パッションフルーツは種もそのまま食べることができ、酸味と濃厚な味わいが魅力のフルーツです。ビタミンやミネラルなど栄養価が豊富で、夏に収穫するフルーツということもあり熱中症対策や美容にも効果の高い果実です。では、このパッションフルーツをご自分でも育てられるということはご存じでしょうか。
コツさえ覚えれば、ご自宅でも充分育てられることができ、炭酸飲料に合わせたりお酒に入れたりアイスクリームに添えたりと、夏を満喫できるフルーツです。
また、大きく育ててグリーンカーテンに利用できたりと用途もたくさんありますので、これから果実を育ててみたいという方は、これを機会にぜひパッションフルーツにチャレンジしてみてください。
Contents
日当たりと置き場所
パッションフルーツはだいたい20℃前後で発芽し、 25℃程度まで暖かくなると開花します。南国で育つ植物ですので、地植えにする場合もなるべく日当たりの良い場所を選んで育てましょう。
ただし、30℃以上と気温が高くなり過ぎると日焼けをして、葉や実が焼け落ちてしまいますので注意しましょう。花芽が付いても黄色に変色してしまっているときは注意が必要です。
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パッションフルーツの水やり
パッションフルーツを鉢やプランターで育てるときには、土の表面が乾燥しているようであればたっぷりと水を与えましょう。水を与えるときは鉢の底から水が流れでてくるまで十分与えて下さい。
ただし、水を与えすぎてもよくありません。まだ土が湿っている状態で水を与えてしまうと、鉢の中で根が腐ってしまいますので注意しましょう。
地植えにする場合は植え付けを行った時に水を与え、それ以外は特に水を与える必要はありませんが、暑い日が続いていたり土があまりにも乾燥しているようであれば、ホースでたっぷりと水を与えて下さい。
パッションフルーツの用土
パッションフルーツは水はけのよい土を好みます。ホームセンターなどで販売されている果樹用の培養土をそのまま使用してもかまいませんが、ご自分で土を混ぜ合わせる場合には赤球土を3、腐葉土を7の割合で混ぜ合せましょう。
水はけを良くするために川砂を混ぜて使用してもかまいません。それだけでは不安ないようであれば、赤球土を3、腐葉土を3、鹿沼土を2、バーミキュライトを2の割合で混ぜ合せると良いでしょう。バーミキュライトは園芸用品店やホームセンターに行けば購入できます。
パッションフルーツの肥料
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パッションフルーツは、植え付けるときに堆肥や効き目の緩やかな肥料を与えます。鉢植えにして育てる場合には、液体肥料、または窒素系の肥料を1週間に一度与えると良いでしょう。
成長が進み、花がつき始めたら花芽がつきにくくなりますので、窒素系の肥料は控えてリン酸系の肥料に切り替えてください。肥料は4月から10月まで、1カ月に一回程度を目安に与えて下さい。
パッションフルーツの種まき
パッションフルーツの種は半透明のゼリー状の物質にくるまれています。この「仮種皮」には、発芽を抑制する物質が含まれていますので、種から育てたいのであれば種を取り出した後、よく水で洗ってから種まきをしましょう。
パッションフルーツを種から育てる場合には、肥料が含まれていない土に蒔いてください。種まき用の培養土が販売されていますので、それを使用してもかまいません。鉢に土を入れたら、肥料が含まれていない培養土の上に種をまき、上から軽く土をかぶせておきましょう。
パッションフルーツは発芽するまで1週間から 2カ月程度と時間がかかりますので、発芽しないからと言ってあきらめず気長に待ちましょう。種まきをする時期は5月から9月のあたたかい時期が適しています。
鉢植えにする場合
パッションフルーツを鉢やプランターで育てる場合には、なるべく大きなものを選んでください。パッションフルーツは根が広がりますので、鉢であれば7号から10号、プランターは80cm以上のものを選び、鉢とプランター1つにつき、それぞれ1株から2株植えてください。
あらかじめ混ぜ合わせておいた土を用意して、水はけを良くするために鉢の底にネットを敷いた後、鉢底石を入れておきます。鉢の1/3から半分程度の深さまで土を入れ、苗を植えるのに十分な穴を掘り、根っこの部分が1cmから2cmほど隠れるように土をかぶせます。
肥料を根から少し離れた所に蒔き、支柱を立てて苗木が倒れないよう紐を使ってしっかりと固定して下さい。紐はあまり根元に近づけず、15cmから20cmほど離れた所に結びましょう。
