春に植える野菜

パクチーの種まき〜収穫までの育て方!栽培時期や病害虫の対策など

パクチーの種まき〜収穫までの育て方!栽培時期や病害虫の対策など

最近ではパクチーと呼ばれる事の方が多くなっているコリアンダーは、タイやベトナムなどのエスニック料理に使われる印象が強いですが、元々は地中海東部原産でかなり古い時代にシルクロード経由でアジアにも持ち込まれた物とされているセリ科コエンドロ属の一年草です。

コエンドロと言うのはコリアンダーの古語的表現で、旧約聖書の出エジプト記や民数記などにもコエンドロに関する記述が見られます。

良く考えると、唐辛子がアジアに入ったのもコロンブス以降の時代なので、山田長政が激辛タイ料理を食べていたのかどうか、ちょうど微妙なところになりますね。

パクチーについて

昔は、わが国ではどちらかと言うと洋食の香辛料として実の方(コリアンダーシード)を利用する事が一般的で、生食用とでは、南方系の中華料理や台湾料理の薬味として、香菜(シャンツァイ)が、俗に「中国パセリ」など呼ばれながら細々と流通していました。

1990年代頃から、本格的なタイ料理やベトナム料理を提供する店が増加すると、その影響で生産量も増え一般的なスーパーなどでも手に入る様になります。トムヤムクンや生春巻きには欠かせませんからね。

ちなみに、パクチーが大好きな人のことを「パクチスト」だとか「パクラー」と呼ぶらしいのですが、本場のタイやベトナムではあくまでも薬味扱いなので、パクチーのみをサラダなどて大量に使用する料理は存在しないそうですよ。

コリアンダー(パクチー)の栽培時期と育成条件

コリアンダー(パクチー)の栽培時期と育成条件

 

コリアンダー(パクチー)の育成条件

  • 日当たり:半日陰
  • 土壌酸度:中性〜弱酸性
  • 発芽適温:20〜25℃
  • 生育適温:18〜25℃

流通形態

タネが主で、まれにポット苗。

ただし、タネで簡単に育ち根の扱いが難しい事から、タネからの栽培をオススメします。

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植えつけ場所の準備

植えつけ場所の準備

酸性が強い土壌以外ならば問題なしです。

地植えにする場合には、植えつけの4週間位前までに1平方米あたり150gの苦土石灰を施して良く耕しておきます。
更に、2週間位前までに完熟堆肥か腐葉土、有機配合肥料を入れておけば良いでしょう。

ただし、葉を生食するハーブ類に共通する事ですが、あまり肥料が効いて逞しく育ち過ぎると、栽培としては成功でも食味に関しては残念な結果になったりするので、適宜加減して下さい。

極端な話、環境が合えば庭先に雑草の様に生やしても大丈夫だったりするので、かなり痩せた土地でもない限りは、肥料に関してそんなに心配する必要もありません。

プランターや鉢などの場合には、汎用の培養土でOKです。
ただし、とにかく水切れには極端に弱いので、深めのプランターを使うのが良いでしょう。
底面給水鉢を利用するのも選択肢のひとつになるかも知れません。

なお、前述した通り、タイやベトナム、台湾など暑い地域の植物と言うイメージが強いので、猛暑は平気みたいに考えてしまいますが、意外にも発芽・生育ともに25℃程度までが適温で耐暑性は弱いです。

地域差もありますが、発芽・生育適温から考えて植え時は3月〜6月上旬頃です。
初夏の収穫を目指す場合には、寒冷紗などを利用しないと栽培が難しくなるかも知れません。

また、温暖な土地であれば9月下旬〜11月頃の秋植えも可能で、むしろそちらの方が生育が遅い分、長期間安定して葉の収穫が行なえます。

耐寒性に関しては、霜害に合わなければ0℃近くまで下がっても平気です。
霜害のおそれがある地域ではトンネル栽培なども検討してみて下さい。

植えつけ

パクチーの植えつけ

直径3〜4mm程度の球状の実「コリアンダーシード」の中にタネが2つ入っています。
板挟みにして軽く力を加えると割れますから、そのまま一晩水に漬けておくと発芽し易くなります。
歩留まりは悪いですが、条件さえ揃うとこぼれた実からも勝手に発芽する位なので、完璧に2つに分離する必要はありません。

