果物の栽培

イチゴの種まきから収穫までの育て方!栽培時期や病気・害虫の対策など

イチゴの種まきから収穫までの育て方!栽培時期や病気・害虫の対策など

好きな果物ランキングで常に1位を占め続けるイチゴ。

今回は、そんなイチゴの種まきから収穫までの育て方について、栽培時期や病気・害虫の対策などをご紹介しようと思います。

イチゴの栽培時期と育成条件

春まき秋まき収穫
寒冷地5月上旬~6月下旬8月上旬~9月下旬5月上旬~9月下旬
一般地4月中旬~6月中旬9月上旬~10中旬3月下旬~6月中旬
9月上旬〜11月下旬
暖地4月上旬~6月中旬9月中旬~10下旬3月中旬~5月下旬
9月上旬〜12月下旬

 

イチゴの育成条件
  • 日当たり:日なた
  • 土壌酸度:弱酸性

イチゴ畑の準備

イチゴ畑の準備

イチゴは「水と地力でつくれ」といわれるくらいで、潅水の便利な場所で畑は有機質に富み、適度な湿りを持つ弱酸性の土が適します。

有機質と土壌酸度は人為的に調整可能ですし、潅水の便に関しても庭先などでは問題は発生しないでしょう。根腐病の発生を避けるため排水の良い、日当たりと風通しが良い場所に畑を作ります。

  • 畝幅6〜70cm、畝高20cm、畝の長さ1m程度です。畝を立てる目的は、降雨時の湿害を避けるためと、作業時の利便性などからです。
  • 苗の植えつけは9月下旬から11月上旬頃に行う事として、植えつけの1週間〜2週間前までの期間に畑を準備します。

まず、2週間前までに畑として使う場所を出来るだけ深く耕し、1平方メートル当たり100〜200gの苦土石灰を散布します。これは、土壌酸度の調整のための作業です。

植えつけの1週間前までに、1平方メートル当たり、緩効性化成肥料100g、堆肥3kg、油粕20gを投入し、土と良く混ぜ畝を立てます。畑の準備が終わったら、充分に水を撒いて今日の作業は終了です。

植えつけまで、適宜、散水するのを忘れないようにしましょう。苗の入手の都合などで、植えつけが多少遅れても特に問題はありません。
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品種の選び方


【イチゴ 宝交早生(ホウコウワセ) ポット苗】

最近では、実が大きく甘みが強く、促成栽培により12月〜1月の出荷が可能な品種が大半を占めていますが、そう言った品種は高設栽培などを前提として開発されている物も多く、立枯病害(炭疽病、疫病、萎黄病)などに弱いので、初心者が地植えする際には避けた方が無難です。

今回は「宝交早生」を植える事にしましょう。「宝交早生」は、1962年に兵庫県農業試験場宝塚分場で、「タホー」と「八雲」の交配によって誕生した古典的な品種で、かつては西日本地域では最も栽培量の多い部類の品種でしたが、見栄えや甘みが改良された新品種の登場により、最近では市場流通される事はありません。

しかし、逆に「宝交早生」は現代の栽培法が確立される前の品種なので、病害に対してかなり強い耐性を持っていたりするわけです。また、出荷の際のネックとなっていた果肉の柔らかさも自家栽培では魅力となり、極めてジューシーな食感も楽しめます。いちご本来の薫りが強い品種となっており、完熟させれば芳醇な香りを楽しむ事もできますし、程良い酸味もなかなかのものです。

イチゴの植えつけ

イチゴのポット苗自体は水切れさえ起こさなければ結構強いものなので、手に入ったから急いで植えなければ…という物ではありません。お天気の良い日を選んで、のんびり定植しましょう。

9月下旬から11月上旬頃までの期間に定植を行います。寒い地方では早めに、温暖な地方ではゆっくりめがお奨めです。

植えつけは、株間30cm、条間30cmの「2条千鳥植え」で苗の位置が互い違いになるように植えます。根は深く、株元は浅くなるように植えつけます。特に注意しなければならないのは、クラウンと呼ばれる苗の中心部を埋めてしまわない事です。その後充分に潅水をして活着を促します。

ランナー側が内側に来るように植える

昔から「イチゴのランナー側が内側に来るように植える」と言われていて、これはランナー側と逆方向に果実がなるからなのですが、苗の状態によってはどこがランナーだったかわからない物も多いです。

クローン苗に関する研究論文なのですが、「茎頂に形成された花房は生長とともに傾斜方向に倒れていくため,結果的にクラウンの傾斜方向に花房が伸長していくと考えられる」「定植時に株を通路側に倒して定植することで, 花房を通路側に伸長させることが可能となると思われた」(園芸学研究・”イチゴのクラウンの傾斜と花房伸長方向の関係”・稲葉 幸雄, 吉田 智彦, 杉山 信男)との記述もあるので、クラウンを外側に20から25度傾斜させる感じで植えて試してみましょう。

定植後1週間位は株元が乾かないよう小まめに潅水し活着を促進します。定植後に発生したランナーは早めに摘み取って株の充実を図りましょう。また、古くなった下葉は摘み取り、出来ることなら常に展開葉が5〜8枚の状態にして下さい。

