夏に植える野菜

ケールの種まき〜収穫までの育て方!栽培時期や病害虫の対策など!

ケールの種まき〜収穫までの育て方!栽培時期や病害虫の対策など!

ケールは地中海沿岸が原産のアブラナ科アブラナ属の二年草で、わが国へは江戸時代に導入され、和名では「はごろもかんらん(羽衣甘藍)」「りょくようかんらん(緑葉甘藍)」と呼ばれています。

新たなと言っても国内で栽培されていなかっただけであちらの地場野菜であり、結球しないキャベツ系青菜と言った感じの物なので、青汁の原料を必要とする場合以外は、その手の品種を栽培した方が使い勝手が良さそうな気もします。

今回は、そんなケールの育て方について、ご紹介していこうと思います。

ケールの栽培時期と育成条件

ケールの栽培時期と育成条件

 

ケールの育成条件
  • 日当たり:日なた
  • 土壌酸度:中性〜弱酸性
  • 生育適温:15℃〜20℃

ケールの植えつけ場所の準備

ケールの植えつけ場所の準備

アブラナ科の植物を栽培した土壌では、連作障害による根こぶ病や萎黄病などを発症しやすくなりますので避けて下さい。

また、同様にケールを栽培した土壌でアブラナ科の植物を栽培するのもNGです。少なくとも1年〜2年は間隔を開けましょう。株間40〜45cmを要する大型の野菜なので、それなりのスペースの確保が必要となります。

今回は歩留まりが悪い直播きではなく、別途、育苗を行い苗を畑や大型プランターやコンテナなどに移植する方法を採る事にします。

育苗と並行して畑の準備を行っておきましょう。

  1. 畑に関しては、酸性土壌に弱いので、植えつけの4週間くらい前までに石灰を施し良く耕しておきます。
  2. 畝の真ん中に深さ20〜30cmの溝を掘り、堆肥と油かす、化成肥料を入れて埋め戻し、最低1週間は馴染ませます。畝の寸法は幅90cm、高さ10cm程度が理想です。

これらの作業は、とにかく石灰や肥料を土に馴染ませておく事がポイントなので、多少、前倒しになる分には問題ありません。

天候の良い時にでも暇を見繕って作業をしておきましょう。

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ケールの植えつけ

ケールの植えつけ
  1. 育苗ポットや播種箱などに市販のタネまき用土を入れ、タネを4〜5粒ずつを播きます。
    覆土はタネが隠れる程度に薄く乗せる、まさに「覆う」感じです。
  2. たっぷり水を与え、乾かないように発芽までは新聞紙などをかけておきます。
  3. 発芽が揃ったら、3本に間引き、本葉が1〜2枚のころには1本立てへと、徐々に整理していきます。
  4. 本葉が5〜6枚になるまでが育苗段階です。育苗と並行する形で畑の準備が整っている筈です。
  5. 本葉5〜6枚に育った苗を株間40〜45cmくらいで植えつけます。その際、根鉢は崩さないように注意して下さい。
  6. 植えつけの後にたっぷりと水を与えて、植えつけ作業の完了です。

なお、先にキャベツに準じた考え方でと書きましたが、防虫に関しての対策は全く同じです。作業中に庭先を優雅に舞う蝶を見て「あぁ、春が来たねぇ…」などと癒やされている場合ではありません。

蝶(幼虫のアオムシ)にとってもアブラナ科の葉物野菜は大好物なので、アオムシによる食害であっと言う間に壊滅する事もあります。植えつけと同時に防虫ネットをかけましょう。

ネットと支柱類がセットになった「防虫トンネルセット」なども市販されていますので、規模に適応したサイズを選んで導入して下さい。

ケールの水やり

ケールの水やり

地植えの場合、基本的に降雨による給水で賄いますが、地質によって大きく異なるので、乾燥が激しいと判断した時にはたっぷりと潅水して下さい。

プランターなどの場合は、よりこまめに観察して、乾燥気味の時には底穴から流れ出るまで大量に潅水して下さい。

乾燥し過ぎると葉が痛みやすくなるので、日頃のチェックを怠らないようにしましょう。

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ケールの肥料

良質なケールを収穫するためには追肥が欠かせません。具体的な追肥の開始時期は、定植後根が充分張り本葉が10枚くらいになった頃成長して葉の収穫を開始する頃と考えておけば正解です。

