一本でも大きな存在感を示すアマリリスの花。
ユリに似た花姿と太い花茎が特徴です。近年では品種改良が進み、大型から小型のものまでさまざまな種類があります。
育て方にはちょっとコツがいりますが、初心者でも立派に育てることができます。
Contents
アマリリスの栽培時期と育成条件
- 日当たり:日なたまたは半日陰
- 土壌酸度: 弱酸性(pH5.5~6.0)
- 生生適温:15~23℃
- 用途:地植え・鉢植え
- 耐寒性:弱い
- 耐暑性:強い
- 花色: ピンク・オレンジ・白・黄色・緑・複色など
- 草丈:40~80㎝
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アマリリスに適した栽培環境
アマリリスを地植えで育てるなら、日当たり、風通し、水はけのよい場所を選びましょう。
ガーデニング初心者であれば、温度管理のしやすい鉢植えの方が楽に育てることができるでしょう。
鉢での栽培は、夏の直射日光や、梅雨の時期の雨に当たらないようにしましょう。
アマリリスの用土
地植え
アマリリスの好む土壌酸度は弱酸性(pH5.5~6.0)。酸度調整をするには、苦土石灰を植えつけの半月前に土に入れて耕しておきましょう。
日本の土は酸性に傾く傾向にあるので、可能であれば土のpHを事前にチェックしておくとよいでしょう。
植えつけの一週間前になったら、腐葉土や堆肥を施して、土をよく耕し、保水性・排水性・通気性の良い環境を作っておきましょう。
鉢植え
市販されている草花培養土を利用すると間違いはないでしょう。
自作で土を作る時は、赤玉土・腐葉土・パーライトを6:3:1の割合で配合しましょう。
アマリリスの球根の選び方
春咲きのアマリリスの球根が出回るのは2~3月。その頃の時期になると、ネットや園芸店で販売が始まります。
球根の実物を目で確認して購入するときは、大きくてしっかりとした重さのあるものを選びましょう。反対に球根が小さいもの、重さを感じないものは中に養分を蓄えていないと考えらます。
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アマリリスの植えつけ
地面に植えるときは、外の気温が充分に暖かくなってから行うようにしましょう。
外気温は地域によって異なりますが、桜の花が散る頃を目安にするとよいでしょう。
室内で鉢に植えつけをする場合は室内温度がある程度あるので、特に季節を選ばなくても大丈夫です。
地植え
深植はしないようにしてください。理由は球根が腐りやすい性質を持っているから。
球根の半分または3分の1程度が見えるようにして植えつけましょう。球根同士の間隔は、大きいものは30㎝、中くらいのものは20㎝を確保するようにしましょう。
植えつけが終了したら水を与えますが、アマリリスの球根がゆっくりと水分を吸収できるように、その後約10日は水やりを行わず、蕾や葉が出てくるまでは、乾燥気味に育てましょう。
鉢植え
プランターでも育てることが可能ですが、通気性を重視したいのなら、素焼きの鉢を選ぶのが一番です。また、花が咲いた時に倒れやすくなるので、鉢の場合は重さのあるもの、プランターの場合は二重にする、それぞれに支柱を立てるなどして転倒を防ぎましょう。
鉢やプランターに鉢底ネットと鉢底石を敷き、事前に用意した土を投入しましょう。土を入れる割合はウォータースペースを確保するために、3分の2位に留めておきましょう。球根同士の間隔は2個分が空くように確保し、地植えの場合と同様に浅植えにして植えていきます。アマリリスの花は大きなものから小さなものまで沢山あるので、鉢を選ぶときは花の大きさも考慮した上で選択してください。
植えつけ後の水やり方法は地植えの時と同じですが、土の乾燥を避けるために、10日間は日光や風が当たらない場所で管理しましょう。
アマリリスの水やり
地植え
雨の降らない日が長く続いたときだけ、水やりをする程度で充分です。
鉢植え
生長期の春から秋にかけては、土の表面の乾燥が確認できたらたっぷりと水を与えましょう。この時期にコバエが飛ぶようなら、水の量が多すぎと判断してください。
葉が枯れて秋になる頃には、少しずつ与える水の量を調節して減らしていくようにします。冬の間の水やりは必要ありません。アマリリスの水やりは、球根の腐敗を避けるために、直接水が当たらないようにすることがポイントです。
アマリリスの肥料
アマリリスは肥料を好みます。与えるタイミングは葉が開きはじめた頃。元肥として緩効性肥料を施しましょう。
また、葉が枯れるまでの間は1ヶ月に2回液体肥料を与えて、球根を大きくさせましょう。
元肥の時に置いた緩効性肥料は2~3ヶ月で効き目がなくなるので、タイミングをみて追肥してください。
アマリリスの栽培管理
花がら摘み
花が枯れてきたら、球根に栄養を届けるために花の根元から切断してください。
葉や花茎はその後も光合成をして養分を球根に届ける働きをするので、そのままにしておきましょう。
枯れ葉摘み
花が枯れて気温が低くなった頃に、葉が枯れてきます。
枯れた葉は、葉の根元から切って処理しましょう。
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冬場の管理
地植え
球根を掘り上げるタイミングは、外気温が約6℃、葉が黄色くなったころに行うとよいでしょう。掘り上げるときは、球根に傷がつかないように優しく丁寧に取り扱って下さい。
土などの汚れを取り除き、数日間しっかりと陰干しで乾燥させたら、おがくずや籾殻などが入った箱につめて涼しい場所(5℃以下は厳禁)で管理しましょう。
球根を掘り上げない場合は、霜よけをするために土を上から被せておきましょう。ただし、外でのアマリリスの冬越しは、関東より西の暖かい地方でしか行うことができません。
鉢植え
気温が5℃以上ある場所に置いておきましょう。
植え替え
適期は10~11月頃です。優しく土の中から抜き取り、植えつけの時と同じ要領で新しい土へと移動させましょう。
2~3年に1回くらいの割合でおこなってください。
アマリリスがなりやすい病害虫
あまり害虫の心配はしなくてもよいでしょう。ただし、高温と乾燥が続いた時は、葉の裏側にダニが発生することがあります。薬剤を使って対策をすることもできますし、株を横にして葉の裏に水を当ててダニを流すこともできます。
また、病気では「赤班病」に注意が必要です。長雨などの多湿が続くと発生することがあります。鉢で育てているなら、雨が当たらない場所に移動させましょう。
アマリリスの分球
球根は、長く栽培していてもどんどん増えていくことはありません。植え替えをするときに子球を発見した時点で、それを利用するとよいでしょう。
手で分けることができない時は、ナイフやハサミを利用して分割しましょう。分けた球根は、植えつけの時と同じ手順で庭や鉢などに植えてください。
おわりに
アマリリスはその存在感ゆえ、寄せ植えにするのが難しい花といわれています。沢山咲かせることができたら花を切って、花瓶に入れて切り花にしたり、花束にしたりするなどで活用してみましょう。
そうすると、アマリリスの迫力のある華やかさを上手に利用することができますよ。アマリリスを長い期間育てていくには、花を咲かせるまでの管理も大切ですが、それ以上に花後の管理作業でいかに球根を大きく育てるか、ということが需要です。
球根の中にある花芽をうまく育てるには、一度寒さに当てて休眠させることがポイント。現在では、休眠しなくても花の咲く品種も多く出回っていますが、基本的には休眠期が大事ということを、おぼえておいてくださいね。