ベゴニアは歴史のある品種で、昔から多くの王や貴族に愛されてきました。その後、品種改良が何度も繰り返され、現在では原種だけで2000種類以上とも言われています。
全て品種において花弁が雄花5枚、雌花4枚であること、葉の形がアシンメトリーであることが共通点とされています。日本でも園芸の定番ともいえるベゴニアですが、初心者にも大変育てやすい植物として認識されています。
今回は、そんなベゴニアの育て方について、種まきから花が咲いた後の手入れ・栽培時期や病気と害虫対策などをご説明していきます。
Contents
ベゴニアの栽培時期と育成条件
種まき | 定植 | 開花 | |
寒冷地 | 3月中旬~4月下旬 | 5月中旬~7月中旬 | 7月中旬~10月中旬 |
一般地 | 2月中旬~3月下旬 | 4月下旬~9月上旬 | 6月中旬~11月中旬 |
暖地 | 2月上旬〜3月中旬 | 4月中旬~5月下旬 | 6月上旬~12月中旬 |
- 日当たり:半日蔭または日なた
- 土壌酸度:中性から弱アルカリ性
- 用途:地植え・鉢植え
- 耐寒性:弱 耐暑性:中
- 植えつけ:地植えの場合は深さ約3㎝、15㎝~20㎝間隔
鉢植えの場合は深さ約2㎝
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ベゴニアの植えつけ
種から植える場合
ベゴニアは、育苗期間の長い植物であることから、種まきは2~3月頃に行います。種が用意できたら、ベゴニアの品種にあう用土を箱やセルトレイに入れて種を撒きます。種同士が重ならないようにすることがポイントです。
少量の種で育成する場合は、水を含ませたジフィーセブンを使用しましょう。ベゴニアは、好光性種子なのでいずれの場合も、上から土をかぶせる必要はありません。
水を充分与えることが条件になりますが、種が表面に出ている状態なので、水やりは優しく種が流れてしまわないように注意しましょう。
光好性種子とは?
発芽する条件に光が必要となる種のことです。ベゴニアの他にも、トルコギキョウ、ペチュニア、キンギョソウなどがあります。
野菜では、カブやレタス、ニンジンが光好性種子の仲間です。
球根を植える場合
球根は、凹んでいる面を上にして4月頃に浅植えをします。
早い時期に花を咲かせたい場合は、2月頃に日光の良くあたる室内で植え付けをしましょう。5℃以上の環境であれば、芽を出すようになります。
ベゴニアの用土と肥料
ベゴニアは充分な水分を必要とする植物ですが、その水分によって根腐れなどを起こしやすい植物でもあります。そのため、水はけの良い用土を使用することが上手に育てるポイントになります。
赤玉土小粒・腐葉土・日向土を5:3:2の割合で配合すると、通気性の良い用土ができ上がります。用土を用意する時に元肥として、緩効性化成肥料を混ぜましょう。成長な盛んな時期には、液体肥料を定期的に与えるようにします。ベゴニアは養分があまりなくても、育てることが可能な植物です。
速効性ある肥料を与えると、肥料障害によりベゴニアに悪影響を及ぼす原因となることもあるので、与えすぎには注意しましょう。また、冬場の追肥も特に必要ではありません。
ベゴニアの水やり
育成期である夏場は、表面の土が乾いてきたら充分に水やりをしましょう。湿度が高い状態での水やりは、根が枯れてしまう可能性が出てくるので、定期的に観察をしながら行って下さい。
夏場が過ぎ、地面に接している部分が枯れ始めてきたら水やりの量を控え目にします。冬になり、枯れて球根のみの状態になったら、水やりを行う必要はありません。
冬場でも、ビニールハウスなどの暖かい室内で育てている場合は、夏場と同じようにしっかり水を与えましょう。
ベゴニアの発芽後の管理
発芽後に本葉が2~3枚出てきたあたりで、ポットに移します。この時5~6㎝の大きさのポットがオススメです。
窓際のレースのカーテン越しで育てましょう。直射日光や雨風に当たらないような暖かい場所が適しています。
ベゴニアの植え替えと増やし方
