香りの良い柚子は、女性にも人気でシャンプーや化粧品の香りとして用いられています。
ゆずは加工せず、そのまま食べることはできませんが、香りが良いことから化粧品の他にも料理の香りづけや冬至のゆず湯など、様々なことに用いられています。
今回は、そんな柚子の種まき〜収穫までの育て方、栽培時期や剪定方法・病害虫の対策についてお話ししていきたいと思います。
Contents
ゆずの特徴
ゆずはミカンの一種で寒さに強く、-7℃程度まで気温が低くなっても育ちます。ただし、その場合は暴風や鋼管などの対策が必要です。
ゆずはトゲがある枝が特徴的ですが、最近ではトゲがなくて育てやすい、品種改良されたものも増えています。
ご家庭でゆずを育てる場合には、このトゲのないタイプがおすすめです。
柚子の種まきの時期
収穫した種をまく場合には、種の表面がべたべたしていることがありますので、水洗いをして汚れを落としてから種を植えましょう。9〜12月が種まきの適期です。
収穫した種をそのまま植えると、べたべたした成分が邪魔をして発芽しないことがあります。水洗いをした後は、濡れた布巾やキッチンペーパーに包んで水分を含ませておきます。発芽した後は日当たりの良い場所に置いておきましょう。
植え替えするのであれば、成長具合の良い健康な芽だけを残し、高さが15cmから20cm程度の高さまで育ててから植え替えてください。
柚子の植え替え・苗から育てる場合
ゆずの植え替えを行う時期は、3月から4月頃が適しています。鉢から取り出した後は、根を傷つけないよう注意しながら植え替えをします。植え替えをするときには、土をかぶせ過ぎないよう浅めに植え付けをして、植え替えた後はたっぷりと水を与えましょう。
鉢植えで育てる場合は、すぐに鉢の中が根でいっぱいになってしまいますので、最低でも2年に一度は大きめの鉢に植え替えをして下さい。植え替えをするときは、成長の妨げにならないよう、傷んだ根はあらかじめ取り除いておきましょう。
用土と土
ゆずは、水はけがよく保水性の高い土を選びます。水はけの悪い土は腐葉土など混ぜてから植えるようにしましょう。鉢植えにする場合は、赤球土と腐葉土を7:3の割合で土を作ってください。
鉢の底には水はけを良くして土が流れ出るのを防ぐため、小石や軽石を敷いておきます。乾燥に弱いので鉢植えにする場合には、土の表面に草や藻をしいておき、乾燥を防いであげましょう。
ゆずに与える肥料は、栄養価の高い有機肥料や油かすのほか、即効性の高い液体の肥料を3月と6月、10月の3回与えます。実をつける時期は、特にたくさんの栄養分が必要になりますので、花が終わった後もこまめに追肥を行ってください。
柚子の水やり
ゆずは乾燥が苦手ですので、鉢植えにする場合は特に水をたっぷりと与えるよう意識して、水切れをおこさないよう注意しましょう。
地植えにする場合には、成長期である夏場は水を多めに与えて下さい。朝や夕方のまだ日が高くないうち、または日が沈みかけてから与えます。
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柚子の剪定方法
剪定は地域によって異なりますが、暖かい地域であれば2月ころから4月頃、それ以外の地域は3月頃から4月ごろに枝全体に日があたるよう間引きをします。
実をつける木は、木の形を整えながら育てる必要があります。また、3年以上たってから剪定をして下さい。3年以内の幼木の場合は、枝を育てることに重点を置き、葉を招きし過ぎないよう注意が必要です。枝が増えて交差しているところは、健康な太い枝を選び、バランスよく伸びられるようロープなどで横に引っ張って固定しておきます。
ゆずなどの木は、枝が縦に伸びると実がつきにくくなりますので、なるべく枝が横に広がるようにロープをつけて下さい。収穫時期に実をつけなかった枝は、春になったらきりおとして剪定します。
3年以上経過したら、2月から4月頃に伸びすぎた木や増えすぎた枝を切って取り除きます。一度実をつけた枝にのみ実をつける性質がありますので、実がつかなかった枝は10月ごろに短く切ってしまいましょう。枝の長さは、新しく伸びた枝と同じくらいの長さに切りましょう。
柚子の接ぎ木の仕方
ゆずは種から育てると実をつけるまでに10年以上と時間かかります。そのため、実を早く収穫するために「接ぎ木」という方法をとります。
ゆずの接ぎ木には台木としてカラタチの木を使います。カラタチは中国原産の木で、主に柑橘類の台木として多く用いられます。
