春に植える野菜

セリの種まき~収穫までの育て方!栽培時期や病害虫対策など

セリの種まき~収穫までの育て方!栽培時期や病害虫対策など

春の七草の1つとして「七草粥」に加えられる「セリ」は、馴染み深い野菜かと思います。セリ科セリ属の多年草で20~40㎝位まで成長し、別名「根白草(ねじろぐさ)」とも言います。湿地や水田に自生していて、7月の花の季節には小さめの白い花を咲かせます。

耐寒性があるので寒さに強い反面、暑さには少々弱い野菜です。多年草の野菜の良いところは、毎年収穫が楽しめる点ですね。また、自生する位の野菜なので、育てやすいことも好評です。

さて、可憐に白い花を咲かせる「セリ」の育て方について、家庭菜園でチャレンジしてみましょう!

セリの栽培時期と育成条件

セリの栽培時期表
セリの育成条件
  • 日当たり:日当たりの良い環境。または、湿度の高い土質を好む(乾燥には弱いので、半日陰の土地などは好まれる)
  • 土壌酸度:中性
  • 植えつけ:3月~6月、株間20㎝位が目安です
  • 栽培期間:収穫は2~6月及び10月頃が適期です

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セリ栽培の土作り

水もちの良い土地を好み、乾燥には弱いので湿地や水田に自生します。

セリは肥料がなくても育つ丈夫な野菜なので土作りはあまり気にしなくてもよいでしょう

育ちが悪い時だけ追肥を考えます。多年草なので何年も栽培していて生育が悪くなるようでしたら化成肥料を土に混ぜてみましょう。3~9月の間に1回で充分です。

重要!種まき・苗の管理

セリの注意点として「種の発芽率が高くない」が挙げられます。そこで、市販されている苗からの育成をおすすめします

植え付けの適期は3~6月が良いでしょう。乾燥に弱い野菜なので、ある程度の降雨も期待できる季節が向いています。夏の暑さにも弱い野菜なのでこの時期が植え付けの適期です。

湿度の保たれている、明るい半日陰があるとよい育成が期待でき、葉っぱが柔らかく育ちます。根がしっかり埋まるように植えつけていきます。株の間隔は、20㎝位が目安です。後ほど説明しますが、セリはプランター栽培も可能で、その場合は株間10㎝が目安です。

セリは植えつける土地を間違わず「明るい土地で、湿度の高い場所」で栽培すれば、手間がかからずに成長してくれます。よって、最初の土地選びを失敗しないようにしましょう。多年草の強み「繰り返し収穫できる」にもつながります。

セリの開花時期

セリの開花時期

毎年7~8月になると小さめのつぶつぶの白い花が茎の先にたくさん咲きます。

プランター栽培の利点のひとつは、咲いた花を毎日眺められる点です。ベランダに1つプランターを設置して花を鑑賞するもいいですね。

セリの特徴

暑さに弱く耐寒性の強いセリですが、10度以下になると成長が鈍ります。そこで、寒冷紗ネットやビニールなどで覆うとよいでしょう。もともと、半日陰など日当たりが悪い場所に植えていることが多いので、霜よけなどの意味でも寒冷紗ネットは冬の間だけでも設置しましょう。

多年草と言い続けてきましたが、収穫の際に根っこごと収穫してしまうと1年で終了です。根っこを残して収穫すると次年度も楽しめます。外葉から収穫していきましょう。

セリの収穫は冬の季節に嬉しい効能があります。セリの香り成分は、体温を上げて発汗作用を促す効果が期待できます。冬場は寒さからの風邪の罹患が心配されますが、体内から体温を高められれば、病気への抵抗力も高められます。

疲労回復に役立つ鉄分、抗酸化力を保つβカロテン、カルシウムの含有量が高い野菜としても注目されています。
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セリの水やり

