玉ねぎは育てる手間もほとんどなく、仕事をされていて日曜日しか畑の作業ができない人にも最適な野菜です。
さらに、畑がなくてもプランターで作ることもできます。
今回は、玉ねぎを作り方について、種まき〜収穫方法・病気や害虫対策までご紹介していこうと思います。
Contents
玉ねぎの育成時期と栽培条件
- 日当たり:日当たりのよいところ
- 土壌酸度:弱酸性~中性
- 植え付け:株間12~15cm
畑作りについて
畑の一部に苗床を作ります。玉ねぎの苗は水はけを良くしないと根が腐り枯れてしまうので、畝の高さより少し高くし高低差をつけ水はけを良くすることを忘れないようにして下さい。
準備ができましたら苦土(クド)石灰と少しだけの肥料を入れ軽く混ぜ込み、その後1週間位して種まきます。
畑の準備は詳しく説明すると長くなってしまうので、細かいお話は後ほどまとめてご紹介します。
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種まきの手順について
種の蒔く時期についてですが、玉ねぎの種類は早生種や晩生種がありますので、上記を参考にしつつ、種の袋の裏にある詳細などを確認してみてください。
苗床を作るときは定植の時期から逆算して準備して下さい。
苗まで育てるのが面倒な方は、苗を植える時期になりますと園芸店やホームセンターで苗を売っていますので、それを利用しましょう。
- 土の上に板か棒で筋目を入れます。そこに種を蒔いていきます。
- 種を蒔き終えたら、その上に軽く土をかぶせて手で軽く押さえておきます。
- 大体1週間で発芽しますがそれまで水を切らさないようにして下さい。なお畑に毎日来られない方はプランターで栽培されたら良いです。
プランターで育苗する場合
プランターで育てる方は、プランターの1つは育苗用、もう1つは本植え用とした方が便利です。なければ1つでも大丈夫です。
種まきの準備は畑用と一緒です。ただ培養土でしたら水はけが良く肥料成分も一緒に抜けていきますので気をつけて下さい。発芽したら間引き作業、追肥は2週間ぐらいに一度、化成肥料を10グラムくらいで大丈夫です。
なお、苗床・プランターとも発芽して50日を過ぎる頃苗は高さが15㎝くらいになり太さは割り箸くらいに成長していると思います。
太さはこれくらいが一番良い状態で鉛筆やボールペンなどの太さを超えていたらとうがたってしましますのでよく観察して下さい。
マルチの張り方と定植方法
畑にはマルチを張る方と張らない方がいらっしゃいますが、穴あきマルチを張りますと春の雑草が生えるのが殆どなく手入れが簡単です。
畑の水分も蒸発しないため、余程のことがない限り水やりは不要で、しかも成長が早いです。マルチを張らない方は、特に雑草には気をつけて下さい。
植えるときは穴あきマルチの場合は15㎝の間隔で穴が空いているため、簡単に植えることができますが。マルチを張らない方は15㎝の株間をとって植えて下さい。
10㎝間隔で植えることもできます。そうすると玉は少し小さめとなりますが数が多く収穫できるというメリットがあります。
玉ねぎのマルチ張り・定植の注意点
マルチを張る方は、張る日はなるべく雨天の翌日にして下さい。長期にわたって雨が降らないときは十分冠水させてさせてから張るようにして下さい。
張るときは、畑の上部をできるだけ凹凸がないよう整地して、マルチの端をマルチ押さえで押さえ反対側に転がして引っ張り止めて下さい。畑の横部分は土で押さえても良いですがマルチ押さえを利用すると便利です。
植えるときの注意ですが、苗を見ますと茎に根から白い部分がありますが、この部分が少し見えるように植えて下さい。また長いひげ根がある場合は少し切って植えて下さい。植える時は苗の太さより少し大きめの棒などで穴を開ければ簡単に植えることができます。
