モロヘイヤはオクラや金時草に並ぶ「ネバネバ野菜」の代表的存在です。鉄分やカルシウム、ビタミンB群・C・E、カロテンなどが多く含まれ、大変栄養価の高い野菜です。
モロヘイヤの自生力はとても強く、乾燥や高温に耐える力があるのでガーデニングを始めて間もない人でも育てやすい夏野菜です。
今回は、モロヘイヤの育て方についてご紹介します。
Contents
モロヘイヤの栽培時期と育成条件
日当たり:日なた・半日陰
生育適温:25~30℃
用途:地植え・プランター・鉢植え
土壌酸度:6~6.5pH
耐寒性:弱い
耐暑性:強い
モロヘイヤの栽培環境
モロヘイヤは基本的に風通しと日当たりの良い場所を好みます。
ただし、強い直射日光が当たると弱ることがあるので、プランターや鉢で育てる時は半日陰になるような場所に移動してあげましょう。
モロヘイヤは寒さに弱い面がありますが、乾燥や高温に耐える力があります。
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モロヘイヤの土作り
モロヘイヤは保水性に優れ、水はけの良い土を好みます。
プランター栽培の場合
一般的に販売されている野菜用の用土を使います。
地植えの場合
土を自作するのであれば、畑土か赤玉土と腐葉土を7:3の割合で用意し、土が酸性に傾かないように石灰肥料を入れよく混ぜ合わせましょう。
石灰肥料を入れるタイミングは、元肥を入れる半月前です。
モロヘイヤの種蒔き
モロヘイヤは育てやすい野菜なので、ほとんどの場合は種蒔きから栽培を行います。
ただし、初期の育成スピードがとても遅いので、時間がかかるのを避けたい場合は、苗を購入するところから栽培を始めても構いません。
- 9㎝くらいのポットと種を用意する
- ポットの8分目くらいまで土を入れ、1つのポットにつき5~6粒の種を入れる(この時、指で2.3ヵ所窪みを作ると種を入れやすい)
- 丁寧に1~2㎜土をかぶせる
- 最後に水をたっぷり与え、発芽まで乾燥に注意しながら管理を行う
- 発芽したら、変形しているものや細いものは間引き、最終的には1本立ちに仕上げる
モロヘイヤの発芽適温は25~30℃ですので、気候が充分に暖かくなってから種蒔きを行うようにしてください。
目安として、最低気温が20℃以下にならなくなったら適期と考えてよいでしょう。種を撒く前日に、種を一晩水に浸しておくと発芽しやすくなります。
地植えで栽培する時の前準備
モロヘイヤの種が発芽して、ある程度成長したら畑へ植え付けを行いますが、その前にあらかじめ畑を作って準備しておきましょう。
既に記載したように、石灰肥料を土に混ぜて半月経過したら深さ、幅共に15㎝の溝と幅50㎝の畝を作ります。この時、溝の長さ1メートあたり化成肥料大さじ3、油かす大さじ5、水肥を5~6にぎりを溝にまいて土に栄養を与えましょう。
元肥を施し終えたら、黒マルチを張ります。黒マルチを張ると寒さに弱いモロヘイヤを低温から守ったり、雑草の繁殖を抑えたりすることができます。株間は30~40㎝で設定してください。
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モロヘイヤの植え付け
1本立ちにしたモロヘイヤの草丈が15㎝くらい、本葉が5~6枚になったらプランターや鉢または畑に移動させましょう。
プランター・鉢栽培の場合
モロヘイヤは植え替えを必要としないので、初めからある程度大きさのある鉢やプランターを用意します。鉢であれば8号以上に1株、プランターであれば幅60㎝のもので2.3株が目安です。
用意したプランターまたは鉢に土を入れ、ポットで育てている時と同じくらいの穴を作ります。
一度土に水を与え、しっかり水が引いたのを確認してから浅くモロヘイヤの苗を植え付けます。土をかけて苗が安定したら、再び充分に水を与えましょう。
畑に地植えする場合
植え付けを行う時に畑が乾燥しているようであれば、モロヘイヤの株元に水を軽く与えましょう。
あまり水をあたえすぎると、土の温度が下がってしまうので気をつけてください。
