香辛料として人気の唐辛子。長い歴史を持つ野菜ですが、今では日本料理だけでなく世界中の料理に欠かせない調味料です。
実は、辛味成分カプサイシンのほかにもビタミンやカロテンが豊富に含まれているので、毎日食卓に並べたい野菜のひとつ。
実がついてからは辛味成分のお陰で虫が寄りづらく、家庭菜園にもぴったりです。そこで本記事では唐辛子の育て方・栽培方法をご紹介します。
収穫後の美味しい食べ方も、ご紹介しているのでぜひ参考にしてください。
Contents
唐辛子とは?特徴と歴史
唐辛子は英語で「Red pepper」「Chile pepper」などと呼ばれ、日本の家庭にも馴染みの深いものになりました。
今日では、一味唐辛子や七味唐辛子、コチュジャンやラー油など唐辛子を用いた調味料はどの家庭にも常備されているのではないでしょうか。
唐辛子はナス科トウガラシ属であり、同じ仲間にはピーマンやパプリカ、シシトウも分類されます。形や色、大きさ、辛みもそれぞれ違うのが特徴です。
唐辛子の歴史はとても古く、ペルーやメキシコでは紀元前6,000年〜7,000年ごろからすでに栽培が行われていたと言われています。
日本には戦国時代のころに渡ってきたとされていますが、当時は食用としての普及はされていませんでした。
観賞用・毒薬・霜焼け止めなどとして用いられていた説が濃厚のようです。現在でも食用だけでなく観賞用として育てる種類もあります。
原産地は熱帯の中南米で、日本でも暑い夏に収穫します。日本国内で収穫量が多いのは福岡県・兵庫県・栃木県に続いて東京都です。
産地を見ても、日本中どこでも栽培できる印象ですね。
栄養と効能
唐辛子は辛いだけの野菜だけではありません。辛味成分カプサイシン以外の栄養素もご紹介します。主な栄養素は以下のとおりです。
カプサイシン
ビタミンC
ビタミンE
カロテン
辛味成分のカプサイシンは摂取するとアドレナリンの分泌を活性化させ、発汗・強心作用を促進させる働きがあります。
また、胃腸も刺激することで消化液の分泌を促し消化のスピードをアップ。
食用増進の作用もあるので、夏バテで食欲がないときには唐辛子を用いた料理を食べると良いとされています。
カプサイシンには、アドレナリンの分泌や胃腸内の働きを活発にして、体の内部を燃やし動かす効能があると言えるでしょう。
唐辛子にはビタミンCやビタミンEも含まれています。ビタミンCは、疲労の回復や肌荒れの改善などにも効果があります。
一方のビタミンEは、強い抗酸化作用があり生活習慣病の予防だけでなく良い肌環境を保つのに重要な栄養素です。
どちらも美肌に一役立つ、女性にも男性にも嬉しい効能を持っています。
最後にご紹介する、栄養素のカロテンには抗発癌作用が認知されています。
体内ではビタミンAに変換され、髪質の維持・視力維持・粘膜や皮膚の健康維持・呼吸器系統を守る働きがあるとも言われています。
唐辛子に含まれる栄養素の種類の数は際立って多くありませんが、どれも健康維持には重要な栄養素です。
とはいっても、食べ過ぎには注意が必要です。辛味のある唐辛子を大量に摂取すると胃腸への刺激が強くなり、内臓を荒らしかねません。
お腹を下すことも珍しくないので量には慎重になりましょう。
唐辛子の育て方!プランター編
唐辛子はプランターを用いれば、家庭でも栽培できます。ホームセンターで苗を購入して栽培するもよし。珍しい品種を育てたい方は種から苗を育てて栽培してもOKです。
難易度はさほど高くないので、初心者でも育てられます。苗で購入した場合はより気軽ですよ。おすすめの唐辛子の種類は以下のとおりです。
シシトウ | 青唐辛子のような見た目ですが、辛くない品種。 |
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ハバネロ | かつては一番辛いと言われていたほど”激辛”な品種。丸みのある邪たちが特徴。 |
