植物の葉っぱや茎がうどんこをまぶしたように、白く斑点が見られる症状になることを言います。薔薇やブドウなどそのほか野菜(トマト・キュウリなど)にも多く見られます。
この白い斑点は「カビ(糸状菌)」や「べと病」といわれるものです。このカビの繁殖により植物の生命線である光合成が妨害されてしまいますので、枯れる前に早期の発見、早期の処置が重要になります。
初期の段階であれば、薬剤の散布により症状の悪化を防ぐこともできます。そこで以下に原因や予防対策などをお話しします。
うどんこ病の発生時期
一年では5月、6月、9月、10月、11月頃に発生しやすくなります。多くの植物は、この時期に生育が早く成長期を迎えます。
ことに夏の時期は、気温が高いためにこのカビは乾燥を好み植物の葉っぱの栄養分を吸い取ってしまいます。葉っぱだけではなく、蕾などにも感染させて開花を遮断させたりしてしまいます。
この時期を十分に予防警戒することにより被害を軽くすることができます。
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うどんこ病の原因
うどんこ病の原因は、土や落ち葉などの中に生存するカビ(糸状菌)によるとされています。菌が軽いために風に吹かれて飛んで行き植物に付着し増殖を繰り返します。
このように外部的な要因もありますが、やはり肥料の三要素の一つであります「窒素」や「カリウム」の不足が内的な要因として重要な位置を占めます。これは十分な追肥などにより防ぐことができます。
うどんこ病の予防
いろいろの植物に被害をもたらしますうどんこ病ですがその予防法を見てみましょう。農薬(薬剤)、重曹水の散布や生育環境の改善により予防することができます。
この病気に感染する前に定期的に農薬(薬剤)を散布しておきますと蔓延の防止になります。ここで注意しなければならない重要なことがあります。それは、同じ農薬や薬剤を使用しますと糸状菌に耐性ができてしまい効能に陰りが出ますので、異なる農薬などを使用することをお勧めします。
つぎに生育環境となりますが、とにかく日当たりを最優先し葉っぱや株を間引いたりして周辺の整理が大切になります。また、土の水はけも十分にしておきましょう。この二つが植物の育つ環境には不可欠になります。
しかし、水やりをし過ぎまして湿度が高くなり逆効果もありますので注意が要されます。薔薇などは、湿度が多すぎますといわゆる黒星病に罹りやすくなりますこれにも注意が必要になります。このように予防・早期発見をしてその感染を広げないことが何よりも重要になります。
うどんこ病の対策
うどんこ病は、糸状菌が風に吹かれて飛ぶことにより蔓延します。この対策の基本は、土がほかの作物に飛ばないよう(マルチを被せるなど)に風通しを隈なくすることにあります。
大切なことは、「自然治癒力を引き出す」「悪くなった患部を切除する」「農薬・殺菌剤を使用する」この三つにまとめられます。以下それぞれ次のとおりになります。
「自然治癒力を引き出す」植物も動物も本来自分で治す能力を持っているものです。初期の段階であれば、お酢や重曹水などをスプレーするだけで菌の繁殖を防ぐことができます。白い斑点が少しでもありましたら効果はてき面になります。早期発見こそが最大の生命維持になりますね。
では「悪くなった患部を切除する」ですが、うどんこ病に罹りある程度の時間が経過しますと自然の治癒力は弱まってきます。思い切って葉っぱを切ってしまいましょう。これにより被害を最小限にすることができます。
最後に「農薬・殺菌剤を使用する」になります。これは、このカビである糸状菌も種類があり農薬や殺菌剤が効かないケースもあります。ブドウなどはブドウにだけ付着し繁殖をするものがあるからです。適切な農薬や殺菌剤の使用を心掛けたいものですね。