春までの管理

イチゴの春までの管理

イチゴは低温・短日になると”休眠”に入り、株は新葉が徐々に小さくなりロゼット状になり地面にへばりつき寒さから身を守っています。そのため、低温、乾燥に耐えられるのですが、極度の乾燥はいちごの株を枯らしてしまいますので注意が必要です。乾いたら、適宜、潅水する感じで行きましょう。

また、寒冷地では、保温資材(ワラ、寒冷紗、その他通気性のある保温資材)で覆ってやるなどの対策を必要とする事もあります。この期間に花が咲く事もありますが、低温下ではまともに結実しませんので全て除去して下さい。

イチゴの休眠打破

休眠は一定期間低温を経過しないと覚めません。覚める事を”休眠打破”と言います。宝交早生の休眠打破の必要条件は、5℃以下の気温の積算時間で4〜500時間とされています。

休眠打破のサインは、鮮やかな色の新芽が立ち上がって来る事で判断できます。地域差はありますが、3月を迎える頃には、そんな感じになるでしょう。

保温資材を使っている場合は早急に撤去します。そのままの状態で気温が上昇すると害虫の巣窟になりますから。更に追肥をしマルチを施し、雨対策を目的としたトンネルの作成を行います。

イチゴの追肥


【イチゴの肥料 有機肥料500gパック】

追肥は、1株当たり化成肥料5g程度を与えますが、株元に与えると肥料焼けするので(イチゴは肥料焼けを起こしやすいです)、15cm程離れた場所に施用して下さい。次に黒いポリフィルム(透明の物は雑草が生えやすいのでNG)でマルチングをしてやります。なお、晴天の高温時に作業を行うのと、苗が焼けてしまう事があるので、曇りの日か、夕方に行って下さい。

株全体をすっぽりと覆い、株の真上を小さく切って株全体を引き出します。この際、マルチ穴に保湿や雑草防止の目的で籾殻などを施すと良いですが、省略しても構いません。マルチングの目的は、果実の防汚、泥はねによる葉の汚染防止と保湿です。

トンネルは、トンネル用の支柱をアーチ状に曲げて、畝幅よりやや大きめに作ります。その上にビニールフィルムなどを被覆してパッカーで止めます。夜間の保温も考慮に入れますが、基本的に雨水による病害の予防を目的としたものです。晴天の昼間は、裾を畝高まで捲り上げて、トンネル内の風通しを良くして下さい。

開花から収穫まで

イチゴの開花から収穫まで

気温の上昇に併せて生育は盛んになり、桜前線が気にかかる頃になるとイチゴも開花します。この季節、花冷えや晩霜があったりしますが、イチゴの花は雌しべが低温に弱いため、寒冷地の場合には、夜間など寒冷紗等の保温資材でトンネルを覆ってやるなど工夫して下さい。

イチゴの花はミツバチなどによる受粉、または自然の風で行われますが、ミツバチの飛来が認められない場合は、人工授粉が必要となります。人工授粉は筆などを使って、雌しべと雄しべを優しくまんべんなく撫でてやる感じです。筆などが花粉で黄色くなっていれば成功しています。収穫は3〜40日後となりますので、お楽しみに。

尚、花房に小さな花が咲く事がありますが良い実にはならないので除去して下さい。また、この時期に出て来たランナーも養分の分散を避ける意味からも株元から切り取ってしまったほうが良いでしょう。
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イチゴの病気・害虫対策

アブラムシに注意!

病害に関しては、炭疽病、疫病、萎黄病、うどんこ病、灰色かび病、根腐病などがありますが、畝を立てて雨水対策もしてあるし、強い品種なのでそれほど心配は無いでしょう。害虫としては、アブラムシ類、コナジラミ類、ハダニ類が要注意です。

対策としては薬剤の散布となります。住友化学園芸が発売している「ベニカマイルドスプレー」は、「ハダニ」と「アブラムシ」ともに有効で、更に「うどんこ病」に対する殺菌効果もあります。有機JAS規格(オーガニック栽培)で使用可能な食品成分から生まれた殺虫殺菌剤なので、使い易いかと思います。

この他に、結実期に気をつけなければならないのが、ナメクジとヒヨドリです。ナメクジには専用の忌避剤、ヒヨドリには防鳥ネットで対処します。

翌年用に!イチゴの苗づくり

収穫を終えたら、ランナーから発生する子苗を育成して、秋に植えるための苗を作ります。イチゴの栽培では、親株は継続使用せず、毎年、株を更新するのが一般的です。

親株からランナーが伸びてきたら、ポットなどに受けて、Uピンで固定して子苗を根付かせます。子苗が本葉3〜4枚になったら、親株側のランナーは2〜3cm残してカットして、子苗側のランナーは付け根でカットします。

親株から一番近い子苗(太郎苗)は大きくなり過ぎているので使用せず、2番目以降にできる子苗(次郎苗、三郎苗以降)を使用します。

子苗はそのままポット、もしくは畑に仮植え(株間10〜15cm)して育苗し、秋になったら定植します。

おわりに

マルチングやトンネル作りが手間かも知れませんが、雨水による病害の予防には欠かせない事です。そこら辺を無視してもできない事は無いけれど、そうする位ならば、下手に露地植えにするよりも、イチゴ用のポットを使って軒下で栽培した方が格段に管理し易いです。

「宝交早生」と言う品種はジャムにも向くので、例えば、収穫後にヘタだけ落として冷凍しておき、数がまとまったら煮るなんて手も使えます。

以上、露地植えイチゴの育て方をまとめてみました。



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