3号ポットにタネを4〜5個程度の見当で植え、覆土は薄くタネが隠れる程度にします。
発芽までに10〜14日程度を要しますが、その間、乾かない様に管理して下さい。

本葉が3〜4枚の頃に、間引いて1本立てにしてから植えつけます。
なお、根を傷めると枯死するので、植えつけの際に根鉢を崩さない様にして下さい。
株間は10〜20cmの間隔が良いとされています。

私見ですが、プランターや鉢などの場合には、上記と準じた方法で直播きしても差し支えないと思います。
更に秋植えで葉の生食を主に考えた場合、アブラムシもつきにくいので株間を空けず密植して成長を阻害した方が、柔らかい葉の収穫期間が長くなる様に感じます。
詳細なデータを採ったわけでもない単なる感覚的な物なので当てにはなりませんし、葉に含まれると言うL-アスコルビン酸(ビタミンC)やβカロテン、ビタミンB1、B2、Eといった栄養素が減っているかも知れませんが…。

水やり

パクチーの水やり

繰り返しになりますが、とにかく水切れには弱いです。
うっかり水やりを忘れてクタっとさせてしまったら8割方回復しないと思って下さい。

特に春植えのプランターや鉢などの場合には、20℃以上の気温になって来たら、朝夕に水やりをした方が良いでしょう。
地植えにした場合にも、こまめに観察して乾いていると思ったら、徹底的に灌水して下さい。

肥料

葉物野菜用の液肥などを月1回以下のペースで与えます。

元肥と同様、控え目の施肥で充分です。

パクチーの収穫

パクチーの収穫

他の生葉を食用とする植物と同様、花茎が立つと葉が硬くなって食味が落ちてしまいます。
植えつけから収穫までの目途は、気温などの条件にもよりますが50〜60日程度です。
どんどん若い葉を摘んで使いましょう。生食の他に、玉ねぎと合わせてかき揚げ風にして塩で食べるのもちょっとイケます。

花茎が立ったら、そろそろ栽培のゴールが見えて来ました。花後、実が茶色く色づき始めたら、花茎ごと切り取って乾燥・追熟させます。

この「コリアンダーシード」がなかなかの優れ物で、例えば、ミートソースやカレーの下ごしらえで玉ねぎを炒める際にペッパーミルなどで粉にして加えると風味が増します。
特に日本郵船風のドライカレーなんて良いんじゃないですかね。

香辛料扱いになっていますが辛味は無く、葉とは全く違った柑橘系っぽい爽やかな香りなので、マリネや菓子の風味付け、ハーブティーにも利用されています。

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パクチーの増やし方

株分けなどの増やし方はありません。

「コリアンダーシード」の収穫でふりだしに戻ったと言う事で、植えつけからの再スタートになります。

パクチーの病害虫

病気の心配はほとんど無用です。

害虫は時期によりアブラムシ類が目立つ場合がありますが、初期段階で有機JAS規格(オーガニック栽培)で使用可能な「ベニカマイルドスプレー」などを使って駆除して下さい。

おわりに

春植えだと本葉5〜6枚と言った辺りの段階で、急激な気温上昇と重なってしまうので枯らしてしまう事も多いかと思います。

環境が許すならば、初心者は秋植えから始めた方が無難でしょう。年末年始にも必要に応じて摘んで使うなんて事もできますし…。

コツさえ掴めば、夏と冬の収穫も可能になります。

以上、コリアンダー(パクチー)の育て方をまとめてみました。