キンレンカが日本に入ってきたのは江戸時代からと古く、長年観賞用として親しまれてきた植物です。シーズン中はホームセンターでも販売されていますので手に入りやすく、背丈の低いことから寄せ植えとしても多く用いられています。
ハーブの一種で食用としても用いられている花ですので、正しい育て方を覚えて、観賞用としてだけでなく料理にも活用させてみてはいかがでしょうか。
今回は、キンレンカの正しい育て方についてご紹介していこうと思います。
Contents
キンレンカの特徴
キンレンカは、コンパニオンプランツともよばれ、背丈が低いため寄せ植えとして用いられます。つる性の植物で横に広がって成長するという特徴を持っています。
春に種を植えると夏に開花しますが、キンレンカは高温と湿気に弱いため途中で枯れてしまう場合があります。花を長く楽しむためには、種植えの時期をずらして植えた方がよいでしょう。
キンレンカはナスタチウムともよばれ、種類によっては20㎝程度までの高さになる種類もあります。まるい葉っぱが特徴で蓮の葉によく似ており、金色の花を咲かせるため、「金蓮花」という漢字を書くようになりましたが、実際にはオレンジや黄色の鮮やかな花色が特徴です。
キンレンカの種植え
キンレンカは通常種から育てます。キンレンカの種植え時期は、春から夏の初旬にかけて行います。種まき時期は3月下旬から4月中旬に行いますが、高温多湿に弱いため、種まき時期をずらして2月下旬頃を目安に、早めに種まきすると良いでしょう。
ただし、雪が降るような寒い地域にお住まいの方は、種まき時期をずらすとしても5月から6月頃に種まきして下さい。5月から6月を目安に種まきをしておくと、だいたい夏から秋にかけてきれいな花を楽しむことができます。まず適度な大きさの鉢かプランターを用意して、等間隔に種をまきます。
キンレンカの花は、横に広がって成長しますので、だいたい30㎝程度離して種を植えましょう。キンレンカは気温が 15℃から20 ℃前後で発芽します。種から植えるにはまず一晩種を水につけてから植えますが、キンレンカの種は光を嫌うため、種を植えた後は上から土を 1センチ程度かぶせてください。
気温にもよりますが発芽するために必要な日数は1週間程度となります。発芽するまでは土が乾かないよう注意して水やりを忘れないよう注意して下さい。
キンレンカの日当たりと置き場所
キンレンカは水はけの良い土を好み日当たりの良い場所で育てますが、あまり気温が高いと枯れてしまいますので、真夏は葉が焼けてしまわないよう風通しの良い半日陰に移して下さい。
また寒さにも弱いため、秋に種植えをした場合は、暖かい室内に移動させてあげましょう。室内で育てる場合は日当たりの良い場所は選んでください。
キンレンカの用土
キンレンカは水はけのよい土を好みます。ですがあまり肥料を与えすぎるとかえって花が咲きにくくなりますので、効き目の緩い化成肥料を土に混ぜておきましょう。
肥料は、2月または3〜4月頃に植えたものであれば花が咲く6月から4月頃、夏に植えたものであれば9月から10月頃に1週間から2週間に1回程度液体肥料を与えて下さい。
キンレンカの水やり
キンレンカは発芽するまでは土が乾かないよう水を与えて下さい。水を与えすぎたり湿度の高いお部屋で育てると、茎が細く不格好に育ちますのであまり水を与えすぎないよう注意して下さい。
地植えにする場合は特に水やりに注意する必要はありません。鉢植えにして育てる場合は、土が乾いてから水を与えるようにしましょう。
キンレンカは、どちらかというと乾燥に強い花ですので、こまめに土をチェックして鉢植えの土の表面が乾いてから水を与えて下さい。
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キンレンカの摘芯の仕方
枯れた花は早めに摘み取っておきましょう。枯れた花をそのままにしておくと、栄養分が吸い取られてしまいます。こまめに枯れた花を摘みとっておくことで、長く花を楽しむことができます。
また、葉が4枚から6枚程度育ったら、一番上の芽を手で摘み取ります。摘み取った部分から新しく脇芽がでてきますので、花がよく育ちボリュームがでて美しく育ちます。
