アスパラガスは天ぷらやサラダ、パスタの具材などで大活躍の野菜です。
1780年頃日本に入ってきたとされていますが、昔は観賞用として扱われていました。現在でも野菜のアスパラガスとは種類は異なりますが、観葉植物のアスパラガスも存在しています。
食物繊維や葉酸、カロチンなどが豊富に含まれており、ガーデニングでも定番野菜の一つです。今回は、そんなアスパラガスの育て方についてお話したいと思います。
Contents
アスパラガスの栽培時期と育成条件
日当たり:日なた
生育適温:15~20℃
発芽適温:25~30℃
用途:地植え・プランター
土壌酸度:弱酸性~中性(6.0~6.5pH)
株間:50㎝
アスパラガスに適した栽培環境
アスパラガスは中国山地の一部を除く、日本全国で栽培ができる野菜です。
日当たりを好み、15~20℃くらいの温度で生育することができます。30℃以上になるとその成長が緩やかになり、5℃以下になると休眠します。
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育てやすいアスパラガスの種類
アスパラガスの種類は大きくわけて5つに分類されます。
今回は代表的な3つをご紹介します。
グリーンアスパラガス
アスパラガスといえばこの種類を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
その名の通り緑色をしたグリーンアスパラガスは、国内市場で一番多く出回っています。
ホワイトアスパラガス
ホワイトアスパラガスは、グリーンアスパラガスを「軟白栽培」(日光に当てない栽培方法)したものを指します。
グリーンアスパラガスに比べてクセが少なく、甘味が特徴です。一般的にヨーロッパではアスパラガスと言えば、ホワイトアスパラガスのことを指します。
紫アスパラガス
ホワイトアスパラガスと同様に、ヨーロッパで多く流通しています。日本でお目にかかることは珍しいかもしれません。
アントシアニンが多く含まれ、甘味の強さが特徴です。紫アスパラガスは紫色をしていますが、茹でると緑色に変化します。
※アスパラガスには他にも、「ミニアスパラガス」や「アスパラソバージュ」があります。
アスパラガスの土作り
畑で栽培する場合
アスパラガスは一度植えつけると、約10年間長期に渡って収穫することができるので、栽培をする場所はよく考えてから選びましょう。
土作りをする上で大事なことは、土壌酸度の調節と水はけの良い環境を整えることです。
- 植える前年の秋から冬にかけてよく畑を耕す(耕す深さは30㎝以上)
- 定植の2週間前に苦土石灰を施し酸度調整をする
- 定植の10日前までに再び畑を耕し、元肥と堆肥を適量施す
- 排水を促すため、高さ20㎝・幅90㎝の畝を作る
プランター栽培の場合
プランターを選ぶ時は、長期間の栽培に備えて丈夫な深いものを選びましょう。土は市販の培養土を利用するのが一番楽でしょう。
土を自作する場合は、赤玉土:腐葉土:バーミキュライトを7:2:1の割合で作り、石灰と化成肥料を混ぜ合わせて完成です。
アスパラガスの植えつけ
アスパラガスは種は、発芽するための温度管理と苗を育成するための時間が必要です。
ガーデニング初心者や早く収穫をしたい方は、市販されているアスパラガスの苗や根株の購入をおすすめします。
苗や根株は4月下旬~5月上旬に植えつけを行います。霜が降りる心配をせずにすむような暖かい気候になってから行いましょう。株間は50㎝、最低でも30㎝が目安です。
幼苗を植えつける時は、根を崩さないようにポットから取り出し畑に用意した穴にそっと植えつけます。この時、穴の上部よりも5㎝ほど低い場所に植えるのがポイントです。
植えつけ後は、しっかり土に根付くのが確認できるまで充分な水やりを行います。根株の場合は可能な限り根を広げ、3㎝位土を被せましょう。
アスパラガスの水やり