鷹の爪 | 代表的な日本の品種。粉末状にしたものが一味唐辛子。 |
韓国唐辛子 | コリアンレッドと呼ばれ、韓国料理にぴったりの品種。 |
辛くないものを選びたい方はシシトウを。流通が少なく高価な品種を育てたい方はハバネロを選びましょう。
「和食に使いたい!」「韓国料理に使いたい!」と使用する料理によって、種類を変えるのも楽しいでしょう。
しかし、珍しい種類の唐辛子の苗はなかなか売っていないので種を購入して育てる必要があります。
「苗を購入したい!」という方は、種類の選択肢が狭くなることを理解しておきましょう。
プランターの選び方
唐辛子の栽培に適したプランターは深さ20〜30cm、直径30cmほどのプランターです。特別大きいものではないので、用意しやすいですよ。
種から育てる場合、苗づくりの時期は3.5号のポットを準備して育てましょう。唐辛子の本葉が3〜6枚になったあたりで植え付けるので、プランターはそれまでに準備しておきます。
苗づくり用ポット…3.5号
プランター…深さ20〜30cm、直径30cm
唐辛子の収穫時期・栽培カレンダー
唐辛子の原産国は熱帯の中南米であることもあり、気温の高い時期を好みます。
種まきから苗づくりの時期は、気温がまだまだ低い季節なので管理に十分注意して栽培を行いましょう。ここをクリアすれば、失敗も少なく収穫まで順調に成長してくれます。
種まき適正時期 | 2月末〜4月中旬 |
植え付け時期 | 4月中旬〜6月中旬 |
収穫時期 | 6月中旬〜10月末 |
発芽 | 生育適温 20〜30℃前後 |
種まきから発芽までの期間 | 約7日 |
種まきから育苗までの期間 | 約65〜80日 |
植え付けから収穫までの期間 | 約30〜60日 |
唐辛子の育て方(栽培方法)
唐辛子は夏の暑い時期に収穫を迎えます。日当たり・水はけの良い環境を好み、水や肥料もしっかり与えましょう。
花が咲き、実がつく時期になった際は整枝を行います。また、実の重みで折れないように支柱を固定してあげましょう。
育てる場所 | 日当たり・風通しの良い場所 |
水やり | 植え付け直後はたっぷりの水。その後、土の表面が乾いたらその都度水やり。 |
間引き | 1回 |
肥料 | 植え付け時に元肥。その後実がつきはじめたら2週間毎に追肥。 |
唐辛子は、日当たりの良い場所を好むため日向で育てます。しかし、夏場の直射日光は葉や実が焼けてしまう恐れがあるため工夫が必要です。
準備
では、唐辛子の栽培の準備を行います。必要な道具は以下のとおりです。
種または苗
3.5号ポット(苗の場合不要)
プランター
鉢底石
園芸用の支柱(仮支柱)
麻ひも
ショベル
肥料
ハサミ
ジョウロ
苗を購入する場合は、プランターのみ。種から苗を育てる場合はポットを用意しましょう。
植え付けの際に仮支柱を立てるので、植え付けからはじめる方は短めの支柱と麻ひもを用意していてください。
土づくり
唐辛子は水はけの良い土で育てます。土はホームセンターで購入可能な野菜の培養土を使うと簡単です。
種から栽培する場合は、ポットに培養土を8割ほど入れて準備完了です。
植え付けの場合は、プランターの底に鉢底石を2cmほど敷いてから培養土をプランターの深さの8割のところまで入れます。
これで土づくりは完成です。
土のリサイクル方法
唐辛子栽培の土づくりはむずかしい工程がなく簡単ですね。
しかし、唐辛子は連作障害を起こす可能性のある野菜です。唐辛子を育てた土や同じナス科の野菜を栽培した土を再利用したい場合は土を「消毒」してから使いましょう。
ナス科の野菜にはトマトやピーマンなど家庭菜園で馴染みのあるものばかりです。「前回なにを育てたか分からない」という場合も念のため、消毒して土壌改善を行ってから使用してください。
土のリサイクル方法は以下のとおりです。
1. ふるいにかけた土を少し湿らせてビニール袋に入れる
2. 封を閉じて太陽光に当てて消毒する
3. 消毒が終わった土をビニールシートの上に広げて天日干しをする
