ミニトマトはスーパーに行くと一年中出回っていますが、盛夏が旬の夏野菜になります。原産地はアンデス地方(南アメリカ)で、高温と日当たりの良い土地を好みます。
ミニトマトの赤色のもとなっている「リコピン」は抗酸化作用の強い栄養素として注目されています。生で食べるのも美味しいですし、ミニトマトは味が濃いのでトマトソースのベースにも使えます。
今回は、ミニトマトの種まき〜収穫までの育て方と栽培時期や病気・害虫対策についてお話ししていきますので、ぜひ育ててみてください。
Contents
ミニトマトの栽培期間と育成条件
種まき | 育苗・育生 | 収穫 | |
寒冷地 | 3月下旬~4月中旬 | 4月中旬~6月上旬 | 7月上旬~9月中旬 |
一般地(春まき) | 3月上旬~3月下旬 | 5月上旬~5月下旬 | 6月上旬~9月下旬 |
暖地 | 2月上旬〜3月中旬 | 4月下旬~5月中旬 | 6月中旬~10月上旬 |
- 日当たり:日なた
- 土壌酸度:中性
- 植えつけ:株間50㎝前後
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ミニトマトの種まき・苗の管理
種からも育成できますが、初めての方は苗を購入すると失敗が少ないでしょう。気温が安定するゴールデンウィークの頃に購入しましょう。
慣れてきたら種からの栽培も行ってみても楽しいです。種なら費用が少なく抑えられ、小さな芽から育てる楽しさも実感できます。
ミニトマトの苗はホームセンターや直売所で等で販売されています。小さな苗でも茎が真っ直ぐな苗を選びましょう。1株100円位の販売価格です。時期がずれて6月になると半額で販売されることもあります。
6月上旬からの栽培でも遅いということはありません。その時もたくさん収穫できました。
ミニトマトの定植適期
気温が安定する5月の連休前後が良いでしょう。以前に4月上旬に植えたことがあります。
雨が降ると寒い時期で、その後温かくなっても生育が良くありませんでした。
ミニトマトの定植は焦る必要はありません。5月前後の暖かい日の午前中に植えつけましょう。
ミニトマト栽培の土作り
ミニトマトの苗の定植時期になる前に土づくりに入ります。植えつけ2~3週間前に畑1㎡あたり苦土石灰を2握りほどまいて耕しておきましょう。
畝の幅は80㎝位欲しいですね。土質は適度に水分を含める方がよいです。
乾燥の土質(火山灰や砂質)では堆肥を多めに含ませると保水もよくなります。
- 堆肥:1㎏
- 化成肥料:1握
支柱たてと敷き藁
植え付けの後は浅植えになるので支柱立を行います。根元から少し離れたところに約1.5m~2mの支柱を立てます。
ミニトマトの茎は思いのほか伸びていきます。支柱の長さもこれ位必要です。支柱が高すぎると収穫が大変です。
支柱は上の方で交差させる合掌式がよいでしょう。台風などの強風でも強さを発揮します。合掌させた交差点に、横方向の支柱も付けて補強しましょう。ミニトマトは葉がたくさん成長するので、風の影響も受けやすい植物です。
立て終わりましたら、ミニトマトの茎を麻ひも等で誘引していきます。ひもは8の字にして茎と支柱をそれぞれの穴に通してゆとりを持たせて結びます。ゆとりによって茎が成長しても、締め付けられることはありません。
乾燥防止のためや雨の水はね防止に敷き藁を行いましょう。病気予防になります。ポリマルチも乾燥防止に役立ちます。
定植のポイント
50㎝~60㎝の株間で苗のポットより広く浅く掘った穴に植えていきます。根鉢を崩さないようにしましょう。苗を植えたら周りの土を寄せて軽く抑えて安定させましょう。
水分不足を防止するためにも、鉢と植え付け穴に充分水をあげておきましょう。
定植当日にマルチに苗鉢よりやや大きめの穴を開け、苗を移し替えていきましょう。
植え付けの際に、1条植え・2条植えでも花房が通路側に来るように苗を植えると収穫が楽になります。
ミニトマトの水やりについて
畑に植えたミニトマトなら、基本的に水やりの必要はありません。もともと雨の少ない地方で生まれた野菜だからです。葉が少し萎えているなと感じたら水を与える位です。
