しょうがはアジアの熱帯地域が原産です。辛みの成分には殺菌作用があり、料理の香辛料にも用いられます。日本料理以外では中国料理でも多用されています。
また、漢方薬としての用途があり、胃腸の整腸作用として服用されています。近年では冷え性対策として「しょうが汁」の飲用も注目されています。
根や茎が利用される根しょうがは7月~11月に市場に出回ります。葉しょうがとして利用される谷中しょうがとしては、軟化栽培された筆しょうががあります。生食や酢漬けで食用されています。
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しょうがの栽培時期と育成条件
日当たり:日なた(ただし幼苗は強い日光を嫌う)
土壌酸度:中性
植えつけ:株間30㎝前後
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葉生姜
根生姜
タネしょうがの植え付け
タネしょうがを入手して植えつけます。タネしょうがをそのまま植え付けても芽が出るまでに1~2ヶ月かかってしまいます。そこで、芽つけた50g~60gに切り分けたしょうがを2~3日日光にあてておきます。
こうすると発芽が早くなります。しょうがは強い日光に弱いのですが、植え付けは3月中下旬なので気にする必要はありません。
発芽温度が高いので植え付けのあとは覆土を行う(3~5㎝)が深植えに注意しましょう。敷き藁は乾燥・低温防止に役立ちます。
しょうがの定植適期
しょうがは低温を嫌う野菜です。15℃を下回ると枯れてしまうので、充分温度が保たれ始める3月中下旬がタネしょうがの植え付け時期です。
地温が安定しない時期に植えつけると土中でタネしょうがが腐ってしまいます。植え付けを急ぐ必要はありません。タネしょうがを植えつけてから1~2ヶ月で発芽となります。新芽の頃は4月中旬~5月中旬になるので気温は安定します。
株間は30㎝前後がよいでしょう。深埋めにすると発芽が妨げられるので3~5㎝の覆土としましょう。
しょうが栽培の土作り
プランター栽培も可能なのでマンションのベランダでも家庭菜園が楽しめます。市販されている腐葉土を元肥として活用すると手間がかかりません。
しょうがは連作障害が心配な野菜です。前回栽培してから3年~4年はあけましょう。立ち枯れの原因ともなります。加湿に注意な野菜なので、水はけが良く肥沃な土地を好みます。植え付け2週間前までに苦土石灰をまいて耕しておきます。
タネしょうがには発芽後5~6葉まで必要な養分が蓄えられています。植え付けの1週間前までに元肥としての堆肥と化成肥料を施します。
・堆肥3㎏
・化学肥料100g
※市販されている腐葉土を利用するのも便利です。
マルチ張りと敷き藁
定植前に畝を作っておきます。幅は50㎝高さは10㎝必要です。苗は株間30㎝で定植しますので、畝の横幅は50㎝が必要です。高さは10㎝位が良いでしょう。加湿に注意な野菜なので病気防止にもなります。
ポリマルチは保温効果があるので便利です。種しょうがの植え付け時は低温に注意が必要です。
一方で、発芽後は土寄せが頻繁な野菜であり、ポリマルチをよける(まくり上げる)操作が大変です。手間がかかり取り除いてしまったことがあります。しょうがは土寄せが3回必要なので手間となります。
そこで、敷き藁が便利です。保温・保湿効果も期待でき、土寄せもの際にも手間がそれほどかかりませんでした。苗が成長したら除去するのも藁の方は手がかかりませんでした。
定植のポイント
タネしょうがの定植は低温の心配のなくなってくる3月中下旬に行います。寒さのリスクが高い時期に植えると低温のため、土中でタネしょうがが腐ってしまいます。
タネしょうがは向きがあります。芽の向きを上にして植え付けます。発芽が遅くなりますので注意しましょう。
しょうがの特性
土中のしょうが肥大して収穫します。そこで余分な栄養を雑草に持っていかれないためにも、除草がこまめに必要な野菜です。追肥も2週間おきに行いましょう。葉が大きくたくさん出ないと、しょうがの部分が肥大しません。
また、収穫に向けて追肥と土寄せが必要な野菜です。除草後に追肥と土寄せを3回行います。土寄せをしないと肥大化しないしょうがの収穫に終わります。
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しょうがの水やりについて
タネしょうがの植え付け時は、土となじませるためにたっぷりと水やりを行いましょう。
乾燥に弱い野菜です。発芽後も水やりが必要です。プランター栽培では毎日2回。畑では2~3日に1回の水やりが必要です。土の表面の乾燥を防ぐためにも敷き藁は効果的です。
しょうがの栽培管理
植え付け発芽が上手くいっても除草・追肥・土寄せ、さらに水やりと乾燥防止と手間のかかる野菜です。しかし、病害虫も多くないので育てやすい野菜です。
乾燥に弱いしょうがですが、水やりのし過ぎには注意が必要です。地面が湿っている状態を保ちますが、水たまりになっていては生育にマイナスです。こまめに水やりを行う管理が必要です。
茎が弱いため強風(台風)で折れてしまうことがあります。特にマンション高層階のベランダでの育成は注意が必要です。台風時には風の弱い所(背後が壁になっている等)へ避難しましょう。
病害虫について
連作障害に特に注意が必要な野菜です。前作から3~4年はあけましょう。連作障害になると立ち枯れになります。夏に葉が黄色になるのは病害虫より水切れが原因です。また、「モザイク病」「根茎腐敗病」なども心配な野菜です。
発生してしまった場合は病株と周辺の土の除去が必要です。他株の全滅を防がなければなりません。タネしょうがは無菌状態の畑で生育された、信頼できる物を購入しましょう。毎年購入先を決めておく、一度成功したら購入先を変更しないと安心です。
害虫は「ヨトウムシ」「アブラムシ」「センチュウ」などが心配です。いずれも発芽後幼苗の頃に被害を受けます。被害が深刻の場合は薬剤散布も考慮しましょう。
病害虫ではありませんが野菜の相性というものがあります。しょうがは「じゃがいも」との相性がよくありません。隣同士に植えたことがありますが、生育がいまいち良くありませんでした。同じ地下に生育する野菜同士で栄養素を奪い合うようです。
追肥の手順
発芽後2週間目から2〜3回行っていきます。しょうが部分の肥大化を促進させます。
- 敷き藁を除去する
- 追肥を行う
- 軽く土寄せを行う
しょうがの収穫時期と収穫方法
しょうがの収穫時期
葉しょうがの収穫時期は夏ごろです。根元が赤くなってきたら収穫の適齢期です。
葉が大きく成長した頃、筆しょうがの収穫時期は6月~7月です。茎部分の肥大が確認出来たら収穫です。
しょうがの収穫方法
葉しょうが株ごと引き抜き収穫します。
筆しょうがは新芽の部分のみをかき取るように収穫します。新鮮なしょうがは生食ができます。
おわりに
しょうがの育て方について、タネしょうがの植え付けから収穫までご説明しましたがいかがでしたか。植えたタネしょうがが肥大化していき夏から秋に収穫します。
乾燥を嫌う野菜ですが、水やりのし過ぎには注意が必要な野菜です。水やりはこまめに行う必要があります。特にプランターでの育成は毎日の水やりです。状況に応じてポリマルチや敷き藁を上手に併用しましょう。
タネしょうがはホームセンターや直売所で手頃な金額で購入できるので気軽に育てられます。春先になると販売が始まります。じゃがいもと同時期ですが、じゃがいもとの相性はよくないので近くで育てない方が良いです。
ぜひ、しょうがの家庭菜園にチャレンジして、美味しいしょうがを作ってくださいね。しょうがは新陳代謝の促進にも効果があるとのことです。