秋に植える野菜

わさび菜の種まき〜収穫までの育て方!栽培時期や病害虫の対策など

わさび菜の種まき〜収穫までの育て方!栽培時期や病害虫の対策など

「わさび菜」といってイメージするのは、キザキザした葉っぱが特徴的な野菜ですね。アブラナ科に属する野菜「からし菜」の一種になります。九州の在来種の「からし菜」から育成されたのが「わさび菜」です。

味のことはさておき、「わさび」や「からし」といった刺激系の名前が付けられているのも特徴的です。

ところが、名前は「わさび菜」ですが、お寿司やお刺身に使用する「わさび=わさび属」とは関係がありません。味覚としては、名前の通りに「ピリッ」と辛いわさび風味ですが、強い刺激ではないので風味のある葉物野菜として用途の多い野菜です。

さて、ビタミンも豊富な「わさび菜の育て方」家庭菜園でチャレンジしてみましょう!

わさび菜の栽培時期と育成条件

わさび菜の栽培時期と育成条件

 

わさび菜の育成条件

  • 日当たり:日当たり良好で風通しのよい環境を好みます
  • 土壌酸度:中性・苦土石灰を用います
  • 植えつけ:間引きを行い最終的に株間20~30㎝前後
  • 栽培期間:一年中可能ですが、秋まきが育てやすいです

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わさび菜栽培の土作り


【ハイパワー苦土石灰】

種まきの2週間前までに、苦土石灰を施して土壌を中性にしていきましょう。1週間前になりましたら、堆肥や元肥を入れて耕します。養分を土に馴染ませていきます。

過剰なまでの肥料は、後々アブラムシの害虫被害を発生します。元肥は控えめで、成長状況を見ながら追肥を行うのでよいと考えます。

葉物野菜にある事ですが、肥料が多ければ良い野菜が育つとは限りません。

畝作り

水はけをよくし、マルチを活用するので畝を作ります。

畝幅は50~100㎝でマルチの幅に合わせて結構です。

畝高は20㎝位で水はけ良ければ問題ありません。

マルチ張り

畝作りが終了したら、雑草の予防や保温・保湿効果を高めると育成が良くなるのでマルチをします

マルチ張りが終わりましたら、種をまくので20㎝間隔で切り込みを入れます。

切り込みを入れると地面が露出するので、支柱等を押し当てて地面に溝を作ります。

種まき・苗の管理


【わさび菜 種】

マルチの溝(地面)に種をまきましょう。溝に5㎝間隔くらいで種をまいていきます。最終的には10㎝~20㎝で1株なので、間引きを想定した種まき間隔です。

種をまいたら覆土です。1㎝位の覆土で発芽を待ちましょう。覆土が多すぎる(厚い)と発芽率が悪くなります。マバラ発芽の「わさび菜畑」になってしまいます。

覆土をしたらたっぷり水を与えましょう。注意点は、覆土が薄いので、強い水流での散水はやめましょう。種が流され表面に出てしまいます。

寒冷紗ネットの活用!


【寒冷紗(白)】

寒冷紗ネットは必須と考えます。アブラナ科の「わさび菜」というだけで連想してしまうのが「アブラムシ・アオムシ・コナガ」といった害虫たちです。家庭菜園の敵たちに、対策が解っているので行います。寒冷紗ネットで防ぐには「種まき⇒即ネット」です。

害虫は発芽したら卵を産み付けに来ます。産み付けられたら後の手間ヒマが大変なので、種まきの後に直ぐに寒冷紗ネットです。

半円形の支柱でトンネルを作ります。寒冷紗ネット又は防虫ネットを行います。秋まきがおすすめなのは、病害虫被害がやや抑え気味な季節だからでもあります。

台風シーズンは寒冷紗も支柱ごと飛ばされる(なぎ倒される)ことがあります。支柱をしっかり地中に差して、横断的に支柱を連結して補強をしておきましょう。

冬場も強風よけとしての効果もありますので寒冷紗ネットは便利ですね。霜よけの効果も期待できます。
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わさび菜の特徴

わさび菜の特徴

生育温度は?

