べと病とは、糸状菌というカビが原因で多くの野菜に発生する病気です。感染・再発しやすく、野菜農家を悩ませています。
どの種類のべと病も葉(裏表)に病変が現れます。長雨の時に発生しやすく、葉がベトベトするので「べと病」と呼ばれています。
べと病はウリ科(きゅうり・かぼちゃ・まくわうり等)と、アブラナ科(小松菜・みぶな等)は葉に黄淡色の斑点ができます。ネギ科(玉ねぎ・ネギ等)には輪郭がはっきりしない黄白色の病斑が出ます。この他にも、ふどう・カブ・大根・枝豆等にもできます。
野菜によって症状は様々ですが、基本的には斑点ができ葉裏にはすす状のカビが発生します。放置しておくと、あっという間に広がってしまい甚大な被害が及ぶこともあります
べと病の発生時期
べと病は、4月~7月・9月~10月に発生しやすくなっています。カビの一種なので、多湿で気温が20℃ぐらいの梅雨時期・秋雨時期にどうしても発生が多くなります。(夏場は発生が減ります)
また、採光性や風通しの悪い場所や水はけの悪い場所にも発生します。なので、この時期の多量の水やりも注意が必要になります。
※植物が弱っていても発生しやすいです。
※2018年に佐賀県で大きな被害があり、玉ねぎの価格高騰しました。
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べと病の原因
湿度が高く、葉っぱが濡れているだけでも病気が広まりやすい性質があります。また、自然界にいるツユカビ科の一種で土中にも菌がいます。
冬を越して気温の上昇と共に胞子を分散し始めるのが4月~梅雨時期です。梅雨時期などに雨水の跳ね返りや、風などでカビの胞子が葉裏に付着し胞子が発芽します。そして感染していきます。
同じ畑などに感染した苗や落ち葉を放置して置くと、風で飛んだ菌が付着して他の野菜も
感染していきます。あっという間に感染するので、その都度処分しましょう。
べと病の予防
症状が軽ければ葉をちぎって様子をみたりしますが、べと病の範囲が広ければ市販薬を使用するのが1番です。が、市販薬には抵抗がある人も多いはずです。そんな時は手作りの薬剤を使用してみて下さい。
*酢+唐辛子・鷹の爪
30~50倍に水で薄めた酢水に、唐辛子・鷹の爪を入れます。
葉の両面にしたたるくらい霧吹きで吹きかけて下さい。
初期の効果・予防効果は大きいですが、匂いがきついので要注意です。
*木酢液+唐辛子・鷹の爪
木酢液を500倍に薄めて唐辛子を漬け込みます。
葉の両面にしたたるくらい吹きかけて下さい。
初期の効果・予防効果があります。べと病がひどい時は、20倍の濃度で吹きかけて下さい。
しかし、被害が酷い時は薬剤散布をしないと枯れてしまうので、人体に被害の少ない薬剤を使用されて下さい。
市販薬として、おすすめなのが「カダンセーフ」です。ヤシ油とデンプンから作られた薬剤で、成分が分解されるので野菜に残りにくいです。
べと病の対策
べと病は感染して広まってしまうと、大変な事になってしまいます。
そうならない為にも、できることをして対策しましょう。
- 湿気を好む事からも、過剰な水やりは控えましょう。
- 風通し・採光を良くする為にも、根元をキレイにしましょう。
- 追肥を避けて水はけをよくしましょう。
- 肥料の窒素成分は適切な量を与えましょう。
- 接き苗は、抵抗性品種を利用されるのもいいでしょう。
まとめ
べと病は、早い段階で気付けば感染が広がらずに済むようです。
対策にもあるように、まめに世話する事が大事ですね。
野菜農家さん達の努力のおかげで野菜が安価で食べれているんだなと実感しました。