苗木を植え終わった後は、たっぷりと水を与えましょう。水が鉢の中全体に行き渡るよう、鉢の底から水が流れてくるまでしっかりと水を与えて下さい。
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地植えにする場合
地植えにする場合は日当たりと水はけが良く、直接風が当たらない場所を選びましょう。苗木を植える10日から2週間前までに石灰をまいてよく耕し、土を中和させておきましょう。1週間前までには堆肥や腐葉土を混ぜ合せ下準備をしておきます。
植え付けを行う場所に穴を掘り苗木を植えますが、植え付けした時に根元が地面より少し高くなるよう土を盛りますので、そのことを踏まえて穴の深さを調整して下さい。
苗木を植えた後はその周辺に30cmほどの高さになるよう土を盛ります。しっかりと根付くまでは傍に支柱を立てておき、紐で固定したあとでたっぷりと水を与えましょう。
剪定と切り戻し
主枝やツルが伸び過ぎてしまったときは剪定を行い、栄養分が全体に行き渡るようにします。
剪定を行うと成長が促されて、より多くの実をつけますので鉢植えや地植えをして、高さがおよそ30cm程度に成長したら先端をカットして、枝が横に伸びるよう形を整えましょう。
パッションフルーツを誘引するには
パッションフルーツは、ツル性の植物ですのでツルが伸びてきたら誘引が必要です。
鉢植えで育てる場合には、周囲に3本から4本支柱を立てた後、リングで囲って固定します。グリーンカーテンとして利用する場合には、ネットにツルが絡みつくよう誘引しましょう。
始めのうちは水平上にツルを伸ばしていき、1mから1.5mの高さまで成長したらツルを上向きに誘引しましょう。
パッションフルーツの収穫方法
パッションフルーツは、開花してから2ヵ月程度で収穫できます。実が青から赤紫色になると食べごろのサインです。
軽く実を持ち上げたときに自然に茎から実が離れるようになるまで待つと、甘く完熟した果実が収穫できます。水が足りていないか実を多くつけ過ぎていると、実が十分熟す前に実が落ちてしまいます。
パッションフルーツの増やし方(挿し木)
パッションフルーツは挿し木で増やすことができます。挿し木にするには、茎を1節から2節程度のところからカットし、水を張った容器にカットした枝を入れておき、1時間ほど水を吸わせてから鉢に植え替えて、日当たりの良い場所で管理します。
ただし直射日光は避け、レースのカーテンをかけておくなど、半日陰になるよう注意しましょう。根が出てくるまでは土が乾燥しないよう注意し十分に水を与えて下さい。
また、パッションフルーツは丈夫な植物でもありますので、水を入れたコップにカットした枝を入れておいただけでも、1週間から2週間ほどで根が出てきます。枝の根元から根が生えてきたら鉢に植え替えてあげましょう。
育て方のポイント
パッションフルーツを育てるには気温20℃から30℃が適しています。気温が13℃以下、または30℃以上になるとつぼみが黄色く変色してしまったり、果実が熟す前に落ちてしまうことがあります。
冬はなるべく室内の日当たりの良い場所で育て、室温が8℃以下にならないよう注意すれば冬をこすことができます。雪が降らない温かい地域にお住まいの方であれば、外で育てることも可能です。その場合は水やりを控えましょう。
気温に注意してポイントを押さえておけば、0℃前後まで寒くなっても耐えることができ、葉が落ちてしまっても、根が傷んでいなければ春にもう一度発芽し実をつけることができます。
パッションフルーツの病害虫
パッションフルーツは、病害虫の被害に遭いやすい植物ではありませんが、アブラムシやカイガラムシには注意しましょう。
特に風通しが悪い場所で育てると、カイガラムシが発生しやすくなります。カイガラムシが発生した場合には、歯ブラシなどを使ってこすり落して下さい。また、幼虫が付いていた時は薬剤を散布すると駆除することができます。
パッションフルーツを育てて南国ムードを味わおう
いかがでしたか。今回はパッションフルーツの育て方とポイントについて紹介しました。パッションフルーツは鉢植えにすれば雪が降る寒い地方の方でも育てることが可能です。
上手に育てて完熟した身をつければ、夏にはアイスクリームに乗せたり、お酒や炭酸ジュースの中に入れたりと、見た目にも涼しげな夏のスイーツを楽しむことができます。
育て方もそれほど難しくありませんので、観葉植物や家庭菜園、果樹を育てたことがないという方もぜひチャレンジしてみてください。