枝豆はおやつやビールのおつまみとして、馴染みの深い野菜です。
ビタミンAが豊富で、他にもタンパク質や鉄分、食物繊維などが含まれており栄養価も抜群です。
今回は、そんな枝豆の栽培方法についてご紹介します。
Contents
枝豆の栽培時期と育成条件
種まき | 育苗・育生 | 収穫 | |
寒冷地 | 5月中旬~6月下旬 | 5月中旬~9月上旬 | 7月中旬~9月下旬 |
一般地(春まき) | 4月中旬~6月上旬 | 4月下旬~9月上旬 | 6月下旬~10月上旬 |
暖地 | 4月上旬〜6月上旬 | 4月中旬~8月中旬 | 8月中旬~9月下旬 |
- 日当たり:日なた
- 土壌酸度:弱酸性から中性(pH6.0~6.5)
- 植え付け:株間30㎝前後
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エダマメの種まき・苗の管理
畑に直播きの場合
前日から土に充分な水分を与えておきましょう。深さ2~3㎝くらいの穴を掘り、3~6粒ずつ植えるようにします。30㎝程度間隔をあけ、土をかぶせた後に水を充分与えます。
カラスや鳩などの鳥は枝豆の種を好みます。発芽するまでは、不燃布や寒冷紗、不織布などのシートを掛けておくようにすると被害を逃れられます。
発芽するまでの間に、水を多くあげすぎないようにすることがポイントです。
ポットに植える場合
9㎝のポットに対して2粒ほど植えるようにします。直播きの場合と同じく、深さは2~3㎝です。発芽までにはたっぷりと水をあたえます。およそ1週間から10日が発芽する目安です。
ポットで育てることによるメリットは、定植をする際に株の植え痛みを防ぐことができることです。
お店などでポットに入った苗を購入する場合は、葉の色が濃く徒長していないもの、初期葉と小葉の間の茎がしっかりと太い苗を選ぶようにすると良いでしょう。
枝豆の定植適期
枝豆の定植時期は、本葉が1.2枚出てきた頃が最適です。
種をまいて20日位経過したあたりになります。
枝豆の土作り
枝豆は連作に適さない野菜です。
連作をすると収穫量が減るだけでなく、虫が付きやすくなる原因になります。
定植を行う2週間位前には土作りを終えるようにしましょう。
- 3週間前には堆肥(完熟たい肥と炭酸苦土石灰を10:1で混ぜたもの)、2週間前に石灰を入れて耕します。
- 種まきが終わったら1週間後に元肥を入れます。
- 土作りが完了したら畝を作りましょう。
- 60㎝幅にすれば95㎝幅のマルチが使いやすくなります。
マルチ張りと支柱立て
種を植える時にマルチ張りをすることにより、半月ほど早く収穫をすることができます。
畝ができたらそれよりも30㎝長い黒マルチを準備します。それぞれの端に土を乗せマルチを固定させます。この時マルチがピンとキレイに張った状態になるようにしましょう。
マルチ張りが終わったら、穴あけ器でマルチに穴を開けていきます。穴開け器が無い場合は、カッターで×印で切り込みを入れ、切り込みを入れた部分を内部に押し込むようにすれば、きれいに穴を開けることができます。(もともと穴の空いているマルチでもOKです)
通常、枝豆の栽培において支柱を使用することはあまりありません。ただし、強い雨や風によって苗が倒れてしまうことがあります。
気になる場合は、枝豆がある程度成長したら、枝豆の四隅に高さ75~90㎝くらいの支柱を立て、麻ひもで支柱の周りを囲いましょう。
- 畝作り
- マルチ張り
- 穴あけ
- 定植
- 支柱立て(必要な場合)
雨よけ栽培のメリット
枝豆は雨に弱い野菜の一つとされています。
特に梅雨や秋雨の時期のように長期的に雨が降ると、土壌の湿気が多くなり育成不良や病気が発生する原因にもなります。
土壌が多湿状態になると、土の中の酸素が減ることにより植物の生長に影響を及ぼすと同時に、害虫にとっても住みやすい環境になります。
このような被害を減らすためにも、雨よけの対策はしっかり行うようにしましょう。
定植のポイント
暖かく風の無い日が適しています。
あまり気温の高い日に定植を行うと、水やりをした時の水分が土の中にこもり、蒸れて種がダメになってしまうことがあるので注意しましょう。
枝豆の特性
