皆さんはスベリヒユという食べられる雑草をご存じですか?
「スベリヒユ」という名前にピンとこなくても実物を見れば「見たことがある!」「知ってる!」と思う方も多い種類の雑草だと思います。
スベリヒユは、食用としてだけでなく、実はコンパニオンプランツとしても効果を発揮する、とても万能な雑草なのです。
今回は、そんなスベリヒユの効能や食べ方などについて紹介していきます!
そして、スベリヒユにとても類似した雑草に、毒性のあるコニシキソウやニシキソウなどがあります。
誤って食べてしまうと危険なので、実際に食べられる【スベリヒユ】と毒のある【コニシキソウ】の正しい見分け方についてもふれていきますね。
これらの雑草は、ぱっと見は似ていても、良く見ると決定的な違いがありますので、画像を見ながら一緒の御確認下さいね○^^○
Contents
スベリヒユとは
スベリヒユとはスベリヒユ科スベリヒユ属の多年生植物です。名前の由来は茹でるとヌメリが出てスベスベするからという意味で付けられました。
田んぼや畑、道端など日当たりのいいところに生え、基本的には全世界どこにでも目にする雑草のひとつです。
中国では「馬歯見」「長寿菜」「五行草」など様々な呼び方があります。山形では「ひょう」、沖縄では「ニンブトゥガー」とも呼ばれます。
スベリヒユは赤紫の茎に多肉質の葉をつけ、夏には黄色い花を咲かせます。食用以外に薬として使われることもあります。様々な効能があり万能なスベリヒユですが欠点もあり、食べすぎると下痢を起こす危険があります。
陽のあたる場所に自然に生え乾燥に強く、たとえ枯れてしまっても雨が降ったりするとすぐに元に戻る丈夫な植物なので農作物にとっては害のある雑草としても知られていますが、食用の野菜として畑で栽培されることもあります。
家庭菜園や花壇、プランターなどにも、スベリヒユが自然と雑草として生えてくる場合があります。雑草として抜いてしまいがちですが、栄養が多く、様々な効能も期待できるため食用として収穫するのもアリです!
注意点として、スベリヒユを道端などで摘む場合は、犬の排泄物や除草剤、畑などで摘む場合は農薬がついている可能性もあるので注意しましょう。
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スベリヒユの効果
スベリヒユはオメガ3脂肪酸やビタミン類、鉄やカルシウムなどの栄養が豊富に含まれており、効能も様々です。
中国医学では薬草として知られ、天然の抗生物質とも呼ばれています。主な作用として抗菌作用や消炎作用、解毒作用に加え利尿作用などの効果があり、腹痛や下痢を抑えたり、胃腸の調子を整えたり、葉の汁はニキビや湿疹、虫刺されに有効な成分が含まれています。
さらにオメガ3脂肪酸の効果によりコレステロール値や中性脂肪を下げたり、ガンやアレルギーの予防の効果にも期待できます。
スベリヒユの食べ方
スベリヒユは様々な食べ方があります。
- サラダとして生で食べる
- フルーツと一緒にミキサーにかけてスムージー
- お醤油でお浸し
- お酢で酢の物
- パスタと一緒に和える
- ごま油と鶏ガラだしで韓国ナムル
- 味噌汁やスープの具材として
- 油で揚げて天ぷら
- トマトや鶏肉と一緒に煮込む
様々な料理に使えるスベリヒユですが、注意点もあります。
スベリヒユに含まれているオメガ3脂肪酸は熱に弱いです。そのためオメガ3脂肪酸を摂取しようと思ったら、天ぷらなどの高い温度で調理するものよりは、サラダで食べた方が良いです。
スベリヒユのシュウ酸
生のスベリヒユには、シュウ酸が含まれており大量に食べると尿路結石を作る原因になります。生で食べる場合は少量にしましょう。
スベリヒユの生で食べた時のエグミは、シュウ酸です。生だと、このエグミを感じやすくなります。生で食べるよりは、やはり茹でて食べられる方が多いようですね・・。
結石をお持ちの方や、葉物野菜のシュウ酸が気になる方は、茹でた後、冷水に浸す時間を長くする事で、7~8割の【シュウ酸】を抜く事ができます。
ただし、スベリヒユのシュウ酸は、やや抜けにくいとされていますので、調理する際もゴマやじゃこ、カツオ節などのカルシウムと一緒に摂る事で、余分なシュウ酸を排出させると良いでしょう。
スベリヒユレシピ
スベリヒユは、とても生命力が強い雑草なので、気がつけば増えすぎてしまい、やもおえず防除する事もあります。
