ヒヤシンスと言えば小学校の水栽培の教材で育てた方も多いのではないでしょうか?ヒヤシンスは水栽培・鉢植えや地植えでも育てることのできる初心者にもやさしい観賞花です。
ヒヤシンスは、冬の寒さを実感して開花の準備を開始します。春を迎えると色鮮やかな花が、さまざまな場所で開花しますね?そして観る目を楽しませてくれます。
小さなラッパのような花が鈴なりに咲いて、強い香りを周囲に漂わせ春を告げてくれる花ですね。
それでは、春の開花時には茎の先にモコモコとした花が咲くヒヤシンスを育ててみましょう!
Contents
ヒヤシンスの育成条件と栽培期間
- 日当たり:日なた
- 土壌酸度:中性(酸性の土壌を嫌います)
- 株 間 :約15㎝(球根3個以上の間隔が必要です)
- 栽培期間(球根植え付け)
:10月中旬~11月下旬 - 開花時期:3月~4月
※芽出しされた球根を苗として植えることもできます。
- 科 名:ユリ科の植物
- 属 名:ヒヤシンス属
- 原産地 :小アジア シリア ギリシャ
- 開花期 :3~4月
- 発芽温度:5~20℃
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ヒヤシンス栽培の土作り
地植え鉢植えともに水はけのよさを意識しましょう。ホームセンターで販売されている草花用腐葉土は便利なアイテムです。
こだわりのある方で「自分で土も用意したい!」そのような方にはブレンドをお勧めします。赤玉土に腐葉土を7:3の割合で混ぜます。元肥としては緩効性の粒状化成肥料を混ぜておきます。
それ程肥料の心配のいらないヒヤシンスは、初心者の方にも育てやすい植物です。むしろ、加湿が問題になります。日なたや水やりに注意しましょう。
庭の土をそのまま使えるかとの疑問があります。何ら問題は無いのですが、酸性土は適しておりません。庭の土の場合は、降雨により酸性度が高い場合があります。そこで、石灰を1㎡当り一掴み混ぜて中和しておきましょう。
球根の植え付け・苗の管理
地植えの場合
植えた後に日当たりが悪いからと言って、鉢植えのように日なたに移動することができません。あらかじめ日当たりと風通しの良い土地を選びましょう。
深さ10㎝位の穴を掘って球根を植えます。球根を複数植える場合は15㎝の間隔をあけておきましょう。
鉢植えの場合
植木鉢は直径15センチの5号鉢を用意します。プランターでの栽培も可能です。球根を3~4植えてプランターで育てると美しいですね。
水はけを意識して、鉢の底穴にネットを被せて鉢底石を敷き詰めましょう。その上に腐葉土等準備した土を入れます。鉢の2/3~3/4位まで土を入れます。
球根を鉢の中央に深さ5㎝位の穴を掘ります。上から土を被せて球根の周りにも土を補充しておきましょう
球根を植えるタイミングですが、発芽温度が15℃なので10月(秋)頃の涼しい季節になってからまきましょう。たっぷり水やりをして植え付け終了です。
水栽培の場合
水栽培セットがホームセンターで販売されています。ポットに水を入れて球根をセットします。水の量の調整が必要で、球根の底部が水に少し触れる程度で充分です。
水栽培のヒヤシンスも同じなのですが、冷所でないと花芽がつきません。根が出るまでは涼しく暗いところで保管しましょう。光が当たらないようにポットをアルミ箔で囲みます。
小学生の頃の教材では、黒い画用紙で水栽培の鉢を筒状にして囲みました。囲いを取らないと成長が観られないのは残念でした。
1週間に1度は水を入れ替えます。球底部から根っこが出て来たら徐々に水量を減らしていきます。根の先のみが水に付くように調整しましょう。多量の水は雑菌の発生となり病気の発生につながります。
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ポット苗を購入する
ヒヤシンスはホームセンター等でポット苗として販売されています。開花した時のイメージ写真が付いていて解りやすいですね。異なる色で咲かせるのか?同色でそろえるのか好みで選ぶことが出来ます。