前記の畝立てした畑の場合、畝の両側に葉物野菜用の化成肥料を施して土寄せします。プランターなどの場合は、葉物野菜用の液体肥料なども利用すると良いでしょう。もちろん、地植えの場合にも液体肥料を併用しても構いません。

特に、乾燥・根痛み・肥切れ等で弱ると葉が痛みやすくなるので、追肥を充分与えるように心掛けて下さい。適宜、生育状況を見ながら定期的な施肥する事が大切です。

ケールの収穫

ケールの収穫

キャベツとは異なり、株ごとではなく生育の良い葉から摘み取って収穫していきます。

また、新しい系統のケールでサラダなどに用いる場合には、他の葉物野菜と同様、あまり生育し過ぎて硬くなっても食味が落ちるので、適宜判断して収穫するようにして下さい。

ケールの病害虫

べと病・灰色かび病など

キャベツと同様にべと病や灰色かび病などの病気が発生します。

べと病は、湿度の高い時期に密植し過ぎた場所に多発します。灰色かび病は、低温多湿を好むので、春先〜梅雨、秋口〜冬の初めなどの、湿度の高い、雨が多くて日照が不足しがちな時期に多く発生します。

いずれも、植えつけ時に株間を充分に確保する事と通風を良くする事で予防します。

発生してしまったら、早い段階で異常のある葉を除去し、有機JAS規格(オーガニック栽培)で使用可能な薬剤を使用すると良いでしょう。べと病には「サンボルドー」、灰色かび病には「カリグリーン」を噴霧して殺菌を行って下さい。

とにかく予防する事が第一ですが、それでも発生してしまった場合には、初期段階で進行を食い止める事が重要なので、日頃から観察を怠らないようにしましょう。

アブラムシ・アオムシなど

アブラムシ

主な害虫もキャベツと同様、アブラムシ類やシンクイムシ類、アオムシ、コナガなどが発生します。

いずれも、植えつけの段階で必要性について記述した「防虫トンネル」を設置すれば飛来を防止できるので、大量発生して手に負えなくなるリスクはかなり低く抑えられるでしょう。

それでも、例えば作業後のネットのかけ忘れ(結構あります)など、何かの手違いで害虫が大量発生して手に負えなくなってしまったら、こちらも有機JAS規格(オーガニック栽培)で使用可能な殺虫剤である「パイベニカVスプレー」などを使用すると良いでしょう。

無論、薬剤を使わず捕殺可能なのであればそれに越したことはありませんが…。

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ケールの豆知識

ケールの豆知識

「甘藍」と言えばキャベツの和名ですが、貝原益軒が1709年(宝永6年)に出版した『大和本草』には「オランダナ(紅夷菘)」として紹介している物は、結球しない古い品種のキャベツ、またはケールが主に観賞用として栽培されるうち、品種改良されたと見られる「ハボタン(葉牡丹)」とされている事から、キャベツより先にケール系統の品種が渡来したものと思われます。

そんな近縁品種なので、栽培上のポイントなどに関しても、ほぼキャベツに準じた考え方で対応する事が可能です。

また、第一次青汁ブームの際、「あ〜まずい〜!もう1杯」のCMで一躍有名になった原料と言う事でケールを知った方も多いかと思いますが、最近では、同じケールでも青汁用途の物とは異なり、強烈な青臭の無い「カリーノ・ケール」や「ケール・カーボロネロ(黒キャベツ)」など、イタリア原産の新たなケールが市場に出回り始めています。

以前はイタリア料理店などからの受託生産が主だったのですが、次第に高級スーパーなどの店頭にも見かける事が増え、サラダなどの生食用などにも使用する物も多く注目を集めているようです。

おわりに

ケールと言えば、やはり最初にふれた悪役商会・八名信夫氏のCMのインパクトが強過ぎて、また、時には罰ゲームに用いられたりと、青臭くて不味い葉物の代名詞みたいな不遇な時代が続いてしまいましたが、徐々にではありますが変化しています。

大手種苗メーカーからも「甘く、おいしく、作りやすい!」なんてコンセプトの生食用や、料理の彩りに向く赤い色のケールなども一般向けに市販されています。キャベツよりは手がかからないケールを栽培してみてはいかがでしょうか?

以上、ケールの育て方をまとめてみました。