炭措疽病菌(糸状菌=カビ)がもたらす植物に引き起こされる病気をいいます。野菜や果物、草花、庭木、観葉植物などの葉っぱや果実のほとんどに発症してしまいます。
茎や葉っぱ、枝に発症しますと灰白色や黒ずんだ円形のまだら模様が現れます。葉っぱ全体に伝染しその進行により中心部分が破れやがては穴が空き枯れるという運命をたどります。
なお果実につきましては、煤状態のまだら模様が全体に広がりを見せます。その特徴は、乾いた状態では黒い粒になり湿った状態では赤褐色の粘りのある胞子の塊が表面に現れることにあります。
炭そ病の発生時期
この病気の発生しやすい気温は15度以上で湿度が高い環境を好みます。
この病害の症状は葉っぱの湿った状態が一日に数十時間以上続き、加えてこのような日が連続する場所で発生します。6月、7月、9月、10月は特に注意が要されます。
なお若い植物体よりも老齢の植物体の方がより感染するとされています。
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炭そ病の原因
先にもお話ししましたが、この病害は高温多湿の環境を極度に好みます。都合の悪いことには、屋外の風や雨により他の植物につぎつぎと感染し拡大することにあります。
高温多湿状態で土の水はけが悪く、風通しもよくないが養分を十分に吸収し葉っぱの繁茂が優れている場合には、病害の発生には格好のロケーションになりますので注意が必要になります。
室内での水やりにも十分注意が必要になります。それは水やりを高所からしますと水滴が土から跳ね上がりを繰り返すために他の植物に糸状菌=カビが伝染するからです。水やりの細やかな心遣いによりさらなる感染拡大の防止になります。
炭そ病の予防
兎にも角にも高温多湿を好みますので、畑の水はけをまめにして密植を避けて繁茂した葉っぱやツルを上手に間引き風通しや日当たりの良好な環境にしてやることが大切になります。
雨水での泥はねを防ぐためにもマルチや雨よけ方法も大切な手段になります。具体的な予防方法をまとめてみましょう。
- しっかりとした剪定により葉っぱや茎、株の風通しを良くしましょう。
- 炭そ病に罹りやすい野菜や植物の連作は避けましょう。
- 土の水はけが大切ですので怠らないように心がけましょう。
- 養分としての窒素が多い肥料は、控えめにしましょう。
- 株の根元にビニールや他の覆いをして、泥はねを避け感染の防止をしましょう。
- 水やりは株の根元にして、葉っぱには水がかからないようにしましょう。
- 野菜、果物などを収穫した後は菌=カビが残置しないように土の消毒をしましょう。
- 病害にあった葉っぱや果実は摘除し焼却処分をしましょう。
- 殺菌剤の散布により感染を少しでも食い止めましょう。
以上のようになりますが、何をおいても病害の感染拡大防止が最大の防御になることを肝に銘じましょう。
炭そ病の対策
この病気にかかりますと、葉っぱが枯れ落ち果実が落下して収穫量が激減したりします。さらには外観の見た目が悪くなるといった被害にあいます。
この憎き病害は感染拡大を引き起こしますので、他を差し置いての早期の対策が必要になります。ここでは基本的な病害防止対策をまとめてみました。以下の通りとなります。
- 健全な親株などの確保と育成が必要になります。発病した苗と一緒に育成した苗は親株にしないようにすることです。それには、雨よけの施設造りや排水対策の徹底化を図ることが大切になります。
- 育成期の潅水は丁寧にする必要があります。連続した長時間の潅水は極力避けましょう。また密植を避けて風通しを良くしましょう。
- 早い時期から定期的な薬剤の散布が必要になります。この病気は、発病しましたら手が付けられません。治療ができないために予防のための散布を徹底的にしましょう。
- 発病株の早期発見とその徹底的な除去が必要になります。除去しました株は、育苗床やその周辺の伝染源となりますので放置をしないようにしましょう。恐ろしいことに除去された株も感染している可能性がありますので安心ができません。十分の注意を払いながら感染拡大防止のための対策が重要になります。