4. 乾燥したら市販の再利用剤を必要な分量だけ混ぜて完成
太陽光に当てる期間は春から夏は約1週間、秋から冬は約2週間が目安です。
唐辛子の種まき
それでは唐辛子の種をポットにまいていきます。発芽してから、育ちの良いものを選ぶのでここでは1つのポットに2.3粒の種をまきます。一定の間隔を開けてまきましょう。
ポットで管理することで、室内での栽培にも適しています。まだ寒さの残る時期の種まきなので、室内で管理することも念頭においておきます。
唐辛子の発芽率は高いので、温度管理さえクリアすれば種を植えてから1週間ほどで発芽します。25度前後の環境をキープしてあげましょう。
苗づくり
唐辛子の種子から無事に発芽した後は、本場が2枚になったところで一番元気な芽を残して間引きします。1つのポットに1つの芽がある状態を作りましょう。
このまま植え付けまでポットで育てます。
植え付けまでに期間は約65〜80日。苗の高さが約15cm〜18cm、本葉が6〜9枚に成長したら植え付けを行って良い時期です。
植え方
それでは、唐辛子の苗をプランターに植え付けていきます。植え付けの際には一緒に仮支柱を立てておきます。手順は以下のとおりです。
1. ポットと同じ大きさの穴を30cm以上の間隔を開けて作る
2. 苗を植える前に穴にたっぷりの水を注ぐ
3. 苗に手を添えながら落ちないように逆さにして、ポットから苗を取り出す
4. 穴に苗を入れて土を軽くかぶせて少し押さえる
5. 苗の隣に仮支柱を立てて、下から10cmのところで仮支柱と苗を結んでおく
6. たっぷりと水を与える
上記の工程で、プランターへの植え付けは完了です。たっぷりの水と仮支柱がポイント。仮支柱の紐は締め付けすぎないように注意して、やさしく結びましょう。
植え付けの時期は4月末〜6月中旬がベストです。6月下旬までには終えるようにします。
水やり
苗の植え付け直後はたっぷり水を与えて、その後は土の表面が乾いたら水を与えます。また、夏場は土の乾燥には要注意です。
朝や夕方など、比較的涼しい時間帯に水やりを行いましょう。苗づくりのときや、寒い時期でも同じように、唐辛子の水やりは土の乾燥に注意して行います。
もし、畑などに地植えした場合でしたら、上記のように敷きワラをひいてあげるのも良いでしょう。
肥料について
唐辛子の肥料は化成肥料を使用します。植え付けの際に、元肥として化成肥料と堆肥を混ぜて与えます。その後は実がつきはじめたら2週間に1回の追肥を行います。
1株に対して約10gを目安に与え、前回置いたところとはずらしてまくのがポイントです。
支柱を立てる
唐辛子はたくさんの実をつけるため、重さで倒れてしまう場合があります。そのため、支柱を立てましょう。用意する支柱は1mほどのものを用意します。
支柱を立てる時期の目安は、はじめて小さな実が見えてきたときです。唐辛子の花が咲きだしたら準備しておきましょう。それより前に、「支えてあげた方が良いかも」と思えば、支柱を立てて構いません。
植え付けの際に立てた仮支柱を抜き、その穴に新たな支柱を立てると唐辛子の根を傷める心配がありませんよ。
整枝
支柱を立てるときに整枝も一緒に行います。元気な側枝を2~3本残してそのほかは切り取りましょう。
残った枝にひとつずつ支柱を固定しておき、たくさん実がついても良いように準備します。整枝のあとも脇芽は再び出てくるので、必要なものを残してカットしていきます。
水やりや日々の観察の際には、枝元をよく見ておきましょう。
害虫対策
辛味の強い唐辛子は、虫がつきにくく害虫被害にあいにくい野菜です。しかし、シシトウのように辛味のない唐辛子や、実の辛味が出てくるまでに食害にあうことがあります。
どんな虫が多いのか事前に理解して、虫から唐辛子を守りましょう。唐辛子の栽培において注意が必要な虫は主に以下のとおりです。
アブラムシ | 春から出てくる虫。若い蕾や茎などを枯らせてしまう。繁殖力も強く注意が必要。 |
