春に植える野菜

オクラの種まき〜収穫までの育て方!栽培時期と病害虫の対策

オクラの種まき〜収穫までの育て方!栽培時期と病害虫の対策

オクラはカリウムやカルシウムを豊富に含み、レタスのおよそ3倍以上ものβカロテンが含まれていて、夏バテ解消美容にも役立つネバネバ食材として大人気ですね。

ネバネバの正体もガラクタン、アラバン、ペクチン、といった水溶性の食物繊維で、特にペクチンは整腸作用を促しコレストロールを排出する作用や便秘を防ぎ大腸ガンを予防する効果があると言われています。

庭先などで栽培して、気軽に食卓に加えたいものですね。今回は、そんなオクラの種まき〜収穫までの育て方・栽培時期と病害虫の対策についてお話ししていこうと思います。

オクラの栽培時期と育成条件

オクラの栽培方法・栽培時期
オクラの育成条件
  • 日当たり:日なた
  • 土壌酸度:弱酸性
  • 株間:25〜40cm

オクラはどうやって育てるか?

オクラはどうやって育てるか?

上記の通りオクラを育てるには株間が25〜40cm必要となり、また、それなりの高さに成長しますので、普通に庭先などで栽培する場合は、あまり多くの株数を植えるというわけにもいきません。

更に、後ほど、収穫に関する項目でも触れますが、収穫が遅れると育ち過ぎて固くなり食用に適さなくなってしまうため、それなりの株数に留めておく方が賢明かと思います。

となると、少し手間のかかる種からでは無く、園芸店などで苗を購入して育てる方がロスが少ないかも知れません。
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オクラの種類

オクラの種類

野菜として市販されているオクラはサヤの形が五角で緑色の物が多いですが、丸や八角の物もあります。

丸サヤの代表例は沖縄を中心に栽培されている島オクラで、比較的長くなってから収穫してもやわらかい特徴があります。色も緑、赤、黄色の品種があります。

種苗会社により、様々な品種があるので、そこはお好みで。

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オクラの苗づくり

オクラの苗づくり

種まきから苗づくりの過程は、少しややこしいです。オクラは、アフリカ原産なので暑さには強いのですが、寒さにはかなり弱い植物です。発芽適温は25〜30℃で、地温が低いと発芽不良を起こし10℃以下になるとほとんど発芽しません。ちなみに生育適温も20〜30℃程度となっています。

盛夏期に収穫をする事を考えると、種まきは4〜5月には完了していなければなりません。発芽した後も低温では苗立枯病を発症するので、冷涼地では露地での育苗はオススメしません。

種から栽培する場合、オクラの種は「硬実種子」と言って種皮が硬く給水に時間がかかるため、播種の前日からぬるま湯に浸しておきます。6cmのポリポットに、市販の「種まき培土」などを入れ、1鉢あたり4〜5粒をまき、発芽適温を確保できる場所で管理します。

発芽したら、本葉1枚の段階で1鉢あたり2本に間引きます。育苗15〜20日程度、本葉2〜3枚の段階が定植の適期となります。定植後も低温には弱いので、おおむね15℃以上の最低気温が確保できるタイミングを逆算して、苗づくりをするようにしましょう。

植えつけ

露地でもプランターでも大丈夫ですが、それなりの高さに育つのでプランターの場合は、弱い風でも転倒する…なんて事などが無いように深めの物を選んだ方が良いでしょう。

定植の2週間以上前までに、1平方メートル当たり約150gの苦土石灰を散布して耕します。
1週間前に約3kg化成肥料約100gを施してよく耕します。オクラは給肥力が強く、元肥が多いと草勢が強くなり過ぎて、「いぼ果」や「曲がり果」が発生しやすくなるので注意して下さい。

特に元肥のチッ素分が多いと、実つきが悪くなるので、成分バランスの適した肥料を適量施しましょう。30cm程度の株間を確保して、ポット苗の根鉢を崩さないように定植します。

オクラの開花までの管理

オクラの開花までの管理

オクラは基本的に高温と乾燥には猛烈に強い植物なので、露地植えの場合にはそれほど潅水に気を使う必要はありません

乾燥が激しい場合のみ、たっぷりと水やりします。水やり回数の目安は2〜3日1回程度でかまいません。ただし、プランター植えの場合にはそれなりに水やりをして下さい。強風などによる倒伏防止のため、支柱を立てるのを忘れないようにします。

なお、各種作業や収穫の際、茎や葉、莢の「毛じ(もうじ:毛ですな)」によって、かゆみやかぶれを起こす事があるので手袋は忘れずに着用しましょう。ちょっとした作業だからと横着をすると、いつまでもかゆくて後悔する事になりますので気をつけて。
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オクラの病気と害虫

病気について

病気としては、前記した様に低温時の「苗立枯病」をクリアすれば大丈夫です。

あとは「うどんこ病」程度ですが、これは、風通し良く管理すれば、ほぼ発生を気にする事は無いレベルです。

害虫

アブラムシ

アブラムシに注意!

