華料理・西洋料理の食材としても使いやすいですね。野菜の不足する冬場に収穫できる魅力的な野菜です。ビタミン豊富な野菜は嬉しいですね。
株はホームセンターや直売所でも手ごろに購入ができます。それでは、淡雪のようなカリフラワーを家庭菜園でチャレンジしてみてください!