夏に植える花

あじさいの育て方!花の色ごとの肥料選びや剪定方法・増やし方についてなど

あじさいの育て方!色ごとの肥料選びや剪定方法・増やし方についてなど

梅雨時に咲く花の代表と言えば、あじさいです。青やピンクの涼しげな花は、湿気の多い時期に人々に癒やしを与えてくれる存在です。

あじさいの原産地は日本。ヤマアジサイやガクアジサイは日本在来種です。良く見かける丸い形をした西洋アジサイは、日本のあじさいがヨーロッパに渡り品種改良されて、輸入されてきたものです。

今回は、水やりの観点から、楽に育てられる地植えの育成方法をご紹介します。

あじさいの栽培時期と育成条件

あじさいの栽培時期と育成条件

 

あじさいの育成条件
  • 日当たり:日なた(耐陰性あり)
  • 用途:地植え・鉢植え
  • 耐寒性:普通 耐暑性:やや弱い
  • 花色:青・ピンク・紫・白・グリーンなど
  • 草丈・樹高:30㎝から3M




あじさいの植え方

あじさいの植え方

あじさいを植える時は苗を購入します。挿し木で増やしていく植物なので、種まきすることはありません。

苗を選ぶ時は、葉が綺麗な緑色でツヤがあるものを選ぶのがポイントです。花の色にこだわりがある場合は、既に咲いている花の色を確認してから購入します。これは、蕾から花が咲く段階で花の色が変化するからです。

苗を植える適期は、3~4月か9月です。あじさいは、成長すると縦と横に広がっていく植物ですので、可能であれば広いスペースを選ぶようにしましょう。また、日光を好みますがあまり強いと葉焼けを起こします。耐陰性もある植物なので、適度に木漏れ日が当たるような場所が適しています。


【花木 庭木の苗/アジサイ(ハイドランジア)】

あじさいの土作り

あじさいは特に土を選びません。しいて言うならば、湿り気のある良く肥えている土を好みます。

土を自分で作る時は、赤玉土と腐葉土を6:4の割合で混ぜたものがおすすめです。土の酸度によって花の色が変わるので、希望があれば土作りの段階で調整します。

青色のあじさいを咲かせたい場合


【プロトリーフ 培養土 青アジサイの土 5L】

花色を青色にしたいときは、土を酸性に傾かせます。

赤玉土、腐葉土、ピートモスを5:3:2の割合で混ぜます。

ピンク色のあじさいを咲かせたい場合


【プロトリーフ 培養土 赤アジサイの土 5L】

赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜます。

苦土石灰を一握り投入し半月寝かせましょう。

花の色ごとの土について

花の色に分けて、市販の土も販売されています。土壌酸度を調節することで、ヤマアジアイやガクあじさいの花色はほぼその通りになりますが、丸い形をした西洋あじさいでは土の影響が少なく、反映されないこともあります。

また一つ注意点として、日本で降る雨は酸性であることから、その影響によって次第に土が酸性に傾いていく傾向があります。ピンク色の花を維持したい時は、春先に苦土石灰を土に与えるようにしましょう。

あじさいの水やり

あじさいの水やり

植え付けを行った直後の1週間以外は基本的に必要ありません。葉を観察して元気がないようであれば、与える程度で充分です。

ただし、鉢植えをした時の水やりの頻度は別です。表面の土が乾燥する前の段階で、鉢そこから水が溢れるくらい与えるようにしてください。

水切れを起こすと花付きが悪くなるので、夏は特に朝と夕方の2回、土が乾いていないかチェックしましょう。
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あじさいの肥料

地植えにした時は、特に肥料を与えなくても大丈夫です。ただ、元気な花を沢山咲かせたい場合は肥料を施します。

タイミングは、苗を植える3~4月、花後の7~8月、休眠期の12月中旬から2月上旬の3回です。ゆっくりと効き目があらわれる緩効性化成肥料を使用しましょう。


【青花アジサイ専用肥料 400g】

あじさいの剪定

あじさいの剪定

あじさいは必ず剪定が必要な植物ではありません。ただし、成長するにつれて横幅が広くなり、丈も伸びて行きます。

そのため、剪定しないままにしておくと、花の咲く位置が成長と共に高くなります。花の咲く位置を丁度良いと感じるところに留めておきたい場合は剪定をしましょう。

剪定をすることによって、次の年に咲く花に栄養を回すという利点もあります。

7月の剪定

8~10月になると、次の年に咲く花芽が出てきます。

花が咲いている状態でも、上から2節目を目安に切り戻しをしましょう。切った花は、花瓶に入れて楽しんでください。

剪定の適期を逃してしまった場合は、そのまま放置しておいた方が良い場合があります。この時期を逃して剪定を行うと、来年咲く予定の花芽を切ってしまう可能性が出てくるからです。