モロヘイヤの水やり
土の表面が乾燥しているようであれば、充分に水やりを行います。モロヘイヤは乾燥に強いので、水が不足してもすぐに枯れることはありませんが水が不足すると葉や茎が固くなります。
美味しいモロヘイヤを収穫するためには、水やりは重要なポイントになります。特に気温が高くなる季節には、プランターや鉢で栽培すると土が乾燥しやすくなるので、こまめに土を確認するように心がけましょう。
モロヘイヤの肥料
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肥料を定期的に与え、栄養を行き渡らせることで沢山のモロヘイヤを収穫することができます。
最初の追肥は植え付けから20日以上経過してから、液体肥料か化成肥料をあたえるようにしましょう。
その後は、モロヘイヤの葉の硬さを確認しながら月1回、または半月に1回肥料を与えてください。
モロヘイヤの栽培管理:摘心
摘心とは主枝を摘む作業のことを言います。
モロヘイヤを放置するとすぐに1m以上伸びてしまうので、草丈が30㎝以上になったら摘心を行いましょう。
主枝を切ることで他の枝に栄養が行き渡り、側枝の成長の促進につながります。
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モロヘイヤに発生しやすい害虫
モロヘイヤは病害虫の心配がほとんどありません。
ただし、葉が混み合うと虫が発生することがあるので、摘心などを行って風通しの良い環境を作るように心がけましょう。
コガネムシ
体長が2㎝くらいの緑色をしている甲虫で、特に夏場の気温が高い環境で発生しやすくなります
幼虫は植物の根を食害し、成虫になると葉を食害します。幼虫は耕運する時、成虫は活動前の早朝に見つけ出して捕殺するようにしましょう。
ハダニ
空気の乾燥や気温が高いと繁殖しやすくなるクモの仲間です。葉の裏や葉が茂っている場所に多く発生し、繁殖力のとても強い害虫です
ハダニは葉を食害して栄養を吸い取るので、植物の成長に影響を及ぼします。また、とても小さいので早い段階で発見するのが難しいのですが、水に弱い特徴があるので予め霧吹きなどで葉水を与えると発生の予防につながります。
ハダニが大量に発生してしまった場合は、ガムテープやセロハンテープでの駆除や、殺虫剤を散布するなどして対応します。
農薬や殺虫剤を使いたくない場合
コガネムシやハダニに行う対策として農薬や殺虫剤を使うことに抵抗がある場合は、お酢を水で50~100倍に薄めたものを、霧吹きなどで葉や茎に散布してください。
この酢水によって害虫がつきにくくなります。お酢の成分が多いとモロヘイヤに負担がかかるので、気をつけましょう。
モロヘイヤの収穫
収穫の適期は7月から9月上旬。若い葉や茎を食べることができるので草丈が50㎝くらいになったら、葉先から20㎝くらいの長さをハサミで摘み取ります。
茎がポキッと折れるので、手で収穫することも可能です。収穫し終えても再び成長するので、草丈が高くならないうちにどんどん収穫しましょう。
また、花が咲いてしまうと葉や茎が固くなるので、花はこまめに取り除くようにしてください。
モロヘイヤの注意点
モロヘイヤの莢(さや)とその中にある種には、ストロファンチジンという猛毒が含まれています。
万が一口にした場合、嘔吐や下痢、食欲不振などの症状を起こす可能性があり、最悪の場合命の危険も危ぶまれます。種を保管する時は、必ず子どもやペットなどの目につかない場所で保管するようにしましょう。
また、莢の近くの茎にも毒が含まれている可能性があるので、花が咲いた後(秋にかけてモロヘイヤが枯れ始めたころ)以降の茎は、食べないようにしてください。
おわりに
ほぼ病害虫の心配もなく、特に手間のかからないモロヘイヤ。
土づくりをきちんとすることによって長期間収穫をすることができ、連作障害もないので翌年も再び同じ土地で栽培をすることがでるお手軽な野菜です。
暑い夏を乗り切るために、ぜひモロヘイヤの自家栽培に挑戦してみてください。