秋に植える花

ボタンの種まき〜剪定までの育て方!栽培時期や病害虫の対策など

ボタンの種まき〜剪定までの育て方!栽培時期や病害虫の対策など

うすい花びらが幾重にも重なり合い、繊細で大きな花を咲かせるボタンですが、ボタンは咲かせるのは難しい花としても有名です。

ボタンは、種からでも苗からでも育てられますが、種から育てると花が咲くまでに5年から10年ほどかかり、管理方法も難しいため、初心者の方はまず苗から育てましょう。

一般的には春に美しい花を咲かせますが、種類によっては春と秋の 2回花を楽しめるものもあります。今回は初心者の方にも育てやすい種の蒔き方や苗植えの方法について紹介します。

ボタンの特徴

ボタンの栽培時期表
ボタンとシャクヤクは比較されることも多い花です。

では、このボタンとシャクヤクの違いについてご存じでしょうか。この二つの花の違いは花をつける位置にあります。シャクヤクは長く伸びた茎の上に花をつけ、ボタンは低い木に花をつけます。

どちらも美しい女性を表現するために用いられる言葉ですが、立ち姿をシャクヤク、座っている姿をボタンと表現するのはこのためです。

うすい花びらが葉蔭で園芸家の間でも人気が高く、接ぎ木をして新品種作ろうと奮闘している方も少なくありません。ボタンを上手に育てられるようになったら、このような接ぎ木にチャレンジするのもおすすめです。
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ボタンの苗の選び方


【ボタン 苗】

失敗しないで育てるためには、なるべく元気な苗を選びましょう。

苗は、幹が太く全体のバランスが整っていて、花芽の付いている苗を選びます。葉は大きく数の多いものは、それだけでも太く丈夫に育つ苗ということです。

鉢植え

ボタンは植え替えが苦手ですので、鉢に植え替えるのであれば初めから大きな鉢を選びましょう。具体的には、10号から12号の鉢を用意します。

また、8号より小さな鉢は選ばないよう注意して下さい。ボタンは暑さに弱く、夏場は休眠するので九月から10月ごろに苗を用意して鉢に植えましょう。

はじめに鉢の底にネットと鉢底石を敷き、土は鉢の1/3程度の深さまで入れてきます。苗の根元が5cmほどの深さになるよう苗を入れて土をかぶせます。鉢の水を与えても土が溢れ出てこないよう、苗は8割程度の深さに抑えておきましょう。

地植え

ボタンの地植え

ボタンを地植えする場合は、風通しがよく直射日光の当たらない半日陰を選びましょう。特に西日が当たらない場所を選び、そこに30cmから50cmほどの深さの穴を掘ります。

掘った後の土に全体の3割ほどの量の腐葉土か堆肥を混ぜ、1週間から2週間ほど寝かせておきます。苗を植える前に穴の底に発酵させた油かすや堆肥を少し入れておくとよいでしょう。

ただし、土の中で細菌が繁殖すると、せっかくの苗が枯れてしまいますので、発酵させていない油かすは入れないでください。

土づくり

ボタンの土作り

ボタンは、水はけがよく保水性の高い土を好みます。ご自分で土を作る場合は、腐葉土3に対して赤球土7、または赤球土を全体の6割程度に抑えて、残りの1割に川砂を混ぜ合わせてもよいでしょう。

ボタンは粘土質の土では根を張ることができません。また、土が固くても育ちませんので、苗を植える前に土質を確認し、よく耕して土を柔らかくほぐしてから苗を植えましょう。

特に、以前深く掘り起こしたことがある場所は、粘土質と混ざり合っている可能性が高いので注意して下さい。

肥料


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ボタンにはたくさんの肥料が必要になりますので、植え付けを行うときに緩効性の肥料を与えるほか、年に3回肥料を与えます。

1月から3月

緩効性の肥料、または油かすなどの有機肥料を与えましょう。この時期に与える費用は1年間健康を保つために与える大切な肥料です。

ボタンは、冬の間は根が休眠していますので、なるべく効き根の緩やかなものを選びます。
また、一度に根の周りにたくさん肥料を与え過ぎないよう注意して下さい。

5月から6月

花が咲き終わった後は、「お礼肥え」とよばれる緩効性の肥料、または有機肥料を与えます。有機肥料は完熟堆肥や腐葉土、または鶏ふんを用いましょう。

この時期に与える肥料は、花を咲かせるために使ったパワーを取り戻させ、疲れをとるために与えます。

根元から少し離れた場所に、緩効性の化成肥料のほか、骨粉、リンが含まれている肥料を与えます。

9月から10月

緩効性の肥料のほか、骨粉、またはリンを根元から少し離れた場所に与えましょう。
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ボタンの水やり

