冬に植える花

クリスマスローズの育て方!栽培時期や剪定方法・増やし方もご紹介!

クリスマスローズの育て方!栽培時期や剪定方法・増やし方もご紹介!

ここ10年くらいで冬枯れのシーズンの定番栽培品種となった感のあるクリスマスローズ。

モノによってはアネモネやイチリンソウ、雪割草などと似ている形状のその「花」から想像できる通りにキンポウゲ科の耐寒性多年(宿根)草で、クリスマスローズ(ヘレボルス)属に分類される植物です。

今回は、クリスマスローズの育て方について、ご紹介していこうと思います。

クリスマスローズの栽培時期と育成条件

クリスマスローズの栽培時期と育成条件

 

クリスマスローズの育成条件
  • 日当たり:半日陰
  • 土壌酸度:中性〜弱酸性
  • 開花時期:12月〜5月頃(品種や環境により異なります)

クリスマスローズの流通形態

クリスマスローズの流通形態

ポット苗には成長度合いで3つ苗の種類で2つのバリエーションが存在するので初心者が購入する際には注意が必要です。

「開花株」「開花見込み株」「小苗」の違いとは?

  • 開花株:開花時期に合わせて12月頃から春先まで出回るのは鉢植えと同様です。主に3年生株で5〜6号程度の大きいポットです。
  • 開花見込み株:「開花株」の出荷を前倒しした物と考えれば良いでしょう。従って、流通時期も数ヶ月ほど早めです。こちらも成長が進んでいる物なので5〜6号程度の大きいポットです。
  • 小苗(2〜3号ポットの苗):入手後1年以上育ててからでないと開花しない2年生の苗になります。「開花株」や「開花見込み株」と比べるとかなり安価ですが、いかにも苗と言った感じで見た目も貧弱です。

10月頃から流通するので「ここからグングン育って来春にはキレイな花を咲かせるのか」などと勘違いしてはダメです。購入したシーズンには咲きません

例えば、「クリスマスローズを植えて寂しかった冬の庭を一気にイメチェン!」などと言う目論見がある場合は、迷わず「開花株」や「開花見込み株」を購入しましょう。

「実生苗」と「メリクロン苗」に注意!

さらに、苗の種類に関して入手の上で注意しなければならない点は、「実生苗」と「メリクロン苗」の違いです。

実生苗

クリスマスローズは、多様な特性を持つ品種を交配させているため、その種子から育った「実生苗」では親株と同じ花は咲きません

「実生苗」のハズレを避けるには、結局は「開花株」で実物を確認してから購入するしかないのです。

でも、大手種苗メーカーのカタログなどには「来年以降の開花」の「小苗」なのに、細かく花の特徴を表記してある商品がたくさん掲載されているけれど…
それが「メリクロン苗」なのです。

メリクロン苗

「メリクロン苗」とは、メリステム(meristem)とクローン (clone) をつなぎ合わせた造語で「茎頂培養」によって生産された苗の事で、早い話が親株のクローンなので親株と同じ花が咲くわけです。

どんな形態の物を入手するのが最適なのかを考えてから購入しましょう。

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クリスマスローズの植えつけ場所の準備

クリスマスローズの植えつけ場所の準備

地植えの場合には、冬から春の開花期には日光が良く当たり開花後から夏の間は日陰か、木もれ日程度の明るい半日陰になる落葉樹の木陰などがベストですが、建物の東側などの半日陰になるスペースなどでも良いでしょう。

とは言っても、寒い時期に居間などから見える場所に咲いていて欲しいですから、理想的な環境の場所を確保するのは頭を悩ますところです。

適切な環境が見つからない場合には、鉢植えにして季節毎に移動させる方法を考慮するのも良いかと思います。6号程度の鉢で、培養土には市販されているクリスマスローズ用の専用培養土を使えば簡単ですし。

基本的にクリスマスローズは性質が強いので(一部の品種を除きます)、時間をかけてじっくりと育てれば、幅広い日照条件のもとで開花は可能です。何年も植えっ放しで毎年花を咲かせてくれますが、それには、最初の土づくりをしっかり行う必要があります。

なお、半日陰でも水はけが良い事が大切なので、年中じめじめと湿気ったような場所はNGです。また、根が深く張れるような柔らかい土壌も必要です。

植えつけの1ヶ月位前までに、最低でも30cmの深さまで良く耕して、軽くひとつかみほど苦土石灰を混ぜておきます。さらに、腐葉土や緩効性の元肥なども入れてフカフカの土壌を事前に用意して植えつけに備えましょう。

クリスマスローズの植えつけ

クリスマスローズの植えつけ

前記した通り、クリスマスローズには毒があります。樹液には空気に触れてプロトアネモニンに変化する成分が含まれ、皮膚につくと炎症やただれを引き起こしますので、作業時には必ずゴム手袋などを使用して下さい!