少し根が張り始めた頃に霜などで苗が浮き上がってくることがあるので、そのような場合は細い板を置き、足で踏み苗が浮き上がらないようにすると良いです。
プランター栽培の場合
プランターで育てる場合は、条間(縦の筋)を15㎝にして2条にし、株間を10~12㎝くらいにして植えて下さい。
追肥時期などは畑栽培と一緒ですが肥料や水分が抜けやすいので注意して下さい。
また、タマネギは湿気を嫌いますので、水のやり過ぎには注意して下さい。
追肥の時期と方法
玉ねぎは栽培期間が長く、肥料をたくさん必要としますので、2回(〜3回)の追肥が必要になります。マルチを張っている場合は、はがさずにマルチの穴に肥料を蒔けばOKです。
追肥の時期と回数は、いろいろな本を読んでいても書いてあることが違い、混乱してしまうかもしれませんが、下記を目安に育てる玉ねぎの種類と栽培環境を考慮して、育っていく玉ねぎの様子を見ながら追肥していきましょう。
- 1回目:1月下旬〜2月上旬
- 2回目:3月中旬〜下旬
玉ねぎの収穫時期と収穫方法
収穫時期の目安
一般地では5月の連休頃には早生種の葉が下部で急に折れ初めますが、全体の80%くらい倒れたら全部収穫しても良いです。晩生種は5月末くらいで同じことが起こります。
急に葉が折れ出すと、初心者の方は何か病気かと思われますが、これは「もう収穫して下さい」という合図です。
収穫方法と注意点
収穫ですは好天が続く日を利用して行います。倒れたらすぐ抜いて太陽に当て乾燥させます。
そしてある程度乾燥したら葉を少し残し収穫するのですが、これは茎を結んで干すのに利用するためです。これが面倒でしたら収穫用の袋が販売されていますので、数個入れて干せば良いです。
倒れたらすぐ葉を落とし、1日畑に置いて置くと糖分が増えていきますので、試してみてください。
玉ねぎの貯蔵方法
タマネギは、干せば干すほど体に良い「ケルセチン」が増え、保存性も良くなります。
畑やプランターから引き上げたら日陰で風通しの良いところで保管して下さい。
乾燥させたタマネギを箱などで保管する場合は新聞紙でくるめば大丈夫ですが、空気を通さない袋に入れますと痛みますので注意下さい。
玉ねぎの病気と害虫について
ベト病
玉ねぎの病気と言えばベト病があげられます。
ベト病の原因は、土の中にいるカビが強い雨が降る際などに土が跳ね上げられ、葉にそのカビが伝染して周りのものにも移り、暖かくなると発症するものです。
マルチをしていれば土が跳ねないのでベト病にはなりにくいですが、心配な方は消石灰を撒くと予防になります。
ネギアザミウマ
一番多いのがネギアザミウマの被害です。この虫は1ミリちょっとの大きさで少し離れて見ても見えません。前日まで何もなかったのに、葉が白っぽくなってきたら、この虫の食害の可能性があります。
育苗期に繁殖してしまうと、生育の遅れがありますので注意が必要ですが、それ以降は「タマネギはもう葉は食べないので大丈夫」と割り切れってしまえば比較的影響が少ないです。
玉ねぎに使用可能な農薬はいくつかありますが、無農薬にしたいという方は「0.5ミリ編み目の防虫ネット」なども有効です。
タネバエ・モグリバエの幼虫
土の中のタネバエ・モグリバエの幼虫が、種子内に食入し胚芽を食べてしまうことがあります。食害を受けた種子は発芽できず腐敗し、苗を植えた場合に苗が育たなくなることがあります。。
異常を感じたら、小さなスコップで5㎝くらいひっくり返すと、幼虫がその根を食べているかどうか確認できます。
小さな畑の場合は、植える前に土をひっくり返しバーナーですべてを消毒する等の方法がありますが、大きな畑の場合は石灰をまくのが予防としては効果的です。
一度発生してしまったら、無農薬での除去は難しいです。
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畑づくりについてさらに詳しく!
