チランジア(ティランジア)=エアプランツと呼ばれているプルメリア科の植物で、原産は南米から中米になります。日本では樹木に着生して育てたりもしますが、原産地では森の中の岩やサボテンに着生して自生します。
環境の変化に強いチランジアは、乾燥地帯から湿度の高い地域まで様々な地域に分布しています。雨や露から水分を吸収して成長していき、子株を出して増えていきます。葉っぱからは想像できないような美しい花が咲くので、インテリアとして育てる方も多いですね。
それでは、南国ムード満載の「チランジア=エアプランツ」の育て方を解説します。
Contents
株の選び方
株選びの際には、葉の色が変色している株は避けて緑がきれいな葉の株を選びましょう。お店の人が育てる際に、葉先に手が触れてしまい傷んでしまった株もあります。
チランジアは見て楽しむ植物でもあります。購入後に部屋のどこに置くのか事前にイメージすることが大切です。個体によって株の形が異なるので、購入の際は気に入った形を選ぶのも大切です。
枯れている株の見分け方は、持って軽いものは要注意です。中が枯れている場合があります。また、根本部分が腐っていないかも観ましょう。100円ショップでも販売されていますが、管理がしっかりされているのでしょうか?注意して選びましょう。
チランジアの育成場所の選び方
中南米原産の植物ですが、直射日光を好みませんので日陰で育てましょう。日陰というより、直射日光の当たらない明るい場所が良いですね。夏の窓際などは意外と強い日光が当たるので注意が必要です。
もう一つ大切なのが風通しの良い場所を選びましょう。夏場や高温多湿の梅雨の時期には注意が必要です。冷房の風が直接当たる場所での育成は止めましょう。
気温は30℃以上にならないに適温に管理します。夏場の締め切りの部屋は高温になりますね。北側のひんやりしたお部屋に移動しておくのも良いでしょう。
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屋外で育てる時の注意
チランジアは屋外で育てる事もできます。しかし、水や温度、直射日光の管理がしづらくなります。
水に関しては、梅雨の長雨や台風でなければ屋外管理で問題ありません。雨が降らない場合は給水が必要なくらいです。
直射日光は厄介です。特に夏場の日光は株を傷めますので、遮光ネットや日陰での栽培にしましょう。
冬季は屋外での栽培はやめましょう。屋内に取り込める育て方、小さめのラティスにくくりつけるなら簡単に移動できます。屋外は風通しの面では問題がありません。
水と養分のやり方
チランジアは土に根を伸ばす植物ではありません。
空気中の水分を取り込んで成長します。土に植えると蒸れて腐ってしまいます。
水やりの方法はミスティングとソーキングの2つがあります。
ミスティング(霧吹き)
水やりは週に2~3回が目安です。霧吹きで株全体に与えます。全体が湿るようにたっぷり与えた後は、乾かすことが大切です。乾かさないと株の中心部に水分が残り、腐らせる原因になります。
水やりの時間帯ですが、夕方から夜間にあげましょう。昼間も水分は必要ですが、昼間は水分で蒸れてしまいます。
湿気を嫌うチランジアの水やりは、梅雨や真夏・真冬は控えめの水やりとします。
ソーキングでの水やり
ソーキングでの水やりもあります。水を張った容器にチランジアを浸けてしまう水やりの方法です。充分に水やりができるのですが、葉っぱの間に水分が残ってしまうと腐る原因になるのでしっかり乾かしましょう。その後、風通しの良い所に置きます。
ソーキングの注意点があり、湿度の多い梅雨の時期には止めましょう。また、水温は室温と同じ位の水温にします。いずれにしても、長時間の浸け過ぎは厳禁です。
以上の事から、ソーキングは絶対に必要な水やりではありません。水分不足で枯れかけてしまったチランジアに、充分な水を与える水やりと考えましょう。
肥料の与え方
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養分の与え方ですが、基本的にはチランジアに養分は必要ありません。弱ってしまったチランジアに養分を与える考えは間違いです。養分は成長の季節・子株ができる前に補足的に与える考えです。
成長期は4~6月と9~10月になります。元気に成長している株のみに与えます。弱っている株に養分は与えても逆効果です。
液体肥料を1000倍に希釈した物を、水やりの1回として与えます。週に2~3回の水やりのうち、1回を液体肥料にしましょう。
弱ってしまっているチランジアは、養分の不足ではありません。育てている環境はどうでしょうか?強い日光を浴びている。意外と朝日を毎日浴びているとか、夏の西日も要注意です。風通しはありますか?室内の環境も整備しましょう。その後に元気になったら養分を与えます。
チランジアの温度管理
冬の温度管理に注意が必要です。屋外で育てるのは難しく、5℃以上の温かい場所で育てます。屋内の玄関はどうでしょうか?深夜は5℃以下に下がることもあるので適していません。
屋内の窓際も注意が必要です。冬の日光は問題ないのですが、夜間や早朝に室温は高くても、窓際の温度は意外と低くなります。
エアコンの風が直接当たる場所も避けましょう。乾燥により株の活気も無くなり、葉の色が悪くなります。
夏の猛暑期も注意が必要です。室温は20℃が適温です。屋外では直射日光を避けるようにしましょう。
チランジアは病害虫の心配の少ない植物です。ハダニの心配くらいです。
高温や乾燥によりハダニは繁殖します。週2~3日の水やりで対処しましょう。
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子株の増やし方
チランジアは子株を分けることで増やす事ができます。花が咲き終わると子株がつくことが多いです。
子株がつくと親株は栄養を子株に送ります。親株の成長がほぼストップします。子株がある程度の大きさに成ったら分けます。
子株が小さ過ぎると、株自体に体力が無いので成長が遅くなったり、枯れてしまうことがあります。目安は親株の2/3位の大きさです。子株を分けた後に、親株に養分があるとまた子株が付くことがあります。
分けた子株が成長して花を咲かせ、子株を付けるまでに数年かかります。分けた子株は小さく、乾燥や湿度にも弱いです。水やりや置く場所には注意しましょう。
チランジアを育てるポイント
チランジア=エアプランツの育て方、株の選び方から説明してきましたがいかがでしたか?
チランジアの育てるポイントをまとめると3つに集約できます。
- 「水」1週間に2~3回を目安に霧吹きで行いましょう。ソーキングは必ずしも必要ではありません。
- 「光」直射日光は避けましょう。特に日本の真夏の日光は厳禁です。冬の昼間に日光を少しあてるのは問題ありません。
- 「風」風通しの良い場所で育てましょう。湿度に弱い植物なので腐ってしまいます。エアコンが直接あたる場所は避けましょう。
そして、エアプランツの名前からも分かるように土いらずの植物です。インテリア性に富んでいて室内に飾るに適した植物です。
透明のガラス容器に入れて机の上に置くのもおすすめです。容器に入れずに天井から吊り下げる方法もありますね。
おわりに
チランジアは交配種や変種が豊富です。葉の色が緑色の「緑葉種(りょくようしゅ)」特に直射日光には注意が必要です。
「銀葉種(ぎんようしゅ)」シルバーグリーがあります。葉の表面を「トリコーム」が覆っていて美しい色彩で、水分を取り組む役割があります。比較的乾燥にも強い種類です。
電化製品やインテリアに緑の物は少ないように感じます。そこで、エアプランツの緑や花の色が加わるとワンポイントのインテリアになりますね。
天井や照明器具からエアプランツを下げたり、壁に掛けたり装飾はさまざまなアレンジが可能です。ぜひ、チランジア=エアプランツを育ててインテリアに加えてみてくださいね。