野菜の病気「軟腐病」をご存知ですか?
根・茎や株・球根が、柔らかくなり腐る病気です。軟腐病になると悪臭がします。この悪臭も特徴の一つです。「しろぐされ」「腐敗病」と呼ばれることもあります。
今回は軟腐病の発生・原因・対策について調べてみました。
軟腐病とは?
野菜の病気はカビが原因でおこる事がほとんどですが、軟腐病は細菌が原因で病気になります。
1番分かりやすいのは、野菜室・冷蔵庫で野菜を長期保存していたら、玉ねぎやキャベツ・白菜などが茶色くブヨブヨに腐ってたりしませんか?
その状態も軟腐病の細菌が原因です。名前の通り、軟化し腐って独特の悪臭がします。この悪臭で軟腐病の見分けがつきます。
組織の柔らかいキャベツ・レタス・白菜などの結球植物や、玉ねぎ・ネギなどの球根植物がかかりやすいです。多犯性なので、基本的にどの野菜も発病します。
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発生時期
6月~10月の梅雨の始まりから発病し、秋まで発病時期が続きます。梅雨に発病し始める事からも、高温多湿になると注意が必要になります。
高温多湿・梅雨時期・長雨・台風の時期は発生しやすく、激発することもあります。台風の後は注意が必要で、傷付いた野菜から感染し広まりやすくなっています。
また収穫などの際に、使用したハサミにも菌が付着していたりするので、ハサミを通して感染する事もあります。生育前期に雨が多く晩秋から冬にかけて温暖な年は、軟腐病の発生が多く見られます。
軟腐病の原因
病原菌は茎や葉・根の傷口・気孔・水孔からしか侵入できません。台風や作業中についた傷、害虫からの傷が原因になります。
病原菌は土壌中に潜んでいます。なので、前年発生した場所で同植物を植えると感染しやすくなります。
また雨水などが土と共に跳ね上がり、植物に傷が付いていたり、弱っていたりすると感染して広がり蔓延します。
他にも、水はけが悪い・窒素分が多い肥料・高温多湿が続く時も要注意です。細菌は、乾燥・直射日光に弱いので収穫したものを日に当てておくのも良いようです。
軟腐病予防
細菌には薬剤が効きにくいので、軟腐病が発生したら被害株からの伝染を防ぐため、株を抜き取り畑の外で処分します。発生・再発を防ぐために水はけの良い環境を整えましょう。
肥料のやり過ぎに注意し、間隔をあけて植え風通しを良くしましょう。抵抗性品種を使用するのも良いでしょう。
収穫の時に使用したハサミ等は消毒し、雨天での作業をやめましょう。水はけの悪い畑は高畝にし、畝にマルチシートを張るのも有効です。
軟腐病の対策
軟腐病の治療薬はありませんが、軟腐病対策として薬剤を手元に置いておくのも良いでしょう。
市販の薬剤が気になるなら、手作りの薬剤をかけて予防する事もできます。効果としては薬剤の方が効き目は高いです。
«手作り薬剤»
木酢液+唐辛子を50倍~100倍に薄めて使用します。
野菜に散布すると害虫の付着を防いで、害虫が野菜を傷付けるのを防げます。
葉の両面にたっぷりとかけて下さいね。
ストマイ液剤20
消毒・殺菌予防できます。
抗生物質物質のストレプトマイシンが細菌性の病害に対して防除効果があります。
ビスダイヤン
野菜の難病に効果的です。そして人体に害が少ない薬剤になっています。
茎や葉に薬剤が付着しやすいので効果が長続きします。
上記以外にも薬剤はありますので、用途・用法に応じて選ばれてください。
まとめ
軟腐病は多湿を好むことから、雨の日の収穫・作業をせずに晴天の日に行うのが良いです。また、発生を避けるためにも連作をやめましょう。
軟腐病は1度発病すると防除が非常に難しいので、予防・対策がかなり重要です。
薬剤も上手く活用していくことも大事かもしれないですね。