植物の葉や花弁に濃淡のまだら模様ができモザイク状になり、株、葉が縮んで黄色になる症状がでる一種のウイルス病をいいます。
このウイルスが引き起こす病気は、樹木や野菜その他の草花などの植物全般に感染をもたらす恐れがあり厄介者です。初期の症状は葉っぱの先に薄緑の斑点を見たり、葉脈部分の色素が薄くなったりすることにあります。
やがてその進行により株の全体にモザイクかかったようになります。また、葉っぱの萎縮や変形、奇形もよく見かけるようになります。この病変部分は、薬剤や農薬などでは治すことができないのが現状です。
モザイク病の発生時期
モザイク病の発生時期は、3月から11月と栽培される期間のほとんどに発生します。
ウイルスの種類も様々ですが野菜や果樹、草花のすべてが被害を受けどれもこれも同じ症状に悩まされます。
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モザイク病の原因
モザイク病の感染経路は大きく2つに分けられます。
①害虫であるアブラムシとかアザミウマが媒介します。モザイク病(ウイルス病)に感染した植物の汁や樹液を食して体内にウイルスを入れた状態で移動しますと感染が広まります。春や秋口にその感染は最も多くなります。
②人が感染させるケースです。このモザイク病になった植物を剪定などして、そのままのナイフやハサミでほかの植物を手入れしますと感染してしまいます。ウリ科やナス科に属します野菜は特に感染しやすい傾向があります。
モザイク病の予防
モザイク病はしつこくて厄介であり大変です。その予防策として、アブラムシを退治するために薬剤を撒きアブラムシが近寄らないための工夫が必要になります。この虫は、反射する光線が大嫌いですので株の元にポリエチレンフィルムやアルミ箔を覆いかぶせることで効果が出てきます。
また、汁やその液での伝染を防ぐ方法として接ぎ木とか株分けのときに使いますナイフやハサミの消毒を徹底的にすることが予防策として重要になります。この部分をまとめてみましょう。
- ビニールや寒冷紗で覆いアブラムシが飛来しないようにすることです。
- ナイフやハサミを使用した都度に消毒をすることです。
- モザイク病を寄せ付けない強い接ぎ木を使うことです。
- 防風ネットを用意し風がもたらす菌の飛来を防止することです。
- 銀色系のマルチシートで覆いアブラムシの出現を妨げることです。
以上の予防をされることにより蔓延は防止できると思います。
モザイク病の対策
残念ながらこの病気に感染しますと治療することができません。そのためにこれを発見しましたら他の株への感染拡大を防ぐために、発病した株を抜き取り徹底的に焼却してウイルスを退治する以外にありません。何と言っても厄介者のアブラムシを薬剤の使用による早めの退治が大切になります。
もう少しお話ししますと、モザイク病の症状が診られない健全な苗や鉢植えを購入することに始まります。当たり前のことですがこれが中々できないのです。この延長で病気に罹った株の球根を植えたり、株分けや接ぎ木、さし木を行ったりしますと確実にモザイク病がでますのでこれは絶対に避けましょう。アブラムシなどの寄生を未然に防ぐためは虫の発生前に、寒冷紗などを用いて植物を覆ったりさらに銀色系のマルチシートなどでマルチングしたりしましょう。
種を秋にまく野菜や草花などは、その種のまき時期をずらしますと発病を少しでも遅らせることができます。発病した株と分かったならば、すぐに病変したところを抜き取って焼却処分などをして周辺への伝染と蔓延を防ぎましょう。
繰り返しになりますが、現状ではモザイク病を駆除できる薬剤は見つかっていません。薬剤とうまく付き合いながらアブラムシを駆除するための格闘がまた始まります。これにより地道に植生を維持することが何よりも大切になります。