クリスマスシーズンの象徴的な植物「ポインセチア」は、メキシコの山地を原産とする常緑性低木。真っ赤なポインセチアがメジャーですが、盛んな品種改良によって白やピンク、復色などさまざまな種類があります。
一色だけの鉢植えでも十分楽しめますが、色違いで寄せ植えにしても素敵。ポインセチアは冬の寒い時期に貴重な、部屋に彩りを与えてくれる植物です。
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ポインセチアの栽培時期と育成条件
- 日当たり:日なた
- 生育適温:20~30℃
- 用途:鉢・プランター
- 耐寒性:弱い
- 耐暑性:強い
- 耐陰性:弱い
- 花色:赤・ピンク・紫・白・複色など
- 草丈:20~150㎝
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ポインセチアに適した栽培環境
日本では冬に出回るポインセチアですが、元々はメキシコを原産地とする暖かい場所を好む植物です。そのため、日当たりと温度管理が重要です。
九州地方の一部では外で越冬することも可能ですが、10℃以下になると、葉が傷んだり枯れたりするので、冬でも窓際の寒い場所などは避け、20~30℃ある暖かい室内に置いてあげましょう。
また、5~9月は外で管理し、夏の直射日光を避けて、ほどよい日陰で管理すると葉が傷みません。
ポインセチアの苗の購入
ポインセチアは種から育てることもできますが、市場に多く出回っているのは苗です。種を探して育てるよりも、苗を購入するほうが楽でしょう。
苗を購入する時のポイントは次の通りです。
- 幹の部分が太くてしっかりしているもの
- 葉にツヤがあり色がきれいなもの
- 葉先が丸まっていないもの
- 下葉が落ちていないもの
ポインセチアの苗を購入したら
ポインセチアの苗を購入したら、鉢やプランターを用意して植え替えをしてあげましょう。ポインセチアにとって日本の寒さは厳しいので、基本的に地植えにはしません。
また、苗の植え付け適期は3~5月です。暖かい気候になって行うと、苗の負担が減ります。
用意するものは以下の通りです。
- 購入時よりも一回り大きな鉢
- 受け皿
- 用土
- 鉢底ネット
- 鉢底石
ポインセチアは排水性と保湿性に優れ、有機質が十分含まれている土を好みます。基本的には、市販されている観葉植物用培養土を使用して構いません。
自分で土を配合する時は、赤玉土中粒:腐葉土を5:3の割合で作りましょう。また元肥として緩効性化成肥料を施しておくとよいでしょう。
植え付けの手順
植え付けの手順は以下の通りです。
- 鉢やプランターに鉢底ネットと鉢底石を敷き詰めて、用土を容器の3分の1入れる
- 購入した苗をポットから取り出し、根についている土をはらう
- 不要な根(伸びすぎているもの・傷んでいるもの)は取り除く
- 苗を容器にセットし、2~3㎝のウォータースペースを確保できるように土を入れる
- 十分な水分を与え、暖かい場所に置く
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ポインセチアの水やり
ポインセチアは加湿を避け、乾燥気味に育てることがポイントです。生育期と休眠期は水やり方法が異なりますので、おぼえておきましょう。
いずれの場合も、水やりの時間帯は加湿を避けるために午前中に行い、受け皿に溜まった水は捨てるようにしてください。
生育期(4~10月)
土や葉から水の蒸発が活発になる期間です。土の表面が乾いていたら、十分な水やりを行いましょう。葉に水がかかると傷みますので、根元に優しく注ぎましょう。
また、午前中の水やりだけでは足りないと感じたら、夕方に再度水を与えてもよいでしょう。
休眠期(11~3月)
休眠期はポインセチアがあまり水を吸わなくなる期間です。
土の表面が乾燥したと確認して3~5日経過してから、水を与えましょう。この時、与える水分量は控え目にしてください。
ポインセチアの追肥