オオタバコガ | ナス科の野菜によくつく虫。実に穴が空いている場合、幼虫が外食している恐れがある。 |
どの虫も放っておくと、被害が拡大してしまうので見つけ次第すぐに駆除しましょう。毎日の入念なチェックで早期発見できます。
事前に対策して、被害を出さないことも重要です。防虫ネットも使用可能ですが、支柱を立てる場合に邪魔になってしまします。その場合は、ホームセンターで購入できる専用の薬剤を使用しましょう。
収穫
唐辛子を収穫する際は、よく切れるハサミを使用して実の付け根をカットします。手でちぎると一緒に枝を折ってしまう可能性があるので必ずハサミを用意してください。
また、「収穫した唐辛子を乾燥させて使用する」と事前に決めている場合は、枝ごと(または株ごと)収穫することで楽に乾燥唐辛子が作れます。用途に応じて収穫の方法を変えてみてください。
唐辛子は以下の3つのタイミングで楽しめます。
青唐辛子 | 開花後約20日、全長4〜5cmで収穫。(柚子胡椒) |
赤唐辛子 | 鮮やかな赤色になったタイミングで収穫。また、乾燥させたい場合は枝ごとまたは株ごと収穫。(一味唐辛子) |
葉唐辛子 | 青唐辛子の収穫前に株ごと収穫。 |
開花から約20日で青唐辛子の収穫が可能です。青唐辛子の時期に収穫せずに、赤く色付きはじめ鮮やかな赤色になったタイミングで収穫するのが赤唐辛子。
どちらも辛みがあり、違いは水分量ぐらいです。「柚子胡椒」を作りたい場合は、青唐辛子を収穫しましょう。
もうひとつおすすめなのが葉唐辛子。葉っぱもおいしく食べられるので、ぜひ葉唐辛子にも挑戦してみてください。
葉唐辛子は、青唐辛子の収穫より少し前に株ごと引き抜き、葉だけを摘みます。
ただ、実ができる前に引き抜いてしまうので、その株だけは「葉唐辛子専用株」になってしまいます。ここだけ注意して葉唐辛子を収穫してください。
おいしい唐辛子は、「きれいに赤く色づき、はりと艶がしっかりあるもの」と言われています。収穫の際にチェックしてみましょう。
唐辛子の収穫時期は、6月から10月いっぱいまでと長い間楽しめますよ。
唐辛子を育てる際のポイントと注意点
唐辛子は寒い時期に行う苗づくりさえ成功してしまえば、初心者でも枯らすことなく育てられる野菜です。
ポイントと注意点をおさえて、より手軽に唐辛子の栽培を行いましょう。ポイント・注意点は以下のとおりです。
ストレスで辛くなる
夏場の直射日光は葉や実が焼けてしまう恐れがある
害虫より病気に注意する
唐辛子は、水や肥料が少ないとストレスで辛味成分のカプサイシンが増えます。その結果辛くなる傾向があるので注意が必要です。
「辛い唐辛子がだいすき!」という方には良いのですが、辛味のないシシトウや辛味が強くない品種を育てている方にとっては「こんななはずじゃなかった」といった結果になりかねません。
唐辛子の栽培中は水と肥料を十分に与えましょう。
また、太陽光を好む唐辛子ですが、夏場の直射日光に当たり続けると葉や実が焼けてしまう場合があるので注意しましょう。
対策として、日中は遮光ネットを使用して日当たりを弱くする方法があります。
また、猛暑によって気温が上がりすぎる日には唐辛子の蒸散作用がうまくいかず、光合成の力が弱くなってしまう場合があります。
葉水や打ち水をして蒸散作用の手伝いをしてあげましょう。原産地が熱帯の地域の唐辛子。暑い環境には強く、大きな心配は不要ですが水やりの際には注意してみてください。
病気
「害虫対策」で注意する虫についてご紹介しましたが、唐辛子は害虫よりも病気に注意する必要があります。以下の3つが主な病気です。
斑点病 | 花色の小さな斑点があらわれる病気。成育不良を起こす場合がある。 |
うどんこ病 | 葉っぱの表面に白い粉のようなカビが生える病気。 |
モザイク病 | 一度かかると治療できない病気。多発すると株全体が萎縮してしまう。 |