セリの水やり

湿度の高い土質を好むセリには水やりが欠かせません。プランター栽培では、表土が乾いてきたらたっぷりと水やりです。

地植え乾燥が激しいようでしたら水をやりましょう。植えた場所が半日陰などの「明るいが湿度は高めの場所」なら、あまり水やりの心配はないでしょう。

病害虫について

アブラムシ

あまり病害虫被害の心配がない野菜ですがアブラムシの被害が発生する事があります。木酢液などの忌避剤をまき、寒冷紗ネットも活用しましょう。

キッチンでの水耕栽培やマンションのベランダでのプランター栽培は、病害虫対策が比較的容易で、無農薬野菜として育てる事が可能です。

セリの収穫と増やし方

セリの収穫と増やし方

草丈25~30㎝になったら収穫の目安です。季節は2~6月や10月が適期です。繰り返し収穫をしたいのなら、根っこは残し、外葉から収穫しましょう

セリは株分けで増やしていく植物です。株が大きく育ったら株分けのタイミングで3~6月頃が目安の時期です。

生命力の強いセリは、水耕栽培も可能な野菜です。スーパ―で購入したセリも、根の部分を水皿に浸けておいても育てられます。水が深すぎると腐敗の原因となるので、根が水に浸かる程度で充分で水没はさせてはいけません。

セリのプランター栽培

セリのプランター栽培

セリはプランターでも気軽に育てられる野菜です。マンションのベランダなどで育ててみませんか?

土は野菜用培養土を準備します。乾燥に弱いので、ベランダの日陰になる場所に設置するといいですね。表土が乾いたら水やりを忘れずに。

ベランダ栽培のメリットはたくさんあります。病害虫は外からの飛来がほとんどなので、そのリスクが低減され、無農薬野菜の栽培も可能となります。寒さ対策もしやすく、霜が降りることも寒冷地でなければ心配ありません。開花の時期には白くて小さな花を観賞用としても楽しめます。

多年草のセリは繰り返し収穫できます。プランターの場合は1年に1度くらいは追肥を行いましょう。徐々に土の力が弱っていきますので2~3年に1度土を入れ替えてしまってもよいですね。
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セリの水耕栽培

株分けしたセリや、食用にしたセリの根っこの部分を再利用して育てられます。日に日に芽が伸びてきて「食べるのはちょっと苦手!」といった子どもでも興味を持ち始めますから食育の一環として水耕栽培をやってみませんか?

水耕栽培の注意点として「菌の繁殖」が挙げられます。水は毎日取り換えて、一度水耕栽培で収穫したセリの根っこの再利用はやめましょう。植え替えをするか処分がよいと思います。ヌメリはセリの根や容器を含めてよく洗ってしまいます。

自生のセリの注意点~毒ゼリの存在

田んぼに自生しているセリや野生のセリを「田ゼリ」「野ゼリ」といって、収穫して食用としたいところですが、それはおすすめできません。なぜなら「毒ゼリ」との見分けが難しいからです。

毒ゼリの特徴としては、草丈が1m位まで伸びるのですが、成長過程ではそれはわかりません。地下茎が緑です。誤って食べると、嘔吐や下痢、けいれん、呼吸困難などの症状がでます。

セリを育てるのは簡単なので、自家栽培にしましょう。地植えに紛れる事も無いかとは思いますが、毒ゼリの存在は知識として覚えておきましょう。

おわりに

セリの育て方について説明してきましたがいかがでしたか?七草粥には必ず入っているので見分けやすく馴染みも深い野菜ですね。

「根白草」との別名が記す通り、春に若い茎や若葉を収穫します。根っこは泥をしっかり落として食材にすると「真っ白い根のシャキシャキ感」を楽しむことができます。

手軽に栽培を始めたいのであれば、購入して食材として食べた後の根っこの部分を利用して水耕栽培をしてみましょう。少々水の交換など手間もかかるのですが、キッチンガーデンとしての楽しみもあります。

多年草のセリは毎年花を咲かせて、収穫も順調な強い野菜です。根っこを大切にして、継続して育てていきたいですね。株分けも定期的に行って、ある程度で新しい株に更新していきましょう。

栽培しやすく強い野菜としては類を見ない「セリ」を育ててみませんか?家庭菜園の初級者用としておすすめの野菜の1つです。



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