しかしスベリヒユは【オメガ3脂肪酸】を豊富に含む立派な健康食材ですので、料理すれば美味しく頂く事ができます。
今まで、スベリヒユを捨てていた人も、これからは料理に使っちゃいましょう。それでは、スベリヒユを使ったレシピをいくつか紹介していきますね。
スベリヒユのお浸し
酢味噌にからしを混ぜたものや、からし醤油などで和え【スベリヒユをお浸し】したものは、癖もないのでお子様でも食べやすく、とても美味しいですょ。
*めんつゆにカツオ節を混ぜてもOKです。
スベリヒユは【シュウ酸】含んでいますので、カルシウムを含むカツオ節やゴマ、じゃこ、などを一緒に和えるのがお勧めです。
その理由としては、一緒に食べる事で、これらに含まれるカルシウムが、スベリヒユに含まれる【シュウ酸】と反応し、便と一緒に排出されるからです。
*一緒の食べるのがポイントです。
また、『スベリヒユの茹で時間』ですが、サラダとしても食べれますので、塩をひとつまみ入れて沸騰した鍋で、サッと約1分くらい茹でれば充分です。
茹でた後は、すぐに冷水に浸します。
次は、お浸し用の【和えダレ】を作っていきます。
*和えダレは、スベリヒユのお浸しに限らず、何にでも応用可能です。
からし醤油の作り方
材料
・からし(チューブのでOK)量はお好みで
・砂糖 小さじ2
・しょうゆ 大さじ2
*上記を混ぜ合わせるだけです。
酢味噌の作り方
材料
・白味噌 大さじ2
・酢 大さじ1
・砂糖 大さじ1
*上記を混ぜ合わせるだけです。酢のかわりに、レモン汁を入れてもOK!最後にレモンの皮を散らすとオシャレ。
上記のように、茹でたスベリヒユに【和えダレ】を混ぜたら、【スベリヒユのお浸し】は完成です。
スベリヒユ ナムル
材料
・ごま油 大さじ1
・砂糖 大さじ1
・しょうゆ 大さじ3
・レモン汁 小さじ1
・すりごま 大さじ3
・ニンニク 少々
・スベリヒユ
・人参
・もやしなど
上記の調味料を混ぜておきます。茹でたスベリヒユ、人参、もやしに和えたら出来上がりです。
スベリヒユ 味噌汁
スベリヒユは、味噌汁に入れても美味しいです。スベリヒユは、下茹でしたものを使います。スベリヒユ以外に、豆腐などお好みの材料を入れましょう。
スベリヒユの海苔巻き天ぷら
スベリヒユは、良く洗い水気を切っておきます。スベリヒユを束ねたら、海苔でクルクル巻いて、そのまま天ぷらにします。
スベリヒユ春雨サラダ
材料
・春雨
・きゅうり
・人参
・ハム
・卵
・キクラゲ
・スベリヒユ
【合わせダレ】
・ごま油 大さじ1
・酢 大さじ1
・しょうゆ 大さじ1
・砂糖 小さじ1
・鶏ガラスープの素 小さじ2
・白ごま大さじ3
・からし 適量
春雨と、スベリヒユ、キクラゲはそれぞれ茹でて、下準備しておきます。きゅうり・人参・ハムは千切りにし、卵は金糸卵にしておきます。すべての準備ができたら、各材料に【合わせダレ】を混ぜて出来上がりです。
コニシキソウとスベリヒユの違い
スベリヒユに良く似た雑草に、【コニシキソウ】といわれるものがあります。しかし、このコニシキソウには、毒性があるので誤って食べてしまうと非常に危険です。
そこで安全の為、コニシキソウとスベリヒユの違いや見分け方についても、少しふれておきますね。
↑上記は、スベリヒユを大きくした画像です。スベリヒユは多肉植物なので、良く見ると葉が肉厚でツルツルしているのが分かりますでしょうか?
しかし、コニシキソウは違います。スベリヒユのように葉は肉厚ではなくペラッとしています。スベリヒユのように、葉はツルツルしておらずマット感があります。
そして、コニシキソウなのか?どうか?を見分ける際に、決定的な特徴は、葉にある赤っぽい斑模様です。
下記画像のように葉に赤っぽい斑があるのが分かりますでしょうか?
この赤っぽい斑があるのが、コニシキソウです。どちらも、1年草で左右の葉が対になっています。
そして、実に紛らわしいのですが、コニシキソウの仲間に【ニシキソウ】や【オオニシキソウ】などがあります。
この2種は、同じ種だけあって葉の特徴は、コニシキソウと非常に類似しているのですが、この2種にはコニシキソウのように、赤っぽい斑はありません。
下記画像で御確認下さい。
スベリヒユと見分ける際は、赤っぽい斑のありなし!でけでなく、葉が肉厚なのか?そうでないのか?も合わせて確認すると良いでしょう^^
スベリヒユに毒草はない!