15~20℃ですが、耐寒性に強い野菜なので真冬でも育てられます(ただし、ゆっくり育ちです)

真冬に発芽は困難です。そこで、秋に種をまいて発芽させて冬の収穫が理想です。野菜不足・冬のビタミン不足を「わさび菜」で補いましょう。

冬のビタミンと言えば「C」不足が気になります。わさび菜は「C」が豊富なので嬉しいですね。水溶性のビタミンCは調理方法も気を付けましょう。わさび菜に含まれるビタミンの含有量は多くても、調理操作で溶け出してしまう事があります。水溶性ビタミンの悲しい現実です。

さて、体内でビタミンAになるカロテンも豊富なのが嬉しいです。「A」は過剰摂取が問題になりがちですが、カロテンから体内でビタミンAに変わるので、特異なケースでなければ、過剰摂取の心配はないです。

間引き

間引きを行って大株にしていきます。

  • 本葉2~3枚になったら1回目の間引きのタイミングです。生育の悪い株、茎や葉が歪んでいる株から間引いていきます。
  • 本葉が5~6枚になったら2回目の間引きのタイミングです。株間を4~5㎝にしていきます。

間引きではありませんが、草丈が20㎝程に成ったら1株おきにハサミで収穫してしまいます。これにより、残った株が大株に育っていきます。

大株に育ってくれれば、外側の葉っぱからかきとるように収穫していきます。長く収穫できる「わさび菜」は冬に嬉しい野菜です。

わさび菜の水やりについて

発芽の時や生育初期の乾燥は育ちが悪くなりますので気を付けていきましょう。

生育後期は加湿に気を付けたいです。

真冬の水やりも気を付けたいところです。良く晴れた午前中に行いましょう。水は毎日与えなくても問題ないです。

わさび菜の追肥問題

本葉が5~6枚になった、2回目の間引きの頃に追肥を行いましょう。少々問題なのが、肥料の与えすぎです。アブラムシを喜ばせることになるので過剰な肥料は要注意です。

かき採りながらの収穫を行う場合は、追肥を行いながら収穫すると長く楽しめます。栽培期間が長くなる場合は、このような追肥も大切です。
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病害虫について

アブラムシ

アブラムシが発生する事があります。光るものを嫌う習性があるので透明のマルチも効果があります。木酢液などの忌避剤をまいておく。寒冷紗ネットで被害を防止することもできます。

アオムシやコナガも寒冷紗ネットで防げるので、種まき後すぐにネットです。

「わさび菜」は連作障害が起きる野菜です。作付けを行った翌年は他の野菜にしましょう。1年以上間隔を空けてください。

収穫について

収穫について

いよいよ収穫の時期ですね。間引きではないのですが、草丈20㎝位になったら1株おきにハサミで収穫します。残した株が大株に成長します。背丈が25~30㎝になったら株ごと収穫をします。

さて、とう立ちする性質があるので春に収穫するわさび菜は株ごと収穫します。秋から冬にかけて収穫するわさび菜は、順次外葉から収穫していきます。

わさび菜といえば「ピリッ」とした辛味が心地よい野菜です。この辛味の成分は、寒さにあたる期間が長くなるほど増加していきます。殺菌・抗菌効果が期待されている成分です。食欲増進にも効果があります。

収穫の期間まで、種まきから1~2ケ月と短いので、初心者の方でも楽しみながら育てられます。肥料や水やりもあまり気にならないのが楽ですね。

おわりに

わさび菜の育て方について説明してきましたがいかがでしたか?真冬でも収穫ができる野菜として何かと重宝ですね。

辛味の活かし方で、インパクトのあるサラダ菜としての活用。漬物なら浅漬けにすると辛味が活かされますね。

加熱しても変色が少ないので、冬なら鍋の食材としても活躍してくれます。緑の食材として活かすなら天麩羅の食材としても重宝です。

冬は外葉からかき採りながらの収穫なので、長く収穫を楽しめます。株数を増やして育てれば、毎日の収穫も可能となります。

生で食べる時の辛味、熱にも強く、加熱しても色の変化が少なく風味も残ります。加熱すると辛味は少なくなるので、苦手としている子どもにも食べやすくなります。

冬場のビタミン補強としても期待できる「わさび菜」を春まきと秋まきで育ててみましょう。育ち方の違いも実感できて楽しいですよ。



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