キンレンカの増やし方
キンレンカは種をとって増やすこともできます。キンレンカは花が終わった後に種を戻します。
販売されているキンレンカの種は問題ありませんが、育てたキンレンカから種をとって増やす場合には、種を水につけて薄皮をむいてから種まきをして下さい。
薄皮が付いたまま植えると、発芽しにくくなります。種は多めに植えておき、ある程度育ってから元気のないものを間引いておくと、上手に育てることができます。
挿し木の方法
キンレンカは挿し木にして増やすこともできます。キンレンカを挿し木にするには6月ごろに行いましょう。
- キンレンカの茎を、だいたい5㎝から10㎝程度を目安にして切り取ります。
- 切り取った茎の先端に付いている葉を2枚から3枚ほど残しておき、後は取り除いておきます。
- 挿し木用の鉢の中に赤球土を入れておき、その中に挿し木にする茎を挿します。
だいたい1週間程度で根が育ち始めますので、十分に根が張っているのを確認してから植え替えしてください。
キンレンカの病害虫
キンレンカは花が枯れた後そのままにしておくと、病気や害虫がつきやすくなります。花が終わった後はなるべく早目に取り除いておいてください。
また、高温多湿な環境では病気や害虫に侵されやすくなりますので、虫が付いていないか病気にかかっていないかをチェックしましょう。それでは次に、キンレンカが侵されやすい病害虫について説明します。
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ハダニ
ハダニはキンレンカにもつきやすい害虫です。主に葉の裏に寄生していますので、葉を裏返してみてハダニが付いているのを見つけたら、水をかけて取り除いてください。
あらかじめ水をかけておくことにより、ハダニがつきにくくなりますが、あまり水をかけ過ぎるとはダニに食害される前に枯れてしまうことがあります。霧吹きなどで水を吹きかけて、風通しの良い場所に置くようにして下さい。
ハモグリバエ
葉の表面に白い模様が現れると、ハモグリバエの幼虫が寄生している証拠です。その場合は、模様が付いた葉を取り除くか、ハモグリバエの幼虫を見つけて取り除きましょう。
ハモグリバエは日中土に潜り込んでいますので、土を掘り返さなければいけません。
立ち枯れ病
立ち枯れ病はいろいろなる植物がかかりやすい病気です。この病気は高温多湿な環境で発生しやすい病気です。立ち枯れ病にかかってしまった場合は、その部分を取り除き、土も取り換える必要があります。
立ち枯れ病を防ぐには、切り戻しを行って風通しを良くしてあげる必要があります。また、窒素を多く含む肥料はなるべく使わないようにしましょう。
切り戻しを行うには
切り戻しは7月頃におこないます。まずキンレンカの茎の高さを半分程度に切り、切り戻しを行うことによって秋頃にもう一度きれいな花を咲かせます。
病気を防ぐためにも切り戻しを行った方がよいでしょう。
キンレンカの活用方法
キンレンカの花や葉は、料理に利用することができます。味はクレソンによく似ていて、少し辛みがあり、サラダや肉料理の付け合わせや飾り付けとしても用いられます。
キンレンカの花や葉にはミネラルが多く含まれており、ビタミンCも豊富ため美白効果や美肌に役立ちます。そのほか、消化機能を改善させる効果もありますので、胃腸が弱りやすい夏場にうってつけです。
キンレンカの育て方のポイント
秋に種まきを行った場合、冬越しをしましょう。キンレンカは暑さに加えて寒さにも弱いため、気温が5℃を下回らないよう注意して下さい。
また、日当たりの良い場所で育て、霜が当たらない場所を選び、冷たい風にさらされることがない室内に移してあげましょう。
お料理にもおすすめ!キンレンカを育てて美肌を手に入れよう
いかがでしたか。今回はキンレンカの育て方について紹介しました。
キンレンカは寄せ植えに多く用いられる花ですが、寄せ植えにはハーブやペチュニアなどと合わせて育てるのがおすすめです。また、食用にも用いられることがあるキンレンカですので、トマトなどほかの野菜と育てるのも良いでしょう。
キンレンカの花や葉には体に良い成分が豊富に含まれていますので、花を楽しむだけではなく、ぜひ料理にも活用してみてください。