水やり

水やりの方法は、春から夏にかけては根元が乾いてからで構いません。

ただし、夏は土の浅い部分に張った根が乾燥して弱まることがあります。乾燥を防ぐためにも日傘などで日陰をつくり、水鉢を用意して乾燥を防ぎましょう

ボタンの種まき

ボタンの種は一般ではあまり用いられないため、市販のものはほとんど流通していません

ボタンを種から育てたい場合は、一度苗から育て、さやから種を取り出して水につけ、沈んだ種のみ使いましょう。

種が水に沈んだら、すぐに種をまいてください。種まきは9月から10月ごろが最適です。

ボタンは種を植えてもすぐに花が咲くことはなく、3年以上の時間がかかることもありますので覚えておきましょう。

また、種をとるには開花した後もそのまま摘み取らないでおきます。種を収穫した年の翌年は花が小さくなりますので覚えておいてください。

夏越し

夏は乾燥探ために根元に水苔などを敷いておきましょう。また、日傘をさしておくなど、直射日光に当てないよう注意して下さい。

冬越し

ボタンはある程度寒気にあてる必要があります。特に春に花を咲かせるボタンには、寒気にあてる必要がありますので、凍結を防ぐため水やりは控えましょう

また、水苔は凍結を防ぐのにも役立ちますが、代わりに藁を敷いてもかまいません。

支柱を立てる

ボタンのつぼみが膨らむと、少しの風でも揺れて茎から折れてしまうことがありますので、支柱を立てて保護しましょう

また、雪が降る地方は板などでボタンの周りを囲い、雪から株を守ります。

剪定

ボタンの花が終わったら剪定を行いましょう。塙接をテーマにした種ができ、株が弱なってしまいます。ボタンを剪定するには花茎をカットする「花がら摘み」を行います

剪定を行うときは次の期間を目安にして下さい。

5月から6月

「花がら摘み」はこの時期に行いましょう。これは、株が弱ってしまの防ぐためです。

特に植え付け行った初めの年は、花を咲かせるためにエネルギーを消耗していますので、花をもたらす売り花柄罪を行ってください。

9月から10月

この時期になると、ボタンの花がだんだんと黄色味がかってきますので、細い枝を選んで剪定します。

ただし、翌年に花をつける新芽は残しておくのがコツです。また、下向きに生えている葉はすべて取り除いておきましょう。
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病害虫

ボタンの花は4月から10月にかけて注意が必要です。ボタンがかかりやすい病害虫は次のものになります。

うどんこ病

うどんこ病はカビの一種です。そのため、温度や湿度が高くなる梅雨の時期に多く発生します。

うどんこ病の被害の範囲が狭い場合は、気温が高くなる夏になると自然に治ってしまうこともありますが、そのまま放置していた場合、葉の表面が白っぽくなって光合成が行えなくなり、悪化すると枯れてしまいます。

葉に白い斑点が現れたり、粉をまぶしたような症状が現れたら、うどんこ病に感染しているという証拠です。症状が現れた葉っぱは早めに取り除き、焼却処分して下さい。

炭疽病

炭疽病の初期症状は、葉や茎などに灰色から褐色のライターで炙ったような斑点が現れます。そのまま放置して病気が拡がると、枯れてしまうこともありますので注意しましょう。

炭疽病は春から秋にかけて発生しやすく、特に梅雨や秋雨の時期に注意が必要です。炭疽病は風通しが悪くても発生しやすくなりますので、ボタンを植える場所には注意が必要です。

特に剪定後は茎や葉に発生しやすくなりますので、薬剤などをまき炭疽病を予防しましょう。

カイガラムシ

カイガラムシ・アブラムシ・ハダニなど害虫の駆除方法について

カイガラムシは、葉の裏側や枝が分かれている部分によくつく害虫です。

形は円形や楕円形をしていて、大きさは数ミリ程度と小さくあまり動きませんが、成長してしまうと殺虫剤も効かないほど強い虫に成長してしまいます。そのため、カイガラムシの幼虫を見つけた時は、すぐに殺虫剤を用いましょう。

また、カイガラムシを予防するために、冬の間は数回程度殺虫剤をかけるなどし、殺虫剤を使いたくない時は、見つけた時に歯ブラシを使って茎や葉を傷つけないよう注意しながら優しく擦り落しましょう

ひとつでも華やか!ボタンの花を楽しもう

いかがでしたか。今回はボタンの育て方について紹介しました。

ボタンの花は繊細な花びらと大きな花が特徴で、庭やお部屋に飾るとその場がパッと華やぎます

種から育てるのは難しいですが、前から育てるのであれば初心者にもできますので、大切に育てお部屋に飾るなどして、うつくしいボタンの花を楽しんでみてください。



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