枝豆は大豆が完成する前の未熟な段階で収穫をしたものをいい、高温に強く霜や低温に弱い野菜です。生育適温は20~28℃で、風通しが良い日当たりを好みます。
枝豆は4月上旬~6月下旬が種を植える時期、6月中旬~9月下旬が収穫時期になりますが、育てる地域や品種によって異なる場合もあるので、確認するようにしましょう。
- 4月に畑に植え付けをした枝豆は、夏に収穫をすることができます。
- 7月に植え付けをして秋に収穫をする場合は、畑に直播きをして栽培します。
枝豆は白や紫の小さい花を咲かせ、主茎と文枝の両方に実がなります
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枝豆に発生しやすい害虫と害虫病
発生しやすい害虫は、カメムシ、ダイズアブラムシ、コガネムシ類、ダイズサヤムシガ、シロイチモジマダラメイガなどです。
これらの害虫は、豆の中の汁を吸い豆の成長の妨害や、葉や莢を食害します。見つけ次第捕殺しましょう。
枝豆がかかりやすい害虫病をご紹介します。
べと病
梅雨の時期に発生しやすい病気です。
葉の表に淡黄色の病斑、裏は灰白色のカビが出ます。
立ち枯れ病
地際部分の茎に縦に長い褐色が出現します。
その部分が腐って茎が細くなるために、苗が倒れてしおれ、最終的には枯れてしまいます。
病原はカビの一種類です。
白絹病(しらきぬびょう)
地際部分の茎や周りの地面に綿条の菌糸ができ、白い糸で覆われたようになります。
夏に発生しやすく、最終的には立ち枯れてしまいます。
萎凋病(いちょうびょう)
カビが原因の病気です。地際部分の茎の変色と葉が萎えることが特徴です。
これらの害虫や病気を防ぐには、日頃から加湿、日照不足などに注意すること、病葉を見つけたら、すぐに取り除くことが大事です。可能であれば防虫ネットなどを使用すると害虫予防になります。
枝豆の水やりについて
枝豆は乾燥に弱いので、土が乾いたら根元に優しく水を与えましょう。
水分量が足りないと、花が開く頃〜実がなり出す時期に落花しやすくなるので注意します。
収穫が近くなったら、与える水量を多くして子実の肥大をはかるようにします。
枝豆の栽培管理
土寄せ・中耕
土寄せとは、育成中の作物の根元に土を寄せかけることをいいます。
除草や株の転倒防止、排水を良くすることができます。また、普段の水やりや雨水によって減った株元の土を補い、根を守る働きをします。
中耕は、作物の育成中に表土を浅く耕すことです。枝豆の場合は、定植の20~25日後に1~2回土寄せと中耕を行います。
追肥
育成が悪いときや葉が黄色くなっている時は、土寄せと中耕を行うと同時に追肥をしましょう。
摘心
摘心とは、植物や野菜の頂芽を摘み取ることをいいます。枝豆の場合は本葉が4~5枚出てきたら行いましょう。
摘心をすることにより、栄養分が側枝に行き渡り、枝葉が増し収穫量が増えます。丈が抑えられることにより、株の転倒防止にもつながります。
枝豆の収穫時期と収穫方法
枝豆の花が開いて40~50日くらい経つと豆が次第に成長します。成長した莢を指で軽く押してみましょう。莢の中から豆がすんなり出てくるようであれば、収穫時期と判断して間違いないでしょう。
収穫できる莢をハサミで切る方法と根ごと引き抜く方法がありますが、根ごと引き抜いて収穫する時は、全体の8割が熟している状態がベストです。
この収穫時期は1週間から10日位とされています。過熟状態になると風味が落ち、実がかたくなってしまいます。
収穫のポイント
莢を切って収穫した場合は、鮮度が早く落ちるので、収穫後は素早く茹でるのがポイントです。
一度に沢山収穫した場合は、すぐに食べきれない分を冷蔵庫保存します。
収穫時期を長く楽しみたい場合は、種まきの時期を1週間位ずらしたり、収穫できる早さが異なる品種を数種類植えるようにしたりして栽培するとよいでしょう。
収穫時期を逃してしまった場合でも、茎や葉が枯れて完全に乾燥する状態まで待てば大豆として収穫することができます。
おわりに
枝豆の種まきから収穫にいたるまでをご紹介しました。
枝豆は小さなプランター1つからでも栽培が楽しめ、ポイントを上手におさえれば初心者でも気軽に育てることができる野菜です。
是非、枝豆栽培にチャレンジしてみてください。