リラックスできる香りで人気の高いラベンダーを庭で育ててみたいと思ったことはありませんか?
鮮やかな紫色の花は、素敵な香りで心まで安らかな気持ちにさせてくれます。花を摘み取ってドライフラワーとして長く楽しむこともできるのがラベンダーです。
鉢植えでも育てることができ、乾燥した土を好むので水やりも少なくて済み、育てるのもそんなに難しくはないので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
Contents
ラベンダーの栽培時期と育成条件
栽培環境:日当たりと風通しの良いところ
土壌条件:酸性土壌は×。パーライトまたは日向土小粒などを1~2割混合し、苦土石灰やもみ殻くん炭などを加える。水はけを良くしておく。
栽培適温:基本的に寒さに強いが、品種によって栽培温度帯に違いがある(例:イングリッシュラベンダーは高温多湿に弱く、北海道など寒い地域向き。フレンチラベンダーは平地の気候でも比較的育てやすい。)
栽培時期:3~4月に種まきや挿し木を行う。
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ラベンダーの定植適期
ラベンダーの植え替えを行う時期に最も適しているのは、桜の咲くころです。ラベンダーは桜が咲く季節になると新芽を伸ばし始め、成長が活発になります。根の成長もよくなる時期なので、植え替えによるダメージを受けにくいため、3月末から4月の桜の咲くころを目安に行うようにします。
他の季節に行うと、根が傷んでしまい、定植がうまくいかないために枯れてしまうことがあります。ラベンダーの植え替えは、必ず桜の咲くころに行うようにしましょう。植え替えた後になかなか元気が出ない場合は、風通しがよくなるように剪定をすることも必要です。
土づくりと肥料
ラベンダーは弱酸性から中性の土壌が最も適していると言われています。水はけがよいことも大切なので火山れき(日高砂・桐生砂など)を8割、ビートモスを2割を混ぜ合わせておくとよいでしょう。植え替え時に使用する肥料は、リン酸分多めの緩効性化成肥料です。
肥料は、基本はこの植え替え時に与える形ですが、9月~10月ごろに1度追肥をしてあげておくと安心です。
鉢植えの場合
鉢植えの場合は、植え替えを行ったら、1週間くらいは明るい日陰で成長を見守り、その後日当たりの良い場所に移動させるようにします。また、株の成長に合わせて、鉢の大きさを大きくしていく必要があります。
鉢植えにしたラベンダーは、毎年桜の咲く時期に大きな鉢に植え替えを行うことで、さらに大きな株へと成長していきます。
ラベンダーの水やり
水やりは基本的に朝行うようにします。土が乾いている、葉が少し垂れ下がっているというタイミングでたっぷりと水やりを行うようにするとよいでしょう。ラベンダーは乾いている土を好む傾向にありますが、開花中は水切れさせないようにすることが大切です。
鉢植えで育てている場合は、梅雨の時期など雨が続くようなときは、軒下に移動させて土が乾く状況を作ってあげることも大切です。適度な乾燥がラベンダーにとっては大切であることを覚えておくとよいでしょう。
冬はラベンダーは冬眠します。鉢植えの場合は、土が乾いてから行うようにしましょう。鉢植えの場合は、霜が直接当たらない場所で寒さのある軒下での管理がおすすめです。
ラベンダーの栽培管理
花穂の切り落とし
花穂が満開になる前に行う大切な作業が花穂の切り落としです。
開花時期が梅雨の時期と重なってしまうために、ラベンダーの花がダメージを受けやすく、枯れてしまうことがあるために、株の負担を軽減するという目的も兼ねて花穂を切り落としていきます。
ラベンダーの香りを楽しむためにドライフラワーにする場合は、2~3分咲の時がおすすめです。カットする場所は、花穂から2節ほど下の部分を目安に行ってください。
ラベンダーの剪定
風通しが悪くなってしまうと蒸れて、変色を起こしてしまったり枯れてしまうことがあるため、株内部の風通しをよくするためにも枯れた枝を取り除いたり、枯葉を手で擦るようにして落としておきましょう。
この剪定は、ラベンダーの花の収穫にもあたる花穂の切り落としをしたときに、行うようにするのが一般的です。切り落としを行わずにそのまま楽しんだ花も枯れてしまったら、すぐに株全体がおわん型になるようなイメージで刈り取ってください。
冬になる前に行う剪定
花が終わった後に、一度剪定を行っていますが、秋から冬にかけても枝は伸び続けます。翌年に多くの花をつけたい場合は、新芽の剪定を行い、脇芽を残すようにして高さをそろえてカットします。
脇芽を残さないと翌年新芽が出なくなってしまうために必ず脇芽を残すようにします。また、新芽の剪定を行うことで高さが出ないように管理することで強い風で倒れてしまうことを防ぐという目的もあります。
こんな時はどうするの?
