金時草は、食用として用いる場合は収穫後に抜いてしまいますが、途中収穫せずにそのまま育て続けると、きれいなオレンジ色の花を咲かせます。
金時草はキク科の植物で、ビタミンAやC・カルシウム・鉄分を多く含み、色素の成分でもあるアントシアニンは目にもよく活性酸素を防ぐ働きがあります。沖縄に生育している植物で食べることができ、血圧を調整する働きもあるため大変健康にも良い野菜です。
園芸用としても販売されていますが、食用として育てれば、おひたしや酢味噌和え・天ぷら・炒め物のほか、漬物にしたりといろいろと活用することができます。
山菜のような苦みと、少しぬめりがありますが、モロヘイヤのような独特の癖もないので、初めての方でも無理なく食べられるでしょう。健康にも役立つ野菜ですので、育て方を覚えてせひ一度チャレンジしてみてください。
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金時草の温度
金時草は気温20℃から25℃で発芽します。沖縄に生育する野菜ということで、暑さに強い植物ですが乾燥には弱いので、水をきらさないように注意しましょう。
冬になると葉の部分が一度枯れますが、根はそのまま残っていますので、暖かくなると再び成長し始めます。
金時草の置き場所と水やり
金時草は、暑さにも強く、暖かい場所を好みますので風通しの良い半日陰におきましょう。
しかし、乾燥には弱い植物ですので、土の様子は常にチェックして、土が乾いているようであればしっかりと水やりをしてください。土が乾かないようこまめに水やりを行い、植え付けた後は根元に藁を敷いて乾燥を防ぎます。
また、発芽を促進するためにも、植え付けをした後は特にたっぷりと水やりをして下さい。乾燥したまま放置するとすぐに枯れてしまいますので注意しましょう。
金時草の土と肥料
金時草は、それほど土を選ぶ必要はありません。あえて土を選ぶとしたら、酸性よりの土で通気性がよく、水はけの良い土を選びましょう。
肥料は、植え付けをしてから1カ月程おき、 1か月に1回から2回程度を目安に化成肥料を与えます。肥料は化成肥料がおすすめですが、プランターで育てる場合は吸収率の高い液体肥料がおすすめです。
液体肥料を水で薄めてから使い、週に1回程度を目安に与えましょう。適度に水やりや追肥を行うことで、秋口くらいまで収穫することが可能です。
苗は気温が20℃を超えたころ植え付けを行い、1つのプランターに対して3株程度を目安に植えます。地植えにする場合は葉が4枚から5枚になった頃に40㎝から50㎝程度間隔に植え付けていきます。
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金時草の植え付け方
金時草をプランターで育てる場合には、まずプランターの底に軽石などを敷き、培養土を入れます。水やりしたときに土が溢れ出てしまわないよう、プランターの8割程度を目安に土を入れます。
培養土を入れた後は、苗を植え付けるための穴を掘り、苗を入れたら上から軽く土を被せ、たっぷりと水を与えましょう。
金時草は、園芸用のものはなかなか手に入りませんが、野菜として販売されていることもありますので、そちらを利用してもかまいません。野菜として販売されているものをする場合には、挿し木にして苗を育ててからプランターに植え付けます。
挿し木にする場合は、だいたい10日ほどで根が生えてきますので、根が生えてきたのを確認してからプランターに植えかえを行います。
金時草の収穫の仕方
金時草は、茎の高さが20㎝を超えたら収穫することができます。肥料と水やりさえしっかり行っておけば、7月から長くて11月くらいまで収穫することが可能です。
だいたい植え付けを行ってから50日程度で20㎝に到達しますので、茎の長さが20㎝を超えたら収穫しましょう。収穫するときは、根元を3㎝程度残して刈り取ってください。
収穫が遅れると味が落ちてしまいますので、収穫のタイミングを見逃さないよう注意しましょう。ちょうどいいタイミングで収穫することができれば、みずみずしく柔らかい葉の金時草を楽しむことができます。
また、収穫するときはまだ気温の低い朝に作業を行うと、より長持ちさせられます。
金時草の増やし方
金時草には種がありませんので、春になったら園芸店か、もしくは野菜として販売されているものを購入するしかありません。野菜として販売されているものを利用する場合には、挿し木をして根が張ってから植え付けを行います。
挿し木にするには、まず切り口に雑菌が入ってしまわないよう清潔なハサミで根元をカットしておき、水を入れた容器に入れておきます。挿し木を行ってから1週間程度で発芽しますので、気温が低くなり過ぎないよう注意しながら半日陰に置いておきましょう。
金時草は乾燥に弱い植物ですので、水分補給は十分に行ってください。
金時草の剪定の仕方
順調に金時草が育つと、だいたい50日程度で最初の収穫ができますので、そのタイミングで剪定も同時に行います。
まず始めに、中心となる主枝が伸びていたら、葉が密集しないように剪定を行います。そのまま放置すると細い枝が増えて生育が悪くなり、葉の質が落ちてしまいますので注意しましょう。
1株につき5本~8本を長さ45cm程度に伸ばしたら、先端から40cm程をカットします。切り取った葉は、食べてしまってかまいません。
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金時草の病害虫
金時草は食用ということもあり、虫がつきやすい植物です。
早目に発見しないと葉を食べられてしまったり、病気の進行が進んで枯れてしまいますので注意しましょう。
特に梅雨の時期や気温が高くなり始めた時期に注意が必要です。
アブラムシ
アブラムシはどんな草花にも付きやすい厄介な害虫です。とはいえ,除去する方法はそれほど難しくはなく、こまめにチェックして手入れさえしておけば簡単に取り除くことができます。
アブラムシは、数は多いものの小さな虫ですので、水を入れた霧吹きを吹きかけるだけで除去できます。また、牛乳や食器用洗剤を少量含ませた水を使うと、水よりも簡単にアブラムシを落とせます。
コナカイガラムシ
コナカイガラムシは金時草に多くつく害虫ではありませんが、まれにコナカイガラムシの被害に遭う場合があります。
コナカイガラムシが付いているのを見つけたら、霧吹きを使って水を吹きかければ、水圧で簡単に除去することができます。この方法であれば農薬を使わなくても済みますので、食用にするのであれば薬剤を購入する前に霧吹きを利用しましょう。
炭疽病
炭疽病は、葉だけでなく、花や茎、実にも発生します。炭疽病になると、始めは煤のような黒く小さな斑点が現れ始め、徐々に褐色や白炭色に変化して、更に進行すると斑点同士が繋がって穴をあけ、最終的には金時草を枯らせてしまいます。
主に高温多湿な6月から7月の梅雨の時期と9月から10月に発生しやすくなります。炭疽病は多湿を好みますので、初期症状が現れたら水やりをいったん止めましょう。葉を適度に間引きして、風通しを良くしてあげると予防できます。
金時草を食用にするため、農薬を使いたくないというのであれば、なるべく早めに病巣部分を取り除きます。炭疽病は広がりやすく、泥はねによっても感染が広がることもありますので、取り除いた部分は焼却し、処分しましょう。
炭疽病の被害が拡がってしまった場合には、株そのものを取り除くか、農薬を使って消毒するしかありません。
金時草を収穫して美味しくアレンジ
金時草はさまざまな料理に利用でき、栄養価も高い野菜です。
おひたしや炒め物、和え物にしても美味しく、レシピも色々なものが紹介されていますので、葉を楽しんだ後は収穫して、食卓のメニューに取り入れてみてください。
また、ビタミンCやアントシアニンが豊富に含まれていて美容効果も高いので、美白や美肌を目指す方にもおすすめです。