適期は10〜11月と3〜4月で、庭植えの場合、寒地でなければ冬の間も植えつけも可能です。ポットから抜いたら、根鉢の底と側面を3分の1くらいの見当で崩して、傷んだ根が見当たれば切り取ってから植えつけます。

なお、深植えは禁物で、芽の部分が地表スレスレか少し上に出るようにしておき、土が被らないようにします

植えつけ後、根元をバークチップなどでマルチングをしておくと、雨水の跳ね返りによる病気を予防する効果もあり、また、根の張りが良く生育が促進されます。小苗の場合には、鉢で1年育成してから植えつけた方が良いでしょう。

鉢植えの場合も同様に処理をしてから、クリスマスローズ用専用培養土を使用して植えつけます。その手の専用培養土には、あらかじめ元肥なども配合されているので別途準備も不要です。

クリスマスローズの水やり

クリスマスローズの水やり

水やりは基本通りの「乾いたらたっぷり」です。

庭植えではほとんど不要で、鉢植えでは発蕾開花期は乾燥しないよう充分に、開花後の過湿は禁物です。

クリスマスローズの肥料

肥料は秋から春の生長期に与え、夏の高温期には肥料分が残らないようにします。

クリスマスローズの生育はゆっくりなので、肥料過多にならないように注意します。

粒状肥料のばら撒きや液体肥料、錠剤型肥料などがあるのでお好みの方法で施肥して下さい。

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クリスマスローズの剪定

クリスマスローズの剪定

クリスマスローズはほとんどが常緑性で1年中葉が茂っていますが、毎年新しい葉に入れ替わります

古い葉は切りとった方が新葉の展開も良いので、11〜12月に葉色の薄くなった葉を整理します。ただし、逆に夏場に剪定すると新葉が展開してしまい株を衰弱させる原因となります。

花も色褪せてきたら、余分なタネをつけさせないためにも、花茎を元から切りとって下さい。

クリスマスローズの植え替えと増やし方

地植えの場合は植え替えなどは一切不要です。鉢植えの場合には、鉢が小さいと感じるほど成長したら、大きめの鉢に植え替えてやって下さい。植え替え方法は、植えつけ時と同様です。

実生発芽から健康に育って7〜8年程度を経た株の中心部が板根化した株は株分けにより増やせますし、株を若返りさせる効果もありますが、若い株の場合には生育が悪くなるだけなのでオススメしません。

5〜6月に熟したタネを採取して乾燥させないように秋まで保存して、9月下旬の頃〜10月中旬に播きます。4号ポットに15粒前後の播種で1cm弱ほど覆土で良いでしょう。

全ての種子が発芽するまで4〜5ヶ月以上かかりますので、その間、雨や強風、直射日光の当たらない場所にポットを置き、発芽が始まる1月頃までは霧吹きをして用土の乾燥や加湿に充分注意を払い、3週に1回は殺菌剤を散布して土の表面や鉢を消毒して下さい。

クリスマスローズの病害虫

クリスマスローズの病害虫

クリスマスローズが罹る病気の中で最も恐ろしいのが「ブラックデス(黒死病)」です。10月頃や春から初夏にかけての開花時期が要注意です。

症状は、新葉の葉脈や花、茎の脈に沿って黒いコールタールを筋状に塗ったようになり葉に撚れが生じます。この病気の予防方法や治療方法は皆無で、罹ってしまったら最後、感染力も強力なので抜去し破棄するか焼却をするしかありません

伝染の経路は「アザミウマ」や「アブラムシ」「ハダニ」など植物を吸汁する害虫が、口針で葉や花の汁を吸う時にウィルスを伝播させると考えられていますので、クリスマスローズの周囲にそれらの害虫を繁殖させる不必要な植物や雑草を生えさせない事が最大の防御になります。

他に「べと病」や「灰色かび病」などの低温時の過湿を避ける事で予防可能な一般的なもので、それぞれに有効な薬剤もあるので対処可能です。

害虫の駆除に関しては、殺虫殺菌剤である「ベニカXファインスプレー」を用意しておくと、「灰色かび病」に対しても効果があるので良いでしょう。

クリスマスローズについての補足

クリスマスローズについての補足

クリスマスローズは、「花」と言っても他のキンポウゲ科の植物の多くと同様、植物学上では「花」ではなく「萼片」と呼ばれる部分であるため、比較的長い期間に渡り鑑賞に耐え得る状態で開花し続けます。

クリスマスローズの原産地は、ヨーロッパ〜コーカサス、中国西部などで、20世紀後半、主にイギリスで盛んに品種改良を行われた事で世界的な大流行となりました。

厳密な分類では「ヘレボルス・ニゲル」種のみが「クリスマスローズ」なのですが、特に日本では「レンテンローズ(別名:ハルサキクリスマスローズ)」に分類される「ヘレボルス・オリエンタリス」種も含めて「クリスマスローズ」として流通しているので、一層、春咲きの傾向が強くなっいます。「寒芍薬(カンシャクヤク)」なんて和名もあります。

なお、クリスマスローズは有毒植物です。品種によって成分や含有量は異なりますが、根や茎、葉などにサポニン、ヘレブリン、プロトアネモニンなどが含まれています。

歴史書にも古代ギリシャ時代の第一次神聖戦争に関連してヘレボルスの毒の記述があるほどの筋金入りの毒草ですので、子供やペットが触れる可能性のある環境での栽培はオススメしません

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おわりに

「冬の貴婦人」とも評されるクリスマスローズ。

取り扱いには少し神経を使いますし、気長に成長を待つ余裕が必要ですが、栽培自体はそれほど難しくないのでチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

以上、クリスマスローズの育て方をまとめてみました。