プラムは、耐暑性にも耐寒性にも優れているため、日本中のどこでも栽培することができます。
だいたい3月下旬から4月上旬にかけて開花するので、寒い地方にお住まいの方は霜に注意しましょう。北国の方は地植えにするよりも鉢植えがおすすめです。
今回は、プラムの育て方について、詳しくお話ししていこうと思います。
Contents
プラムの植え付け時期と植え付け方
植え付け時期
プラムは、11月から3月頃までに植え付けを行います。
雪が降る寒い地域にお住まいの方は、雪が解け始める3月頃を目安に植え付けを行います。
植えつけ方
植え付け方は、幅・深さとも50cm以上になるように穴を掘り、そのあとに赤球土と腐葉土、堆肥を混ぜて土で穴を埋めます。赤球土は大粒のものを選びます。
プラムは、成長すると3mほどの高さになりますので、苗木を複数本植えるときは、苗木同士が近づきすぎないように、7m以上離して植えてください。耐寒性にも耐暑性にも優れているプラムではありますが、耐水性には弱い植物ですので、水はけのよい土を選ぶようにしましょう。
プラムを地植えにするのであれば、より排水性を高めるため、盛り土をしておくことをおすすめします。盛土をした後は、苗木の根元に藁を敷いておきましょう。
鉢植えにする場合
プラムを鉢植えにするのであれば、10号サイズのものがおすすめです。土は赤球土と腐葉土を7対3の割合で混ぜ合せます。
また、植え付けをする1カ月前には、堆肥や石灰を混ぜ合わせてよく耕しておきましょう。植え付け行った後は、主幹を30cm程度の高さに整えてから、倒れてしまわないよう支柱を立ててください。
プラムの水やりは、乾燥気味に行いますので、土が乾いてから水を与えます。肥料や剪定の方法は基本的に地植えにするときと同じ方法で行います。鉢植えにする場合は、枝が一本につき実が5つ程度になるように摘果し、根詰まりを起こさないよう 2年に一度を目安に植え替えを行います。
スモモ プラム 苗 【ハニーハート】
プラムの種植え
プラムは、種から育てることもできます。
まず、プラムの実から種をとる場合は、実から種を取り出した後で種をよく洗い、乾燥しないよう、濡れたキッチンペーパーなどでくるんでから、ビニール袋に入れて冷蔵庫で保管します。
*通常、お花の種などは、完全に乾燥させてから保存するのですが、プラムの種は、乾燥が進んでしまうと、種の内部まで干からびて、発芽しなくなってしまうため、保湿した状態で保管します。
ビニール袋に入れた後は、乾燥しないようしっかりと封をしておきましょう。そうすることで、越冬する場合と同じ環境を作ることができ、発芽させやすくなります。ただし、乾燥させないためとはいえ、カビが生えないよう定期的にチェックすることも忘れてはいけません。
発芽前に、プラムの種を保管する期間については、短くても 1カ月から2カ月くらいは冷蔵庫の中で保存しましょう。
そのあとで鉢に種を植えますが、場合によっては冷蔵庫の中で発芽してしまうこともあります。発芽してしまったときは、なるべく早く種を鉢に植え替えて下さい。
*プラムは【低温要求種子】なので、冬を体験しないと発芽しません。種まきをしても発芽には時間を要します。適切に管理していれば、【必ず発芽します】ので、それまでは、温かく見守ってあげて下さい●^^●
スポンサーリンク
プラムの水やり
植え付けてすぐはたっぷりと水を与えますが、プラムは湿気を嫌いますので、それ以外は乾かしぎみに水やりを行います。
特に実が成熟期に入る時期には、水やりを控えましょう。プラムの実は、収穫時期に近づくにつれ、水を少なめに与えることで甘みを増します。
プラムの肥料と土
肥料は2月と10月の2回与えます。肥料の種類は即効性の高いものと効き目の緩い緩効性のものとに分けられています。
2月に与える肥料は緩効性の有機肥料、10月に与える肥料は、即効性のある液体肥料や化成肥料を選びます。8月から9月になっても土の中に肥料の成分が残っていると花芽が出にくくなり、収穫量が減ってしまう恐れがありますので注意しましょう。
プラムの管理の仕方
プラムは、成長に合わせて鉢増しを行います。将来的にプラムを地植えにするのであれば、苗木の高さが30cm程度の高さになってから植え付けを行いましょう。
育て方の手順や剪定の方法を覚えてしまえば、だれにでも簡単に育てられますので、果実を育てるのは初めて、という方もぜひチャレンジしてみてください。
スポンサーリンク
プラムの人工授粉の方法
プラムは、品種によって開花時期に人工授粉の必要があるものもあります。人工授粉を行うときは、せっかく付けた花粉が流れおちないよう、雨が降らないかどうかを天気予報で確認し、晴れた日に行うようにしてください。