スベリヒユは、その栄養価や効用などから、漢方や食材としても重宝されていて、毒性などはありません。
ただし、上記で紹介した雑草のように、見た目が良く似た雑草もあるので、食用にする際は、スベリヒユを良く似た雑草を誤って食べないように充分注意が必要です。
上記でも紹介しましたが、スベリヒユに良く似た雑草に、【コニシキソウ】【ニシキソウ】【オオニシキソウ】などがありますが、これら全部毒性がある雑草です。
スベリヒユの生態
スベリヒユは、日本国内の全土に分布し非常に繁殖力が強く、四方に這うように根を張っていくのが特徴です。庭先や路地、畑など、いろんな場所に生息しています。
葉は、それぞれ左右対称に並び丸みを帯び、茎部分は、赤っぽい色をしているのも特徴です。
多肉植物なので、葉が肉厚なのも特徴で、暑さには非常に強く、夏になる黄色くて可愛い小花を咲かせます。
しかし、スベリヒユの花が咲いている時間は、日が充分にあたる、午前の数時間だけと、とても短いです。5~7㎜くらいの、小さな黄色い花を咲かせた後は、やがて結実し種になります。
スベリヒユは、冬の寒さは苦手なので、極寒の季節になると枯れてしまいますが、来春になると落ちた種が発芽し、春が来ると再び新芽を出します。
繁殖力の高さゆえに、一度スベリヒユが畑に入ると、農作物に影響を及ぼすため、農家の人を悩ませる事もしばしば・・
スベリヒユのような雑草は、とても生命力が強く、除草しても残った根や茎から再び発根します。
また、抜いても次から次へ生えてくるスベリヒユは、農家の方にとっては、厄介物の雑草とも言えます。
よって、通常スベリヒユは駆除対象であり、見つけたら他の雑草と共に除草されているのが一般的です。
*もし、除草するのであれば、花が咲く前に済ませると良いでしょう。
このように、場合によっては嫌われも者のスベリヒユですが、栄養面ではスーパーフードとして注目をあびている!と言う、一面もあります。
スベリヒユはコンパニオンプランツにもなる
スベリヒユは、アブラナ科の野菜のコンパニオンプランツとしても効果的です。
コンパニオンプランツとは?
例えば、野菜の成長を促進させたり、病害虫を防いだりするなどの、良い影響を与える植物の事を指します。
土壌改善に効果的
スベリヒユは、四方に根を伸ばしながら、土壌内に空気の通り道を作る事で、水分や空気の通り道を作ってくれます。また、伸ばした根が土壌表面の乾燥を防ぎ、土の中の水分を適度に保つ効果もあり、土壌改善に効果を発揮します。
野菜が良く育つためには、土が良い状態である事も重要です。スベリヒユはその、土壌改善の手助けをしてくれる、立派なコンパニオンプランツです。
畑にスベリヒユを見つけたら、すぐに除草するのではなく、育てる野菜によっては上手に共生させる事でメリットが生まれます。
では、アブラナ科の野菜には、どんな野菜があるか?と言うと、チンゲンサイ、ハクサイ、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、コマツナ、なばな、ミズナ、壬生菜(ミブナ)、ダイコン、カブ、わさび、コールラビ、からし菜、クレソン、パクチョイ、ルッコラ、ラディッシュなどがあります。
除草して廃棄処分してしまう前に、食用やコンパニオンプランツとして有効活用してみるのも、1つの手かもしれませんね。
おわりに
今回はスベリヒユの効能や食べ方を紹介してきました!
スベリヒユはどこにでも生えてくる雑草なので、どんな栄養が含まれていて、どんな効能があるのかを知らなければ見逃してしまったり、他の雑草と一緒に刈ってしまいがちですが、スーパーで買う野菜よりも断然に優れた効果があり、しかも雑草として生えているのでお金もかかりません!
さらに調理法も様々で、自分で育ててしまえば農薬や除草剤の心配もしなくてよし!枯れても復活するという丈夫さも兼ね備えているので、いろんな意味で最強の雑草と言えますね!
普段はただの雑草と思っているかもしれませんが、たまには食用として食べてみるのはいかがですか?
また、スベリヒユを育ててみたい!と言う方は、下記のページで詳しく説明していますので、御参考になさって下さいね。