いずれも、連作障害や風とおしの悪さ、雨や泥跳ねによるものです。水の与え過ぎには注意し「土が乾燥したらたっぷりあげる」を守りましょう。
また、梅雨の時期は湿気がたまりやすいので弱った葉・枯れた葉を頻繁に取り除いて、風通しの良い環境を作ってあげましょう。
「病気かな?」と疑われる部分ははやめに取り除き、被害が広がるのを最小限に抑えてください。
唐辛子の美味しい食べ方
唐辛子を収穫したらさっそく、おいしくいただきましょう。カプサイシンだけでなく、ビタミンやカロテンも豊富な唐辛子。
上手に利用して毎日食卓に並べたいところですね。唐辛子の美味しい食べ方は主に以下のとおりです。
そのままの素材をたのしむ
調味料にする
以下で詳しくご紹介します。
そのままの素材をたのしむ
シシトウや辛さの弱い種類は、そのままの素材をたのしむ調理方法で美味しくただきましょう。
火を入れることで種も柔らかくなるので、洗ったらカットせずにまるまる調理可能です。余すところがないのが魅力ですね。
また、唐辛子に含まれる豊富なカロテンは油と組み合わさることで吸収率が上がります。素揚げや油で炒めるなどして食べたいところですね!
煮物にする場合も、一度炒めてから煮付けると良いでしょう。
生の唐辛子を調理する際に、素手で持ってきざむと水で洗い流しても手に辛味成分が残る場合があります。
特に若いうちに収穫した青唐辛子は水分量が多く、手に残りやすいので注意が必要です。
生の辛い唐辛子を調理する場合は、手袋の着用や調理中・調理後に目を触る、子どもの相手をするなどは控えましょう。
調味料にする
唐辛子は調味料にして美味しく食べる方法もあります。調味料にすることで保存もできるので忙しい方にもおすすめです。調味料は主に以下のものがあります。
一味唐辛子 | 乾燥唐辛子の種を取りのぞき、ミキサーで粉末状にする |
柚子胡椒 | 青柚子皮と青唐辛子と塩をミキサーにかけてペースト状にする |
青唐辛子味噌 | 青唐辛子を細かくし、味噌やそのほかの調味料と合わせて炒める |
葉唐辛子の佃煮 | 茹でたあと醤油・砂糖・みりんで炒める |
オイル・醤油漬け | オイルまたは醤油に唐辛子を漬け込む |
いつものお料理の隠し味やインパクトをプラスするのに最適なのが唐辛子の調味料です。
「毎日辛いものが食べたい!」という方も自家製の辛味調味料で毎日の食事を楽しみましょう。
保存方法
唐辛子は収穫期間が長く、一度にたくさん収穫できてしまう場合があります。しかし、辛味の強い唐辛子はなかなか大量消費できるものではありません。
そこでここでは、調味料にして長持ちさせる以外の保存方法をご紹介します。
収穫した生の唐辛子は、ビニール袋に入れて冷蔵庫で保管することで約1週間保存可能です。
すぐに使用しない場合は、1本ずつラップに包んで冷凍保存すると良いです。この場合は3ヶ月〜6ヶ月程度で使い切りましょう。
乾燥させる場合は、枝ごとまたは株ごと収穫した唐辛子を室内に吊るし、水分を蒸発させます。
そのまま数日間放置し、表面にシワがついてきたら唐辛子を振って音を確認しましょう。「カラカラ」音がすれば、乾燥したサインです。
瓶の保存容器で、半年から1年は風味が保てますよ。
唐辛子を枝ごと収穫していない場合は、干し網に入れて風通しの良い場所で乾燥させます。干し網がなくてもザルや洗濯ネットでも代用可能です。
しかし、枝ごと吊すよりも、カビが生える可能性が高いので1日に1回は混ぜてください。時間短縮にもつながりますよ。
保存方法 | 保存期間 |
ビニール袋に入れて、冷蔵庫に保管 | 約1週間 |
1本ずつラップに包んで、冷凍庫に保管 | 約3ヶ月〜6ヶ月間 |
密閉容器に入れて、直射日光の当たらない場所で保管 | 約6ヶ月〜12ヶ月間 |
唐辛子の育て方に関するQ&A
最後に唐辛子の育て方に関す疑問を質問形式で回答していきます。より理解を深めて、失敗のない栽培を行いましょう。
唐辛子の苗づくりで効果的な保温方法は?