自分で花粉をとって人工授粉を行う場合には、開花間近の花を集めて花粉をとります。だいたい花一つにつき10花程度受粉させることが可能です。
プラムの摘果
実がつきすぎた場合は、摘果の必要があります。実がつきすぎてしまうと、十分に栄養が全回らなくなるため、余分な実は除去しなければいけません。
摘果する時期は、4月頃から5月上旬頃になります。摘果する実は、上向きになっているものや虫が付いているものから先に選んで取り除きます。だいたい5cmから10cm程度の長さの枝1本につき実が1つを目安に調整していきましょう。
プラムの袋掛け
病害虫を防ぐため、実に袋をかけて保護します。果実用の袋はホームセンターなどで専用のものが販売されています。
だいたい収穫時期の2週間ほど前には袋を取り外しておき、よく日光を浴びさせて色付けをします。
プラムの収穫時期の目安
プランは、果実の皮全体が濃い紫色に色づき、触れてみて柔らかくなっているようであれば食べごろであるサインです。
あまり早く実を収穫してしまうと、実が硬く酸味も強いため、収穫した後しばらく保存しておく必要があります。
プラムの間引きと剪定の方法
剪定は、12月頃から2月頃までに行います。開張性の品種は枝が水平になるように「棚仕立て」にします。植え付けを行ってから2年目までは込み合った枝を根元から取り除き、その年に成長した分の枝の先から 1/3程度を目安にカットします。
そのあとは間引きするだけで十分です。実のついた枝は、あまり短くカットし過ぎないよう注意しましょう。実のついた枝を無理に切り取る必要はありませんが、もしもカットするのであれば10cm以下にならないよう注意して下さい。
枝が長く延び過ぎてしまった時は、先端から1/3程度にカットしますが、実がついた枝が一番外に出るようにバランスを取るようにしましょう。品種にもよりますが、枝の途中から毛羽立ったように細い枝が張り出してくるものもありますので、その場合は枝の途中からカットするのではなく、枝の根元から間引きを行いましょう。
スポンサーリンク
プラムの病害虫
土の上に落ちた葉をそのまま放置しておくと、病害虫の被害にあう原因になりますので、こまめに片付けて処分しましょう。
プラムがかかりやすい病気は次のものになります。
黒斑病
黒斑病は、葉やプラムの枝・花にもつくことがあり、始めは白い斑点が現れて、徐々に紫色から黒色へと変色していきます。斑点の大きさも段々と大きくなっていき、斑点同士が繋がって枯れてしまいます。
原因はカビによるもので、高温多湿な露に時期や秋に発生します。黒斑病を防ぐには、水はけを良くし、風通しを良くするとことです。もしも黒斑病にかかってしまったときは、発病した部分を早めに取り除きましょう。
また、初期であった場合は定期的に農薬を散布することで、病気の拡大を防ぐことができます。
炭疽病
単層もまた、カビが原因で発生する病気です。炭疽病になると葉に茶色の斑点が現れ始め、葉に穴が開いてプラムを枯らしてしまいます。
プラムの実に病気が発生した場合は、実の形が変形し、赤茶色のツブツブや黒色の斑点が現れます。炭疽病が広がると、葉が枯れ落ちて土を通して被害がどんどん拡がってしまいます。
主に6月の梅雨の時期や秋に発生しやすく、特に日当たりや水はけの悪い場所には注意が必要です。炭疽病を防ぐには、風通しの良い場所や日当たりの良い場所に移してあげましょう。また、土の水はけにも注意が必要です。
炭疽病がまだ初期の段階であれば、病変を取り除くだけで再発を防ぐことができますが、株全体に拡がってしまったときは、農薬を散布して被害が拡大するのを防ぐしかありません。
カイガラムシ
カイガラムシは、野菜や草花、果樹に付きやすく、吸汁して枝に排せつ物を残して病原菌を付着させ、病気の原因を作ります。
体長は大きくても3mm程度と非常に小さく、形は丸や楕円形をしています。葉や枝に白っぽいものや茶色い殻のようなものが付いているときは、カイガラムシの被害を疑いましょう。
カイガラムシは、先のとがった爪楊枝などで簡単に取り除くことができます。
おわりに
プラムは果樹ですので、育てるにはある程度の広さが必要になります。確実に実を付けるには、定期的に摘果を行いましょう。
プラムの実は食物繊維や鉄分が豊富に含まれていますので、美肌や美容に役立ちます。
そのまま食べても美味しいですが、ヨーグルトに混ぜても良いですし、ジャムやお菓子に混ぜても美味しいので、上手に育てて美味しく美肌を目指しましょう。