ゆずは、最低でも1年以上経過してから接ぎ木を行います。接ぎ木は三月から五月、八月に行いましょう。
柚子の接ぎ木手順
まず穂木を用意します。穂木が乾いてしまわないよう、水を含ませた新聞紙やキッチンペーパーでくるみ、ビニール袋に入れて保存しましょう。保存には冷蔵庫に入れておくとよいでしょう。
穂木は根元を3㎜ほど削り、裏側も同様に7㎜程度削り取っておきます。次に穂木を斜めに切って、台木に根付きやすいよう皮は削り取っておきます。台木となるカラタチの木も、差し込む部分を穂木の根元の長さの合うよう斜めにカットして、その部分に穂木を差し込みます。
そのあとで、接ぎ木が落ちないようテープでしっかりと固定しておきましょう。途中台木から芽が出てきたときは、芽を取り除いてください。接ぎ木からは、約一か月程度で芽が出てきます。
柚子の収穫時期
ゆずは2m以上の高さまで成長するものもあり、耐寒性には優れていますが耐暑性は低く、暑さが苦手な植物です。ゆずは5月から6月頃に白い花を咲かせ、そのあとに香りのよい実をつけます。
完熟していない青いゆずは7月から10月、完熟した黄色い色をしたゆずは10月から1月ごろに収穫することができます。完熟した実は、あまり保存がききませんので、遅くても12月までには収穫しましょう。
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柚子の病気と害虫
実がつく木は虫がつきやすく病気にかかると栄養分が吸い取られ、実が十分に育たなくなってしまいます。
そのため、こまめにチェックをして、虫が付いていたり病気になっていないか確認しましょう。虫が付いている場合や病気にかかっている場合には、早めに対処する必要があります。
黒斑病と黒星病
ゆずが注意しなければならない病気は、黒斑病や黒星病です。黒星病はカビによる細菌が原因でかかる病気です。ゆずの葉に黒い斑点が付いていたらすぐに対処しましょう。
そのまま放置しておくとこの黒い斑点が全体に広がり、葉が落ちて実をつけられなくなってしまいます。黒星病は、湿気の多い時期に発生しますので、特に梅雨の時期には注意が必要です。
一度黒星病にかかってしまうと、薬剤では効き目がありませんので病気にかかった葉をとりのぞきそのほかの葉に薬剤をかけて病気を防ぎましょう。
ダニ
夏場はハダニやその他のダニがつきやすくなります。
ダニは水をかければ簡単に取り除けます。ダニは殺虫剤でも取り除くことができますが、実に殺虫剤がかかるのが気になるという方は、水をかければ水圧で簡単に取り除くことができます。
ダニが付くと葉が白く変色しますので、ダニが付いてしまった葉を見つけた時は、すぐにその葉を取り除いてください。
アオムシ(アゲハチョウの幼虫)
アゲハチョウの幼虫を早い段階で見つけられれば、すぐに幼虫を取り除いておくことで被害が広がるのを防ぐことができます。
見つけられない時は、念のため殺虫剤をかけておきましょう。ですが、幼虫はそれほど小さなものではありませんので見つけにくくはありません。
こまめにチェックをしていればすぐに見つけることができまので、葉の裏側を中心にこまめにチェックしておきましょう。
カミキリムシ
また、接ぎ木をする場合にはカミキリムシが台木につく可能性があります。カミキリムシが付くと、大きな木でも枯れてしまうことがありますので、こまめにチェックしてカミキリムシが付いていないかどうかを確認してください。
木の根元に木くずが落ちている場合は木の中にカミキリムシの幼虫が入り込んでしまっている可能性があります。穴が開いているのを見つけたらその部分に殺虫剤を撒いてすぐに駆除して下さい。
柚子の育て方のポイント
ゆずは日当たりを好みますので、日当たりの良い場所を選んで育てましょう。ゆずは観賞用としても人気の高い植物です。鉢植えにするとそれほど大きくならず、お部屋で育てても邪魔になることがありません。
ゆずをあまり大きくしたくないという方は、鉢に植え替えるときに全体の3㎝から5㎝程度の長さに根を切ってから鉢に植え直し、根の形を整えると同時に枝の高さも鉢の高さと同じくらいの高さに切っておくと、大きくなり過ぎず、観賞用としても楽しむことができます。
ゆずは、和食の飾り付けのほかにも保湿力の高いローションを自分でも作ることができます。ゆずを上手に育てて料理や香り、化粧品にといろいろな方法で楽しんでみてください。