追肥は生育期(4~10月)に施しましょう。生育期以外は与える必要はありません。追肥は、植え付け時に与えた緩効性肥料の効き目が薄れてきたら、同じ緩効性肥料を2ヶ月に1回与えるとよいでしょう。
肥料の与えすぎはポインセチアに負担になります。適量を守って施しましょう。
ポインセチアの花
ポインセチアの開花時期は11月~1月。花として誤解されやすい赤やピンクの部分は「苞」と呼ばれる花を守るための葉の一部です。
花は苞の中心に囲まれた黄色くて小さな部分なので、残念ながら見て楽しむ花とは認識されていません。
苞は環境や管理が良ければ4月頃まで楽しむことができます。
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ポインセチアの栽培管理
植え替え
ポインセチアが生長して、鉢やプランターが窮屈そうな時は、植え替えをしましょう。適期は5~6月。
植え替えの手順は、苗を購入して植え付けをする時と同様です。容器は株よりも一回り大きなものを用意してください。
個々の生長状態にもよりますが、植え替えは1~2年に1度の割合で行うとよいでしょう。
剪定
ポインセチアをコンパクトかつ形の良い状態を保つためには、剪定が必要です。5月頃に、苞の下3分の1を切り落として下さい。剪定作業を行うことで、新芽の生長を促すことが可能になります。
また、風通しを良くするために混み合っている部分の枝も同時にカットしましょう。ポインセチアの生長が著しい場合は、再度夏に剪定を行い、形を整えましょう。
剪定する際に気を付けることは、手袋を着用すること。ポインセチアから出てくる白い液は、体質によっては皮膚炎や水ぶくれなどを起こす可能性があります。また、口に入っても良くありません。
特に犬や猫などのペットが口にした場合は、中毒症状を起こす可能性があるので、取り扱いには十分注意しましょう。
短日処理
短日処理とは、花芽をつけるために行う作業です。ポインセチアは、日照時間が短いことで開花が促進される「短日植物」。日の当たる時間が短くなるにつれて、花芽をつけ開花へとつながると同時に、苞の色づきも促されます。
短日処理を行うのは、9月~11月にかけて約1ヶ月間。時間帯は17時~7・8時頃に鉢やプランターを段ボールですっぽり覆う、または光の入らない暗所へ移動させましょう。
日光以外の人工的な部屋の光にも反応するので、段ボールなどには隙間ができないよう、しっかりとガムテープを張りましょう。
日中は日光に当て、夜間は真っ暗な環境で管理することで、開花時の綺麗な色合いを楽しむことができます。
ポインセチアがなりやすい病害虫
病害虫には、灰色かび病・すす病、カイガラムシ・アブラムシ・ルイスアゲハダニなどがあります。害
虫が病気の元になる菌を運ぶことがあるので、日光があたり風通しの良い環境を整え、剪定を行うことが大切です。
毎日ポインセチアを観察しながら、害虫を発見したらすぐに捕殺するようにしましょう。予防策として、予め殺虫剤を土に入れておくのもよいでしょう。
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ポインセチアの増やし方
増やし方としては、挿し木が一般的でしょう。作業をする時は、剪定の時と同様にポインセチアからでる白い液体が体に付かないように手袋を用意してください。
挿し木の適期は5~7月。株の上部にある枝を約10㎝カットして、上から数えて2~4枚の葉を残し、残りは処分してください。
枝の切り口から出た白い液体は、出なくなるまで水で流し、拭き取ってから発根剤を塗りましょう。
小粒のビートモス・バーミキュライト・パーライトに挿して、約1ヶ月すると発根が始まります。発根したら植え付けの時と同様に、用土に移し替えましょう。
さいごに
ポインセチアを育てるポイントは、とにかく寒さにあてないこと。また、暖房や冷房などの風にも注意が必要です。多年草に分類されるので、初心者にはちょっと難しいかもしれませんが、きちんと管理をすれば翌年も花や苞の色合いを楽しむことができます。
クリスマスシーズンの一時だけでなく、長期楽しめる植物として栽培管理はしっかりと行いましょう。