ラナンキュラスは、幾重にも重なった花びらが特徴です。フラワーアレンジメントや贈答用の花束、結婚式場などで見たことがある方も多いのではないでしょうか。
それほど大きく成長せずに、病害虫にも比較的強いので初心者にも育てやすい植物です。花色の種類も豊富あるので、花が好きであれば沢山育ててみたくなりますよね。
今回は、ラナンキュラスの栽培方法についてお話したいと思います。
Contents
ラナンキュラスの栽培時期と育成条件
- 日当たり:日なた
- 土壌酸度:弱酸性~弱アルカリ性
- 用途:地植え・鉢植え・切り花
- 耐寒性:普通
- 耐暑性:弱い(暑くなると休眠する)
- 花色: 赤・白・ピンク・オレンジ・紫・混合など
- 草丈:15㎝~30㎝
ラナンキュラスの植えつけ
ガーデニング初心者にとって一番楽な植えつけは、苗を利用することです。苗が市場に出回るのは、11月下旬から4月頃。冬に購入するよりも、少し成長した苗を春に購入した方が育てやすいでしょう。
ラナンキュラスの苗を選ぶポイントは以下の通りです。
- 葉が変色していない、傷んでおらず、緑がきれいなもの
- 株に勢いがあるもの
- つぼみがしっかり上がっているもの
ラナンキュラスは、つぼみの時の花色と実際咲いた時の花色が変化します。花の色にこだわりがある時は、花が既に開花している苗を選ぶと、希望通りの色のラナンキュラスを手に入れることができます。
苗を購入したら、早速植えつけを行いましょう。植えつけに必要なものです。
- 鉢(標準鉢・12~18㎝)
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- 花草用培養土
- 苗
用意した土には前もって、水分を含ませておきましょう。鉢の底に、鉢底ネット、鉢底石または軽石を入れて3分の1位の高さまで培養土を入れます。購入してきた苗をポットから出し、不要な根は取り除きます。
球根が土の表面から5~10㎝になるように苗をセットして、土をかぶせていきましょう。
霜が降りるような気温の場合は防寒すること、厳寒期の植えつけは避けることが重要です。土が乾燥すると根の成長に影響が出てきますので、葉の数が少ない状態でも、ある程度水やりをおこなってください。
ラナンキュラスの用土
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ラナンキュラスに使う土は、市販されている花草用培養土を購入するのが、一番手間がかかりません。
ラナンキュラスは、弱酸性から弱アルカリ性の土壌酸度、有機物が豊富で水はけの良い土を好みます。
自分で土を作る場合は、小粒の赤玉土:腐葉土:ピートモス(酸度調整済み)を5:3:2で配合し、緩効性化成肥料(リン酸が多めにはいっているもの)を混ぜるとよいでしょう。
ラナンキュラスの置き場所
苗を植えつけた直後
既述の通りラナンキュラスは厳しい寒さに弱い植物です。
北風と霜を避け、軒下のようなある程度日光のあたる場所に置きましょう。厳寒期(1月~2月)は防寒対策をしましょう。
開花している時
ラナンキュラスは日光を好む植物です。しっかりと日の当たる場所に置きましょう。室内で育てる時も同様に、窓際などの暖かく日の当たる場所が適していますが、暖房などが直接当たる場所は花が早めに枯れてしまうので、避けてください。
外気がマイナスでない限りは外で日に当てて、夜寒くなってから室内に取り込んであげましょう。夏の強い日差しは苦手ですので、直射日光が当たる時は鉢を移動させてあげてください。
花びらがとても繊細なため雨が降っている時は、当たらないようにすると花が落ちずに長期間開花を楽しむことができます。
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ラナンキュラスの水やり
夏の時期
土の表面を手で触って乾燥しているようであれば、鉢底から水が流れ出すくらい充分に水やりを行いましょう。
夏場は湿度が高いので、水やりのしすぎは根腐れの原因となります。ラナンキュラスの様子を観察して、乾燥と加湿に気を付けることがポイントです。
冬の時期
1週間に1回を目安に、昼間の気温が上がっている時間帯に水やりを行います。夏場と同様に、水のあげすぎは根腐れの原因になります。
根腐れのサインは、葉が黄色くなること。黄色に変色してしまったら、水やりをやめて様子を見ながら再開しましょう。
ラナンキュラスの追肥
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ラナンキュラスの綺麗な花を咲かせるには、追肥はとても重要です。追肥を施す期間は、つぼみが出てきた頃から花が枯れるまで。
10日から2週間に1回を目安として、薄めた液体肥料をあげましょう。花が枯れる時期になったら、追肥の量を少なくすると球根が腐りにくくなります。
ラナンキュラスがなりやすい病害虫
アブラムシ
春先に出てくる害虫で、葉や茎からラナンキュラスの栄養を吸い取って衰弱させます。
アブラムシが出始めの初期段階の時、薬剤を使用したくない時は、ビールを薄めたものを吹きかけ酔わせたり、石けん水を拭きかけて窒息させたりする方法があります。
石けん水を使った時は、約3時間放置してから水で洗い流すようにしてください。大量発生した時は、薬剤が有効的です。
灰カビ病
開花時期の多湿な環境で多く見られる病気です。
花がらの放置が原因になる場合が多いので、花がらをきちんと摘み取り処理して綺麗な環境を作ることが予防策になります。
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ラナンキュラスの増やし方
ラナンキュラスに栽培に慣れてきたら、栽培する数を増やしてみましょう。
増やし方の種類は2通りです。
種から増やす
市場には様々な種類のラナンキュラスの種が出回っています。
種植えは、気温が15℃前後の10月頃が適期です。発芽するには、半月から3週間ぐらいが目安です。
球根から増やす
9月から10月が適期です。自分で育てた苗からの分球や市販されている球根を使います。
球根からラナンキュラスを育てる時は、植える前に吸水処理が必要です。というのも、球根をそのまま植えると水分を急激に吸収するため腐ってしまうからです。
吸水処理の手順は次の通りです。
- 湿らせたキッチンペーパー、バーミキュライトなどと一緒にビニール袋に入れる。
- 涼しくて日光の当たらない場所で3日間管理する
- 冷蔵庫に入れる場合は、1週間の時間が必要
このように、ゆっくりと球根に水分を吸収させる作業を終えてから、球根を土に植えつけます。
ラナンキュラスの栽培管理
花がら摘み
3月から5月にかけて行いましょう。
咲き終わった花がらを処分することで、灰カビ病の予防になります。
球根の掘り上げ
花が枯れてから球根を掘り起こして植え直しをすると、翌年もまた花を楽しむことができます。
水やりを続けながら、そのまま球根を植えておく方法もありますが、土の中の湿度によっては腐ってしまう場合もあるので、あまりおすすめはできません。花が枯れたら、花と茎の付け根を切断してください。
その後、残した葉は光合成を行い球根に栄養を送りますが、葉が黄色くなった球根を土からゆっくりと掘りあげて、茎と葉は処分しましょう。
余分な土は取り払い、3日間新聞紙などの上において日光に当てて乾燥させます。充分に乾燥できたら、ネットなどの袋にいれて風通しの良い日陰に吊して秋まで保存します。
おわりに
ラナンキュラスは、地植えと鉢植え以外に切り花としても楽しむことができます。
華やかで優しい雰囲気を醸し出すラナンキュラスがお部屋の中にあると、とても素敵ですよね。
鉢植えが慣れてきたら、次は地植えに挑戦して栽培量を増やしてみましょう。