まず覚えておきたいのは、ラベンダーは常緑樹であるということです。
つまりラベンダーの葉の色が黒や茶色になっている場合は、弱っている証拠だと言えます。
葉が黒くなってしまった
まさしくラベンダーが弱っている状態です。
葉が黒くなる原因は、蒸れによるものだと考えられます。暑い時期の水やりを日中に行ってしまうと湿度が高くなってしまいます。夏場は特に水やりの時間帯に気を付けるようにします。できる限り朝早い時間に行うようにすることで対処できます。
鉢植えの場合は、風通しのよい軒下に移動させ水分量をうまくコントロールするようにしてください。
葉が黄色くなってしまう
ラベンダーを育てるうえで大切なのは適度な乾燥です。しかしこの乾燥を好む害虫もいます。葉が黄色くなっている場合は、乾燥を好むハダニが原因です。大量の水をかけて洗い流すか、薄めた牛乳をスプレーするとハダニは死にます。
ハダニを見かけたらはやめに対処するようにしましょう。4月から5月にかけてはこのハダニとアブラムシの被害が出やすい時期なので気を付けるようにしましょう。
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ラベンダーの増やし方
ラベンダーを増やすには「種から育てる」「挿し木で育てる」の2つの方法があります。
種から育てる
3月~4月にラベンダーの種をまきます。ラベンダーは種皮がとても硬いため、どうしても発芽までに時間がかかってしまいます。目安として2週間ほどですが、その間は土が乾かないように水やりをしたりととても大変です。
芽が出た後も、花が咲くまでには2年ほどかかってしまいます。手間がかかるだけでなく、育ち方にもばらつきが出やすいため、初心者にはおススメできない方法です。
挿し木で育てる
3月~4月ごろ桜が咲く時期を目安に芽から10cmほどの位置を斜めに切り落とし、下から5cmほどの葉を全部取り除いてから、一晩ほど水揚げを行います。
赤土などに植え付けるようにしましょう。
おすすめのラベンダーの品種
イングリッシュラベンダー(真正ラベンダー)
ラベンダーの精油にも使われることの多いイングリッシュラベンダーは、上質な香りでとても人気があります。
高温多湿に弱い品種なので平地での栽培には不向きですが、北海道など涼しい地域で高地栽培が可能な方にはおすすめです。
フレンチラベンダー
暑さに強いことから、平地でも育てやすく、ラベンダー初心者の人にぴったりの品種です。
ただラベンダーらしく、高温多湿は苦手です。
ラバンディン系のラベンダー
グロッソなどラバンディン系のラベンダーも暑さに強いのでおすすめです。花穂が長く、香りも強いのでドライフラワーにして楽しみたい人にぴったりの品種です。
肥料は、窒素分が多いと枯れやすいので、控えめに与えるようにします。
おわりに:ラベンダーをドライフラワーに
ラベンダーは、寒いところでしか育たないと思っている人もいるかもしれませんが、品種を選べば、平地でも普通に育てられます。ラベンダーは見て楽しむだけでなく、香りも楽しめます。
自分の育てたラベンダーで、ドライフラワーを作ってみるのもとても楽しいですよ。まずは、鉢植えからラベンダー栽培を楽しんでみてはいかがでしょうか。