問題はプランター栽培です。畑と異なり、プランターは土の容量も限られます。盛夏は、朝夕2回の水やりが必要です。以前に植えた時に、株の成長時に水分不足で茎が伸びなかったことがあります。その後の収穫は例年の半減でした。
マルチや敷き藁は補水効果があり雑草も生えづらくなります。初めの手間(マルチや敷き藁)を惜しむと後悔してしまいます。後からマルチは困難です。
ミニトマトのプランター栽培(参考動画)
ミニトマトの栽培管理
腋芽摘み(えきがつみ)
葉茎の根元からでる芽を摘むことです。
ミニトマトは腋芽も良く伸びますが、腋芽の成長に栄養を取られてしまうと実の栄養不足となります。家庭菜園では中心の1本だけ伸ばす1本仕立てが良いでしょう。
追肥
2~3週間ごとに1株当たり1握りの油かすをあたえ、根元に土を寄せましょう。
追肥は通路側(片側)からだけでよいです。
摘芯(てきしん)
摘芯とは、植物の枝やつるの先端を剪定することです。摘心は主茎の先端を剪定します。摘芯をするとそれ以上つるは伸びません。
摘芯をする理由は腋芽つみと似たような意味があります。茎の成長に栄養を使わずに実の栄養としたいからです。
第2花房が結実したら摘芯して芯を止めます。かわりに第1花房のすぐ下の腋芽を1本だけ伸ばします。この腋芽も同様に、第4花房の結実後に芯を止め第3花房のすぐ下の腋芽を伸ばします。3回繰り返したら芯を止めます。
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病気と害虫について
病害虫はそれほど心配なく育てやすい野菜になります。しかし、全く心配がないわけではありませんので、代表例と対策を挙げます!
ミニトマトはナス科の植物で連作障害が発生します。同じナス科の植物を連続しての育成は止めましょう。ナス科の植物の代表例として「トマト・ナス・ジャガイモ等」が挙げられます。
ジャガイモを近くで栽培する際は気をつけてください。同じナス科の植物なので相性がよくありません。青枯れ病などの原因となります。
モザイク病の原因と対策
ウィルス性の病気でアブラムシが媒介します。初めは葉・茎・花部分にポツポツあらわれ、いずれ株全体に広がっていきます。
植えつけ時にオルトラン錠剤とマルチでアブラムシを避けることができます。寒冷紗や防虫ネットで防ぐのも効果的ですが、茎が大きく成長すると取り外す必要があります。
薬剤の使用も検討しましょう。ガーデントップは天然成分なので野菜にも安心して使用できます。
ミニトマトの収穫時期
黄色い小さな花が咲いておおよそ30日位で「緑の実→赤への変色」が始まり収穫です。1房に10粒ほど実が付きます。最盛期にはジャンジャン収穫できます。
赤い実に変色したら早めに収穫しましょう。放置すると水分過多になり、実に割れ目が入ります。割れても食べられますが、味が落ちて皮が固くなります。
稀に強雨により実割れが生じます。やはり赤に変色したら早めに収穫しましょう。雨よけにトンネル型(U字の逆)のビニールを取り付けてもよいです。
指で実をねじるようにすれば簡単に採れます。
強い力で他の花や実を落とさないよう注意しましょう。一花の落下で一実が消えてしまいます。
おわりに
ミニトマトの育て方について、土づくりから収穫までご説明しましたがいかがでしたか?
支柱立も大切なポイントです。成長期が台風時期と重なる7月~9月になりますが、骨組みをしっかりやっておけば強風も怖くありません。
夏野菜なのに水やりを気にしないで済むのは楽な野菜です。水道代も助かります。他の野菜は、毎日結構な水を畑にまきます。しかしミニトマトはスルーして、ほとんど水撒きしていません。
苗もホームセンターや直売所で手頃な金額で購入できるので気軽に育てられます。慣れてきたら種からの育成をチャレンジしてみてください。
ぜひミニトマトの家庭菜園にチャレンジしてください。家庭菜園のミニトマトは完熟(赤に変色)してから収穫できます。市販品のような青臭さがないのでトマト嫌いの方でも不思議と食せるものですよ!