室内で育てるほかに、ポットごと発泡スチロールの箱に入れる方法があります。ふたはせずに、必要であればビニールをかぶせることで保温ができます。また、日光を遮ることもありません。
しかし、日当たりが良い日や季節外れに気温が高い日には、ビニール内の気温が一気に上昇することもあるので注意が必要です。
種まきは4月中旬ごろまで可能なので、心配な方は4月に入ってから行うことをおすすめします。60日〜80日で苗が完成するので6月中旬ごろには植え付けられるでしょう。
収穫後も植えておけば来年も唐辛子が実る?
唐辛子は基本的には一年草なので、冬には枯れてしまいます。次の年も収穫したい場合は同じように植え付けが必要です。
なかには1年以上枯れずに翌年も実をつける種類もありますが、日本の冬の寒さと乾燥では継続できないことがほとんどです。春に再び植え付けを行いましょう。
唐辛子は有機肥料でも栽培できる?
有機肥料でも栽培可能です。唐辛子に限ったことではありませんが、有機肥料を使用することで、以下のようなことが考えられます。
虫が寄ってきやすくなる
気温が低い時期には効果があらわれにくくなる
プランターで栽培するのであれば化成肥料の使用をおすすめします。
どうしても有機肥料で育てたい場合は気温が高くなる夏や、辛い実がなって虫が寄らなくなってからなど工夫してみてください。
唐辛子栽培は初心者でも可能ですか?
唐辛子栽培は、場所もとらずに育てられるだけでなく手間もかからないので、初心者の方にもおすすめです。
唐辛子の赤い実は、とても可愛いのでリースなどの飾りにしたり、干しておけばいつでも必要な分だけ使えるもの嬉しいですね。
ラー油やタバスコ、お酒など1年を通して楽しむ事ができます。苗から育てる場合は、葉色が良く茎もしっかりしている苗を選ぶようにしましょう。
品種も豊富で、室内栽培もできますので自分にあった栽培を楽しむ事ができます。
まとめ
唐辛子といえば辛味成分の「カプサイシン」ですが、実はビタミンCやビタミンE、カロテンなど健康維持に重要な栄養が豊富です。
また、辛くないシシトウやピーマン、パプリカも同じ仲間ですよ。
原産国は熱帯の中南米であることもあり、暑い環境を好みます。寒い時期に種をまくので苗づくりがいちばんの難所です。
その場合、4月中旬〜6月中旬ごろに苗を購入して植え付けから行うことで失敗が一気に減りますよ。初心者の方は、苗から栽培をスタートさせてみましょう。
収穫後はカロテンの吸収率を高める、油を使用した料理がおすすめです!調味料を作って毎日の食卓に出すのも良いですね。
また、一気に消費できない場合は冷凍保存・乾燥保存を上手に利用して、長持ちさせましょう。