冬の剪定

この時期に行う剪定は、あじさいの大きさを小さいまま維持したいときに行うことが目的です。古い枝や枯れている枝、徒長枝を中心に根元から落とし、小さい仕立てにしましょう。

ただし、次年度に花が咲く位置は枝の先端であるので、枝先は切らないように注意します。切ってしまうと、来年咲く花がなくなるので注意しましょう。
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あじさいに発生しやすい害虫と害虫病

あじさいは病害虫にかかりにくい植物ですが、土の湿度が高く雑菌が繁殖した時などに病気になることがあります。

定期的に剪定を行い、風通しの良い環境を作っておくことと、殺菌剤を散布することにより予防できます。

下記は、あじさいがかかりやすい病害虫です。

ハダニ

ハダニ

ハダニは梅雨明けからの発生が多くなり、0.5mmと大変小さい害虫で、葉の裏に多く寄生し食害します。

葉の裏に白色の小さい無数のかすり傷や斑点を発見したら、ハダニがいると疑いましょう。

繁殖する期間も短いので、発見したらガムテープやセロテープと使って駆除します。環境や人に優しい薬剤を使用しない退治方法もあります。

カミキリムシ

カミキリムシ

幹の内側を食害する害虫です。活動時期は5~7月。

幹に穴が空いている、穴から木くずが出ている場合はカミキリムシを疑いましょう。見つけたらすぐに捕殺するのが一番効果的です。

幹の穴には薬剤(スミチオン乳剤)を脱脂綿に湿らせて穴に入れ、塞いでしまいましょう。

うどんこ病

糸状菌(カビ)が原因の病気です。この菌が好むのは20~25℃の気温と、湿度が低い環境です。

葉の表面が白い菌で覆われることにより、光合成が出来なくなるので栄養が行き渡らずに、育成不良をおこします。

菌が移るのを防ぐため、病気になった部分は除去し、感染源をなるべくなくすことが大切です。重曹スプレーや酢スプレーを作り散布すると原因のカビ菌を死滅させることができます。

黒点病

うどんこ病と同じく糸状菌が原因で、茎や葉に黒い斑点が現れることが特徴です。菌が増え続けると葉が落ち、株全体が弱り生育障害を引き起こす原因となります。

温度、湿度共に高い状況で発生しやすいので、発見した場所はすぐに切断して薬剤の散布で菌の拡散を抑えましょう。

株間をあけ、剪定をきちんと行い風通しをよくすること、水やりの際は、葉でなく株元に水を与えるようにすることが予防につながります。

あじさいの増やし方

あじさいの増やし方

あじさいは、株分けと挿し木で増やすことができます。初心者にとっては、挿し木の方が簡単です。

春に前年枝を使用する春ざしと、6月くらいにその年の枝を使用する夏ざしがあります。いずれの場合も、勢いがあり健康に成長している株から挿し穂を取るようにしましょう。

  1. 切り取った枝を15~20㎝にして葉は半分切り落とす
  2. 切り口を洗い、水上げを数時間行う
  3. 新しく用意した土に挿す

挿し木の用土は、川砂、パーライト、バーミキュライト、赤玉土、鹿沼土など水はけがいいものが適しています。

最初の3日間は毎日水やりを行いましょう。肥料は必要ではありません。1ヶ月位たつと発根するので、植え替えを行います。

冬のあじさいの注意点

冬のあじさいの注意点

冬になると葉も落ちるので、枝だけの状態になります。

寒さには比較的強いのですが、冷たい風に当たると枯れることがあるので、植え付けを行う時は、あまり風が強く吹くことがない場所を選ぶようにしてください。

おわりに-あじさいが白色なのはなぜ?-

 あじさいの育て方!色ごとの肥料選びや剪定方法・増やし方についてなど

土壌酸度によって花の色が左右されるアジサイは、青やピンク、紫などが主流ですが、最近見かける白いアジサイは土に関係なく、白い花を咲かせます。その理由は、アントシアニンという色素を最初から持っていないからです。

これらの色以外にも咲き始めから終わるまでに何回も色が変化する品種もあり、とても奥深い植物です。

あじさいは強く、管理や手入れがとても楽な植物ですので、気軽に育ててみましょう。



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