遅霜と夏の高温期の乾燥に弱いアスパラガス。土が乾燥することによって苗が弱り、育成に影響が出ます。
遅霜と乾燥対策として、籾殻や藁、マルチングを行います。夏場は最低でも週に1回はたっぷりと水をあたえましょう。
アスパラガスの追肥
アスパラガスの追肥は収穫してから年に3回が原則です。
- 1回目は春の収穫を終えた後。
- 2回目は新芽が出る前。
- 3回目は冬(2~3月)の芽が出る前にそれぞれ化成肥料を適量施しましょう。
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アスパラガスの花
アスパラガスは花枝に1㎝くらいの小さくてかわいらしい黄緑色の花を咲かせます。
「何もかわらない」「敵を除く」「私が勝つ」などの花言葉があります。
アスパラガスの栽培管理
畑やプランターに苗を植えた1年目は株を養成する期間なので収穫は行いません。お盆の時期が過ぎたあたりに、細い茎や病気にかかった茎、伸びすぎた茎は全て取り除きます。
背丈が伸びてくるに従って、アスパラガスが倒れないように支柱を立てましょう。支柱を立てたらネットや紐を張り、固定します。
冬になったら枯れて黄色くなった茎や葉は刈り取り、焼却などで処分しましょう。
アスパラガスの収穫
アスパラガスの収穫は苗を植えて2年目の春(4~6月)に行います。ハサミやナイフを用意して、地面に近い部分から切り取りましょう。
幼苗の高さが20㎝くらいに成長していること、穂先が開く前の状態であることが収穫時期を見極めるポイントです。
この時気を付けることは、全てのアスパラを刈り取ってしまわないこと。成長の遅い茎や細い茎をそのまま残し、その後も育てることで翌年以降も安定した収穫量を確保することができます。
春だけ収穫をすることもできますが、春と夏秋の2回に分けて収穫することも可能です。2回収穫する時は、春の収穫量を抑えめにすることが重要です。
アスパラガスの保存方法
冷凍庫で保存
収穫したアスパラガスを早めに下茹でし、適当な大きさに切ってバットなどに広げて冷凍しましょう。
完全に凍ったのを確認してから保冷バックに移し替え、再び冷凍庫保存することで長期間保存することができます。
冷蔵庫で保存
アスパラガスの乾燥を避けるために、切り口を新聞紙で包みその上からラップでくるんだり、保冷バックに入れたりして保存しましょう。
冷蔵庫にいれる際は、なるべくアスパラガスを立てた状態で保存します。
立てて保存することで、穂先が立とうとする習性をもつアスパラガスの無駄なエネルギーを省き、鮮度を持続することができます。
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アスパラガスに発生しやすい病害虫
茎枯病
茎枯病はアスパラガスに一番多く発生しやすいカビが原因の病気です。台風時期や梅雨の時期に発生しやすく、初期には茎にシミのような斑点ができる特徴があります。発病を確認したらすぐに茎を取り除きましょう。
また、病気の広がりを防ぐため、秋から冬にかけて枯れて茎や葉はそのままにしておかず、必ず焼却処分し、畑を綺麗な状態にします。早めの薬剤使用、マルチや藁などで雨や泥はねを防ぐことが効果的です。
ヨトウムシなど
アスパラガスにつく害虫には、ヨウトムシ類、スリップス類、ジュウシホシクビナガハムシなどがあります。
いずれの場合も、早期発見と防除することが重要です。
おわりに
アスパラガスは一度畑に植えてしまえば、その後約10年間収穫することができます。幼苗から植えた場合の収穫は2年目から、ピークは3~4年目です。
少しでも早く収穫を楽しみたい方には、幼苗よりも既に栽培された大苗の購入がおすすめです。連作障害もないので、何度でも同じ場所で栽培することができます。
夏場の乾燥や病気に気を付ければ、特に難しいことはありませんので、ぜひアスパラガスの栽培にチャレンジしてみましょう。