前半では軽く説明してしまいましたが、畑づくりについて詳しくご説明します。
興味のある方はぜひ読んでみてください。
畝作りと肥料
玉ねぎを育てる畑(畝:ウネ)作りましょう。
畑が健全で、そして有能な微生物を育てるため、堆肥(タイヒ)を1㎡あたり2~3Kgを土の中に混ぜます。そんなに深く混ぜる必要はありません。
最短で1週間ほど経ちましたら次に苦土(クド)石灰を1㎡あたり100gくらいまき、土と混ぜます。この時、化成肥料を一緒に入れるとアンモニアガスが発生しますし、不溶性リン酸カルシウムに変化して肥料効果が落ちてしまう可能性がありますので、化成肥料は1週間後に入れて下さい。なお、有機石灰のときは大丈夫です。
また、発酵した有機肥料を同時に入れる場合は、どの石灰と同時に入れても問題ありません。
そして肥料を入れてない方は、この作業の1週間後に畝の上に肥料をまき土と混ぜてください。また苗を植えるのはできれば畑が落ち着いた頃の1週間後を目安にして下さい。
日本は雨がよく降り、石灰分が流れてしまって畑が酸性化してしまいますので、中和する必要があります。玉ねぎは酸性土壌では育ちにくいです。
肥料に関する注意点
肥料の入れ具合ですが、今まで何も植えていなく初めて野菜を植える場所なら、購入された肥料の袋に書いてある量を入れて下さい。畑の上に蒔いてかき混ぜればOKです。
初めてではなく、野菜が植えてあってその後にタマネギを植えるなら、野菜がいらない肥料は吸収していません。つまり「残肥がある」と言いますが、袋に書いて有る要領の半分か1/3で良いです。
肥料が多く入っていますと害虫が多くなったりとうがたったりして、良いことはありませんので、最初の肥料は少なくして肥料が少ないと思ったら追肥するようにしてください。
準備ができた畑は、苗を植える時期まで間が空くとあまり良くありません。タマネギを植える時期は11月中旬から12月はじめなので、これらの時期に合わせ3週間くらい前に畑の準備をされるのが良いでしょう。
また少し早くできた場合は黒色のマルチ(ビニールで出来ています)で畑を覆って下さい。
- 植え付け3週間前に堆肥を入れる。
- 植え付け2週間前に苦土石灰を入れる。
- 植え付け1週間前に肥料を入れる。
- 肥料は入れすぎない。
- マルチ栽培をするなら穴あきマルチを張っておく。
- 苦土石灰とはマグネシウムが入った石灰と考えて下さい。効果は根の張りをよくしたりカルシウムの補給をします。
- 有機石灰とは貝殻や卵の殻を粉砕して作られたもので、これをまいてもすぐに種を蒔いたり苗を植えても大丈夫です。
- 堆肥とは肥料成分は少し有りますが土壌改良材と考えて下さい。動物の排泄物や樹木の皮などを発酵させてものです。
- 化成肥料とは窒素・リン酸・カリウムを科学的に作ったもの即効性が有るため、これを蒔いてすぐ苗を植えると根を傷め枯れることが有るので要注意です。
- 有機肥料とは有機物つまり動物の排泄物や植物の絞りかすで作られています。使いやすいのはこれらを発酵させてものです。
玉ねぎの特徴
玉ねぎはうれしいことに常温で保存でき、料理の材料としては煮物・炒め物・焼き物そして生食としてもおいしくいただけます。
そして、ツンと来る辛味の硫化アリル(アリシン)はがん細胞をやっつけてくれますし、ケルセチンは免疫力を始めとし他の野菜にはない身体を良くする働きしてくれます。
このように玉ねぎは、とても育てやすくて健康にも良いので、ぜひ育ててみてくださいね。
おわりに
いかがでしたでしょうか。追肥のタイミングや害虫対策などは難しく感じたかもしれませんが、実際にやってみるとタマネギ栽培は手間がかからず楽ちんなのです。
玉ねぎは健康的で育てやすいので、ぜひ玉ねぎ作りに挑戦していただきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。