苗の選び方は根がしっかりと張っていて、葉の色が生き生きとした苗を選びましょう。
花や株の大きさも揃うので、プランター栽培のときには苗の購入がおすすめです。
ヒヤシンスの水やりについて
水を与える時間帯は朝から午前中にしましょう。夕方以降は夜間の冷え込みによって凍ってしまう心配があります。
地植えの場合は土の表面が乾いてきたらたっぷり水を与えましょう。根付いてしまえば、根からの吸水能力がしっかりした植物なので水やりの心配はありません。
鉢植えの場合は、表面の土が乾燥していたらたっぷりの水を与えましょう。鉢から水が流れ出るほど与えます。
水栽培の場合は、1週間に1度水を入れ替えます。雑菌が繁殖してしまうことがあるので注意しましょう。また、球根の底部が水に浸る程度の水量にしましょう。カビの発生や病気の予防になります。
時期的な面からの水やり
10月~4月が成長期になります。乾燥させないよう水やりに注意しましょう。土の表面が乾燥していたら水やりです。
開花から葉っぱが枯れるまで水やりを続けます。しかし、5月~6月は休眠期に入ります。水やりの間隔や量を減らして調整していきます。
肥料の与え方
肥料要らずのヒヤシンスは、元肥をしっかり与えて置けば追肥は必要ありません。花が咲くまで元気に育つことでしょう。
咲き初めには液体肥料を水やりの要領で与えてもいいですね。
開花の時期とお手入れ
美しい花が咲いた後がポイントです。咲き終わった花を摘み取る「花がら摘み」を行います。茎や葉だけ残して摘み取っていきます。
花がら摘みは株を美しく保つだけではありません。次年度の球根(分球)にも影響を及ぼします。
光合成をする葉や茎は残しておきます。球根に栄養を溜めこんで来年の球根に栄養を蓄えていきます。
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ヒヤシンスは永久型球根
花を咲かせたままにしないで花がら摘みを行っていけば、不要な栄養が使われることを防ぎます。そして残された葉や茎が光合成をして球根に栄養を溜めこみます。葉や茎が黄色くなったら根元付近から切り落としてしまいます。
注意点は球根を植えっぱなしにしてはいけません。茎を切るタイミングで土から取り出し、ネットなどに入れて風通しの良いところで保管します。その後次年度のために10月~11月に植えて球根を寒さに触れさせましょう。
ヒヤシンスは分球で増やしていきます。開花が終わったら掘り起こします。放っておいても球根が増えるわけではないので手を加えましょう。
掘り起こした際に、球根に新しい球根が付いていたら分球のチャンスです。しかし、この段階で分球をするわけではありません。掘り起こしたら秋までネット等に入れて乾燥させてしまいます。その後、新しい球根を切り離してしまいます。
注意する病気や害虫について
それ程害虫の心配の少ないヒヤシンスですが、アブラムシの被害を受けることがあります。見つけ次第駆除してしまいます。市販の殺虫剤の散布がよいでしょう。
病気の心配は加湿や球根の傷などが原因で軟腐病にかかる恐れがあります。病気の発生自体を抑えなければならないのは効果的な薬剤がないからです。
病気害虫予防のためにも、日当たりと水はけの良い土地を選ぶことは大切です。そして、水のやりすぎは控えましょう。
水栽培の場合、球根が水に浸かりすぎているとカビが発生しやすくなります。球底がかすかに水に浸かるくらいにしましょう。
おわりに
ヒヤシンスの育成は、前年の秋に球根を植えて、冬の寒さを体験すると春に発芽する。寒い季節から育てる楽しみのある植物です。
彩り豊かで複数の株を成長させると花壇も賑やかに成ります。小さな花の集合体のヒヤシンスは育てて楽しい植物ですね。
種からの栽培も可能ですが少々時間がかかります。気長にプランターで育てるなら楽しみが続きますね。
上手に育てれば毎年春に咲くヒヤシンス。家庭栽培でもいかがですか?