害虫は、アブラムシが蔓延ると厄介ですので、予防と初期段階での迅速で徹底的な防除を心がけます。他の品種の植物を栽培する際にもほとんどの場合、頭を悩ませるのがアブラムシ対策ですが、薬剤の散布の他に、バジルなどをコンパニオンプランツとして植える方法や、「トルシー」シリーズなどの粘着式の捕虫紙を用いるなど、さまざまな方法があります。

逆に「これをやっておけば万全!」なんて決定打は無いのだと捉えなくてはならないと言う事です。例えば、特定の薬剤に耐性をもつアブラムシなんてのも出てくるわけで、そこら辺は様々な方法を組み合わせたり、薬剤の系統を変えてみたり、臨機応変に対処して行くしかありません。

ハスモンヨトウ

ハスモンヨトウ

主に葉を食害する害虫にハスモンヨトウが知られています。ハスモンヨトウは、ヨトウガに似た蛾で、葉の裏に卵塊状に産卵し、幼虫が猛烈な勢いで葉を食べつくします。漢字で「斜紋夜盗」と書く通り、夜間に活発に食害し昼間は土の中に潜む個体も多いので、「葉は虫食いになっているけれど、虫は鳥にでも食われたのだろう…」などと考えてはいけません。

また、老齢期の幼虫には、ほとんど薬品は効かなくなるので、早い段階で「STゼンターリ顆粒水和剤」などを散布します。「STゼンターリ顆粒水和剤」は、有機JAS規格(オーガニック栽培)対応の薬剤で、バチルス・チューリンゲンシス(BT)菌の持つ殺虫性たん白を鱗翅目(チョウ・ガの仲間)害虫の幼虫が食べると、消化管内で芽胞から発芽したBT菌が体腔の中へ侵入感染し死亡します。BT菌自体は自然界でも広く存在し、特にカイコの病原細菌としても知られています。

ネコブセンチュウ

ネコブセンチュウはいったん発生すると防除できませんので、連作を避ける事で対処します。

ネコブセンチュウが嫌うマリーゴールドをコンパニオンプランツとして植える方法もありますが、変に固執せずに来年はマリーゴールドの咲き乱れる花壇にしてしまうと言うのも良い選択肢かも知れません。

開花から収穫まで

オクラの開花から収穫まで

定植後約1か月位から開花が始まります。開花後収穫までの日数は、6月で7日間、7月で4日間、8月で3日間を目安とする感じです。品種により違いがありますが、莢の長さは五角オクラで7〜8cm、丸オクラで15cm程度が食べ頃です。

特に五角オクラの場合には、収穫が遅れると、莢が固くなりネバネバも失せ「勘弁してよ!」と言う食感になるので、若どりを心がけます。逆に極端に若どりと言う事で、蕾の天ぷらもなかなか乙な味なのでチャンスがあったら試してみて下さい。なお、果梗は硬いのでハサミを用いて収穫しましょう。

また、オクラは乾燥に強いと前記しましたが、梅雨明け後からは積極的な潅水を心がけます。これは、植物としては確かに乾燥に強いのですが、水分が不足すると莢の発育が遅くなり、固くなって食味が低下するためです。

1番果を収穫する頃から追肥を行い、肥切れにならないように管理します。7〜14日に1度を目安に速効性の肥料を与えます。週に1度、潅水の際にかなり薄めの液肥をジャブジャブやると言う手もあります。

収穫と同時に摘葉を行います。摘葉は、通常、収穫する莢の下1〜2枚の葉を残して、それから下の部分についた葉を取り除きます。摘葉する事により水分の無駄な蒸散を防ぎ、養分を莢や新たな蕾に集中させます。更に風通しも良くなるので、病害の発生も少なくなり、また、収穫時の作業性も向上します。

なお、摘葉の際、茎が細く葉色が薄いなど草勢が弱い場合には、少し多めに葉を残し、逆に、かなり逞しく育った草勢が強い株の場合には、収穫する莢のすぐ下まで葉を取り除くなど、適宜、判断して作業を行って下さい。

おわりに

寒さが残る時期の管理で失敗しなければ、後は一般的な害虫対策だけなので、比較的簡単に栽培できる部類に入ると思います。

花もキレイなので楽しんで下さいね。

以上、オクラの育て方をまとめてみました。



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