成長したベゴニアがポットの中で窮屈そうな状態になったり、根がポットの下からはみ出したりしている時が、植え替えの時期と判断してよいでしょう。春から初夏が一番適しています。
植え替えの際に球根性のベゴニアは、凹んでいる部分を上に向けます。また、スタンドタイプのものであれば、支柱を立てておきます。
根茎性や木立性の場合は、根についている土を半分ほど落とし、古くなっている根や弱っている根を切り取ってから、新しく用意した土が入っている一回りサイズの大きな鉢へ移しましょう。根を切り落とすことで、新しい根が出てきやすくなります。
ベゴニアの挿し木
ベゴニアは茎が細い丈夫な品種であれば、挿し木で増やすことが可能です。根が茶色くなっていない良い茎を選び、15㎝から20㎝くらいの長さで切ります。30分ほど充分水を吸わせた後に、葉を2~3枚残して土に挿しておきましょう。
土は、新しく用意したバーミキュライトなどを使用するのがオススメです。多めの水分を与えること、直射日光に当てないことに注意しながら管理を行うと、30日位経過したあたりで、根が出てきます。ただし、ベゴニアのさし木は腐りやすく難易度が高いとされています。
ベゴニアの種類
2000種類以上の原種があるとも言われているベゴニアは、大きく3つのタイプに分類されます。
球根性ベゴニア
土の中に球根を作ります。成長するにつれ上に伸びていくものをスタンドタイプと下へ垂れてくるハンギングタイプに分かれます。
豪華な花を咲かせることが特徴とされています。
木立性ベゴニア
土の中に根茎も球根も作らず、木立になります。
年を追うごとに茎が太くなることが特徴とされており、「矢竹型」「叢生型」「つる性型」「下垂性型」の4種類があります。
根茎性ベゴニア
太い茎を土の表面を這わせながら育ちます。
葉の形や厚み、模様などの種類が豊富なので、花だけでなく、観葉植物として葉を楽しむことができます。
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ベゴニアがなりやすい病気
ホコリダニ
成長が早く、肉眼では見えないほど小さな害虫です。
ベゴニアの栄養分を吸収し、弱らせます。殺虫剤の使用が効果的です。
うどんこ病
土の中にいるカビが葉に付くことによっておこる病気です。土が乾燥しやすい冬に発生することが多く、一度発病すると治りにくいのが特徴です。
あらかじめ殺虫剤を使用して予防すると同時に、土を乾燥させないように水やりを定期的に行うようにしましょう。
灰色カビ病
蒸れや水のやり過ぎが原因となる病気です。発生したカビや菌が植物を蝕み、花や葉、茎に灰色のカビのようなものがつきます。
病気になった部分はすぐに切り落とし、風通しの良い場所に置くようにしましょう。発病後は殺虫剤を使用します。
斑点細菌病
葉に斑点のようなものが増える治療法が無い病気です。他の植物から菌が感染することが原因とされています。
病気にかかった部分を素早く取り除くことで、繁殖を防ぎましょう。
ベゴニア豆知識
風水
恋愛運や結婚運を高めてくれる効果があるとされています。
相性の良い方角は、北西、西、北東、南西、南です。素直な気持ちになれる花とされています。
花言葉
ベゴニアの花言葉は「幸せな日々」、「愛の告白」、「親切」、「片思い」などです。
花言葉の由来は、葉の形がアシンメトリーであることやハートに見えることから付けられたとされています。
おわりに
ベゴニアの育て方について解説しましたが、いかがでしたか?
ベゴニアの育て方のポイントは下記のようになります。
- 直射日光の当たらない風通し、水はけが良い場所を選ぶこと。
- 根腐れに注意しながら水分をたっぷり与えること
- 肥料のあげすぎに注意すること
ベゴニアは小さくかわいらしい花から立派な大輪を咲かせる花まであり、その色のバリエーションも豊富です。様々な品種のベゴニアを育てることで、自分の好みが見つかる楽しみもあります。
育てやすい植物なので、興味が湧いたら早速ベゴニアの育成にチャレンジしてみてください。